マザー

 正式な名称は不明。旧三重連太陽系宙域に存在するGクリスタルの管理を行うAIと思われるが詳細は不明である。ただ、その声は充分な知性と慈愛に満ち溢れた女性のもので、それゆえギャレオンなどと同じく、特定の人物の人格コピーであると考えられる。ギャレオリア彗星を抜け旧三重連太陽系へと到達したマモル少年が、ソール11遊星種に指示されGクリスタルに赴いた際、その来訪を暖かく迎え入れ、そしてマモル少年に「真実」を、すなわちソール11遊星種が三重連太陽系再生復元のために、現在の宇宙から暗黒物質を吸入している事、過去を甦らせるために未来を犠牲にしようとしている事を明かしている。その「真実」に憤慨するマモル少年を「緑の星の指導者の血と心を継いでいる」と評した事は非情に興味深い。
 Gクリスタルはギャレオンのプログラム復元終了に前後してパーツキューブの総攻撃を受けて破壊され、それを管理運営するAIも失われたと思われるが、マモル少年の三重連太陽系への帰還からそれまでのおよそ1年間、遊星種と戦うマモル少年を的確にサポートし、同時に過酷な戦闘状態が続く中で、マモル少年の精神的なケアまでも行っていたようだ。その経緯から、信頼と親愛を込めて、マモル少年はこのAIをマザーと名づけている。
 ジェネシックガイガーが無数のパーツキューブとパルパレーパ・プラスに苦戦する最中、卯都木命は不思議な女性の声を聞いている。正確にはセミ・エヴォリュダーとなった彼女が獲得した精神感応能力・リミピッドチャンネルによって感知されたのだが、それがミコトに緑の星が遺した最後の遺産の封印を解く資格を与えたのである。