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◆◆◆  ブ ク ン ダ 公 園  ◆◆◆
  藤井寺市藤井寺1丁目19番
     近鉄南大阪線・藤井寺駅より南へ約130m 徒歩約
(公園北東入口まで)
     府道
190号西藤井寺線(いちょう通り) 藤井寺駅前郵便局前を東へ約140m 南へ右折約50m(公園入口)
      公園入口東側に市営藤井寺駅南駐輪・駐車場 公園周辺にコインPも有り
「ブクンダ」って?
 「ブクンダ公園」の名を見たり聞いたりすると、おそらくほとんどの人は「ブクンダって何?」と疑問に思うことでしょう。私も初めて
見た時には、一瞬、東南アジア辺りの外国由来で付いた名前かと思いました。カタカナで書かれているので尚更そんなイメージを感じさせ
ます。しかし、この名前は外国由来などではありません。れっきとした藤井寺古来の地名から付けられたものなのです。ここでは、桜と共
にブクンダ公園についても簡単に紹介しておきたいと思います。
 ブクンダ公園の桜は現在8本のソメイヨシノがあります。公園の東側と南側の端に沿って並んでいますが、以前よりは本数が減っていま
す。ここに公園が建設されてから約
50年なので、最初に植えられた桜も50年近い樹齢と推測されます。樹勢が一番良い時期ではないかと
考えられますが、最近各地で広がっているクビアカツヤカミキリの被害が影響しているのかも知れません。この公園全体としては桜をメイ
ンの売りにしているわけでもないので、他の常緑樹や藤棚、低木、花壇の季節の花などと混在していて、花見場所としてはもうひとつ目立
ちにくいかも知れません。
 ブクンダ公園は、市が独自の事業として整備した都市公園の第1号で、1973(昭和48)年にできました。それまでも、府営住宅地や住宅公
(現UR・都市再生機構)団地の中などには、住宅地用の児童遊園的な公園がありましたが、そういう場所とは違う市街地の中で、市が独自
に造った最初の公園でした。場所も藤井寺市内では一等地の商業地の南側で、すぐ横には古くからの商店街がありました。高度経済成長の
ピークの時期に計画されましたが、この土地が民有地だったら当然商業ビルやマンションになっていたことでしょう。よくぞ公園を造って
くれました、という感じです。
ブクンダ公園と桜(北西より)
ブクンダ公園と桜(北西より)                 2023(令和5)年4月
    右後方に見える施設は市営藤井寺駅南駐輪駐車場の駐車場と駐輪場建物。公園中央部
   には花壇があり季節の花で飾られる。左端に見える建物は公園専用トイレ。公園の周囲
   には商店や事業所が多いので、公園に出かけてベンチで昼食をとる人もよく見かける。
公共施設になった池
 「ブクンダ」というのは、実は昔からあった池の名前に基づいています。公園となった土地は昔は「ぶくんだ池」というため池でした。
本来は漢字の名前で、「仏供田池」と書きます。「仏供田」は本来は「ぶくんだ」とは読みませんが、長い年月の間になまって変化したも
でしょう。江戸時代の村絵図の中では「ふ
(ぶ)くでん池」と書かれています。いずれにしても、「仏供田」という言葉は現代では見ること
もほとんど無く、漢字表記では読みにくい名前です。そこで、市の作成する公式地図ではカタカナ表記が使われるようになっていました。
それに倣って市販地図なども「ブクンダ池」と表記するのが一般的になっていったのです。
 下の右写真は、昭和
30年代半ばに国土地理院が撮影した空中写真です。ブクンダ池の形がはっきりとわかります。池の中に桟橋状の通路
が見られるので、釣り堀に利用されていたと思われます。池のこの大きさは戦前から続くものですが、実は、もともとのブクンダ池はもっ
と大きなものでした。写真の池の北側の土地の部分も含む範囲が昔のブクンダ池だったのです。今、銀行が並んでいる藤井寺駅前から南が
池でした。1936年(昭和11年)に北側の約半分が埋め立てられました。太平洋戦争中、ここに私立の中学校
(旧制)ができ、戦後に高校になり
ましたが、間もなく閉校となり、やがて商業用地として利用されていきました。     アイコン・指さしマーク「ブクンダ公園−藤井寺市の施設案内」

 残っていたブクンダ池も、埋め立てをして公共用地に利用することになり、その一部に1971(昭和46)年4月、市立第3保育所が開設され
ました。その2年後には、都市公園を開設するために整備され、市内で最初の都市公園ができました。それが今のブクンダ公園ですが、開
設当時は「ちびっこ広場」という名前でした。その後、市内各地に小字
(こあざ)名を付けた児童公園が次々と開設され、その頃にちびっこ広場
も同じように小字名を付けた公園名に変更されて「ブクンダ公園」となりました。
 次々と埋め立てられたブクンダ池ですが、それでもまだ、一部は残っていました。下の左写真で公園の右側に屋外駐車場が見えますが、
この駐車場のコンクリート地盤の下には、今でもブクンダ池の最後の一部が存在します。普段は雨水調整の働きをしているのでしょうが、
防火用水としても利用できる設備が設けられています。1983(昭和58)年4月、保育所の東側に市営藤井寺駅前駐車場が開設されますが、そ
の時はまだ残ったブクンダ池は水面でした。しかし、利用者の増加によって数年後には駐車スペースの増設が必要となり、ついに最後の池
の部分もコンクリートで覆われてしまいました。その後駅前駐車場も立体駐車場に変わり、駐輪場も増設されて「藤井寺駅南駐輪駐車場」
となりました。かつての仏供田池は
すっかり公共施設で埋め尽くされました。なお、立体駐車場は設備の老朽化により2022(令和4)年冬に
解体撤去され、平面駐車場に変わりました。                 アイコン・指さしマーク「ブクンダ池跡地−藤井寺市の川と池
ブクンダ公園の様子 昔の様子
ブクンダ公園の様子〔GoogleEarth 2019(平成31)年3月〕より
    赤線の範囲が、昭和40年代まで存在した仏供田池の範囲。

                  文字入れ等一部加工
昔の様子   〔国土地理院 1961(昭和36)年5月30日〕より
     この頃のブクンダ池は釣り堀に利用されていた。
                  文字入れ等一部加工
藤棚と花壇
 桜のシーズンが終わり、木々が新緑で覆われる頃になると、ブクンダ公園ではもう一つの名物が注目されてきます。それは延べ50m
越えて続く「藤棚」です。藤井寺市の「藤」にちなんで設けられたと思いますが、立派に育って伸びた枝がたくさんの花房をぶら下げて公
園を訪れた人々の目を引きつけます。
 一方、公園の中央部東寄りには大きな花壇も設けられていて、季節ごとのきれいな花が見られます。花壇の大きさは公園内の面積のかな
りの割合を占めており、周囲に並ぶ樹木と相まって、この公園が「憩いの場」をコンセプトとしていることを示しています。
ブクンダ公園の花壇(東より)
ブクンダ公園の花壇(東より)      2019(令和元)年5月     合成パノラマ
   後方左の建物は市立藤井寺駅南駐輪・駐車場の立体駐車場。右側の棚は、開花期の藤棚。
  手前のくぼ地は元はせせらぎだった。
ブクンダ公園の藤棚(西より)
ブクンダ公園の藤棚(西より)        2019(令和元)年5月     合成パノラマ

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