ディメンジョンプライヤー

   GGG空間修復ツール。異常空間の一部を一種のアレスティングフィールドで拘束、続いて単一指向性レプリションフィールドによって宇宙空間まで放り上げる。巨大なペンチ上の形態をしており、ガオガイガーが使用する。プライヤーズの合体形態の一つであるが、本来はディバイディングドライバーによる空間湾曲に何らかのトラブルが生じた際に使用される空間修復用特殊ツールとして開発された。開発期間はディバイディングドライバーと同時期であったが、空間修復に要するハードおよびソフトはあまりに膨大であったため、開発期間が長引いたうえ、ディバイディングドライバーと比較しても完成したツールは巨大化せざるを得なかった。その巨大さゆえに輸送が容易でなく、またGGGが別途に開発を進めていたミラーカタパルト、爆裂射出カタパルトの規格に適応しなかったため前線への迅速な投入が極めて困難となってしまった。これらの条件をクリアしなければ実戦に耐え得るものにはなり得ない。GGG機動部隊参謀部および研究開発部はこの特殊ツールの基本コンセプトをそのままに、輸送方法を模索していたが、その矢先にEI−02出現の報がもたらされたのである。
   GGGはなんとかこれを撃退したものの、初の実戦により機動部隊に多くの問題点が発覚し、またEI−02以後ゾンダーロボはたて続けに出現し、EI−04戦においてはディバイディングドライバーが初使用されるにおよんで、空間修復ツールの開発は急を要する事態となった。しかし開発の中心となるべき研究開発部は育成中のAI、GBRシリーズに加え、ガオガイガーのファイナルフージョンプログラムの改良、およびゾンダーなる存在の研究に追われ、機動部隊、参謀部も現場の対処に忙殺されることとなり、GGG全体が余力を失った状態に陥っていた。
   そこでGGG首脳部はかねてより日本のGストーン獲得に比較的好意的であったアメリカ合衆国に、Gストーンとそれに伴うオーバーテクノロジーを優先的に譲渡することを条件に、空間修復ツールの改良と、GGGの組織を国際化するための協力を要請したのである。アメリカ合衆国はこれを快諾、獅子王雷牙博士を中心に空間修復ツールの改良と、同時に以前より計画だけはされていた音波兵器の開発に着手した。ちなみに、獅子王雷牙博士はこれに先立って個人的にGGGに協力したことがあり、サイボーグ・ガイの電力を供給するエネルギーアキュメーターは彼の発案による。
   獅子王雷牙博士とNASA空間修復ツール開発チームは間もなく一つの結論を出した。

   幾度かの協議の結果、空間修復ツールは三つに分割され、それぞれにAIが搭載された。しかしやはり空間修復に要する膨大なソフトと今後の量産計画のため、AIは簡易のものに留められた。基本的な開発はGGGによって行なわれていたため、改良は極めて短期間の内に完了し、この空間修復ツールは正式に「ディメンジョンプライヤー」と命名され、分割状態の三体のAIロボットは「プライヤーズ」と呼称されることとなる。同時にその量産体制も合衆国内にて整えられることとなった。
   「プライヤーズ」第一号は2005年5月半ばに来日、その日の内に出撃の命令が下され、見事その任務を達成した。この対EI−17に始まり、その後も幾度か戦線に投入されたが、対EI−01戦において湾曲空間を弾き返された余波を受け大破。GGGでは修理不能と判断され、合衆国へ送致されることとなった。その後「プライヤーズ」は他の量産機と共に万能力作驚愕艦「カナヤゴ」に配備され、「カーペンターズ」として首都圏再生作業に尽力した。

   分類 Tool Machine
   製造番号 XTR−71A
   型式 Multipurpose Field Bending Tool
   開発 NASA、USA
   主任設計者 獅子王雷牙
   全長 26m
   重量 110t
   動力 GSライド接続
   最大出力 1200000kw(1600000馬力)+空間湾曲
   推力発生システム 補助ヴァルター・ロケット
   推力限界噴射時間 2 sec
   推力限界噴射時総推力 125t
   燃料 Y液およびT液
   移動速度 420km/h
   備考 ディメンジョンプライヤー形態時、またガオガイガーとのコネクト中でも各「プライヤーズ」のAIは独立して作動している。