岐路のパキスタン〜ペシャワール
 
Peshawar
 
 
ペシャワール
 

  「国境に立つ街」を意味するペシャワール。その名の通りアフガニスタンへのゲートウェイとして、400万とも言われる人口の多くをアフガン系のパシュトゥン人が占めており、インド世界というよりも中央アジアの雰囲気が色濃く漂っています。人口密度という点ではおそらく世界最高クラス。これほどまでに「喧燥」の二文字が似合う街を私は他に知りません。  

 
ペシャワール博物館
 


     
ガンダーラ美術
有名ではないものの、ガンダーラ地方から出土した仏教美術の逸品、中でも仏像が数多く収められており、その趣味の人には垂涎ものと言えるでしょう。ラホール博物館にもある「断食する仏陀」のもう片方を見ることができます。昔は迎賓館だっただけあって、建物自体もなかなか美しい出来をしています。ところで、子供の頃、ゴダイゴの「ガンダーラ」を聴いて勝手にイメージを膨らませていたわけですが、実際に来て見るとガンダーラと呼ばれる一連の美術はとてもギリシャチックなことがわかります。
     

 
バラ・ヒッサール要塞
 


   
撮影禁止
ムガール帝国の創始者バーブルによって造られた要塞は、今では軍の施設になっており、立ち入りはおろか撮影も禁止。というわけで隠し撮りをしてみました。パキスタン政府関係者のみなさま、どうぞ見逃して下さい。それとも、これって国際親善になりませんか?
   

 
歩道橋
 


       
 
かなりこわい
交通量の多い車道を渡るには決死の覚悟が必要。で、歩道橋を渡るのですが、こちらも車道に負けず劣らずかなり怖い。何がって? そりゃもちろん「人の多さ」です。
 
歩道橋から
命からがら昇った歩道橋からのワンショット。これでも比較的空いている方角を撮っているんです。この後振り向いたら、そちらは大変なことになってました。
 
人、人、人
隙間なく並ぶ露店。どの店もお客さんが大勢いて商売繁盛なのは結構なのですが、お願いだから歩道橋の上でやらないで。すれちがうときマジで落ちそうになったんだから。
 

 

 

これぞ喧騒
人は歩くわ車は走るわ露店は出るわ、もうホントにごちゃごちゃ。どうしろってんだ。このサイトが「岐路のパキスタン」ではなく「喧騒のペシャワール」だったら、迷うことなくトップページを飾る写真に推薦します。あまりに凄い光景に呆然とした私はしばらく開いた口がふさがりませんでした。
     

 
チョーク・ヤードガー
 


       
 
バザールのへそ
ペシャワール唯一の立体交差道路があるチョーク・ヤードガー広場は、まさにバザールのへそ。この日はスピーカーを最大限に駆使して政治演説らしきものをやっていました。
 
時計台
左の写真とは90°向きを変えた位置から見た光景。この広場には比較的目立つ時計台があるので、迷ったときの待ち合わせ場所によいかもしれません。
 
人気者
子供たちはみな外国人が大好き。立ち止まるとすぐ取り囲まれてしまいます。そして口々に「picture!」と要求。もしかして目当ては私たちじゃなくてカメラだったの?
 

 
モハーバット・ハーン・モスク
 


     
ミナレット
バザールを歩いていたら建物の隙間からモスクのミナレットがのぞいていました。ムガール帝国、シャー・ジャハーンの時代に当時の領主が建てたという由緒ある建物です。入り組んだ建物の間を電線が複雑に飛び交う景色に思わず足を止めました。中東っぽいというかアラブっぽいというか、何とも味わいのある構図だと思いませんか? この異国情緒、どこかで見たことがあると思ったら、そうそう漫画「ジョジョの奇妙な冒険」に描かれたカイロの街がこんな感じでした。承太郎とディオが戦う舞台ね。
     

   
お祈りの時間
地元の人がしきりに入れと勧めてくれたので入場してみましたが、ちょうどお祈りの時間だったらしく注意されてしまいました。でも、モスクの内部は細かなモザイク装飾が施されていて、とても綺麗。外界の喧騒が全く聞こえない静寂で落ち着いた空間でした。やっぱり入ってよかった。
   

 
バザール
 


  ペシャワール最大の見どころといえば、なんといってもバザールです。細く入りくねった路地の両側に、ひとつひとつは小さいながら、星の数ほど店が軒を連ねています。古くからシルクロードの中継地として栄えてきた街だけに、ありとあらゆる品物が集まっているようです。  

       
 
スパイス売り
バザールといえばスパイス。でもひょっとしたら岩塩だったかもしれません。いずれにしても赤や黄色やオレンジやらが鮮やかで、見ているだけで楽しいですね。
 
朝10時なのに
バザールの散策はどの街でも醍醐味のひとつ。しかしいくら賑わう場所だとはいえ、まだ朝の10時だというのになぜこんなに人がいるのでしょう。しかも全員見事に男ばかり。
 
道路工事
バザールの真っ只中での道路工事。労働者の皆さんがセメントをこねていました。考えてみればイスラム国で建設業に従事する人を見たのはこれが初めてです。ちょっと感動。
 

   
毛皮屋
毛皮屋の軒先には皮をはいだ小動物がそのままの姿で吊るされていました。えげつないというか、ストレートというか、とりあえず店の宣伝としては一目瞭然です。お客さんも見つけやすいでしょう。まあ、わかりやすければ良いというものでもありませんが。
   
チキンスープ
ペシャワール名物のチキンスープ屋台。匂いは良いし、飲んでいる人もすごく美味しそう。いやあ食べたいなあ。せっかくパキスタンに来たんだし。でも、いかにもお腹こわしそう。で、一時の興味のために命の危険を冒す勇気は私にはありませんでした。
   

       
 
洋服屋
パキスタン女性の民族衣装はインドのサリーともちょっと違ったおしゃれ感があります。カミーズとシャルワールの上下を37$で買いました。この額でぼられたのかどうかは謎。
 
肉屋
吊るされているのは豚? いえいえ、イスラム圏で肉といえば羊です。思ったほど臭みもなく、焼くほどに香ばしさが漂います。牛の焼肉よりこっちが好きだな。
 
迷子
道に迷って地図を広げていると地元の人が集まってきました。皆さん善意で教えてくれるのですが、信用するととんでもない目に遭うので気をつけましょう。
 

   
非合理主義建築
欧米の合理主義建築に慣れた目には、バザールの街並みはとても不思議な感じです。建物同士の間隔が一定でなかったり、道が妙に曲がっていたりと、街の要素の配置が「平行」や「垂直」ではなく「ねじれの位置」にあるような印象があります。
   
きびジュース
赤い車輪を回してさとうきびを絞る。タクティバイの砂糖工場にあった機械と同じ原理の屋台で、つくりたてのさとうきびジュースが味わえます。飲みませんでしたが美味しいみたいです。少なくともチキンスープより腹痛を起こす確率は低いと思われます。
   

 
街角の風景から
 


   
屋台
ペシャワールでの買い物はバザールに限りません。街道沿いならあちこちに屋台の店が出ています。建物であるか否かが違うだけで、売っているものはほとんど同じレベルです。バザールは観光客をターゲットにしているところもあるので、地元の人はむしろこちらで買うんでしょうね。
   

       
 
デパート
と言ってよいでしょう。日本の感覚とはかなり違いますが。ホテルを除けば、複数の店が入った三階建ての建物なんて、他に見かけなかったもん。
 
ギンギラバス
派手に飾り付けたワゴン車を見かけたら、路線バスと思ってまず間違いありません。定員無制限なのでいつもぎゅうぎゅう詰め。車から人が生えているように見えます。
 
バーベキュー
パール・コンチネンタル・ホテルのディナーは屋上でのバーベキュー。灯りは少ないわ煙がもうもうと上がるわで、一流ホテルのわりにはかなりワイルドでした。
 

   
パキスタンの紙幣
トルコもそうでしたが、パキスタンも種類の別なく紙幣の表はすべて建国の父ムハンマド・アリ・ジンナーの肖像。裏面の絵柄は時々変わるらしいので、印刷の色や紙幣の大きさで何ルピーかを判断します。やっぱり高額の紙幣ほど大きかったな。人間として自然な感覚なんでしょうね。
   


   

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