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Fatsia japonica

ヤツデ

ヤツデの出てくる俳句や詩をご紹介しています。

八手の花

ウコギ科の常緑低木

〔別名〕花八手・天狗の羽団扇 〔花期〕10月〜11月

〔花言葉〕分別

末広がりで縁起がよいこと、常緑で葉が丈夫なことなどから、庭木にされてきた。葉は大きく、長い柄をもち、人の手のひら状に切れ込みがある。

 

<俳句>


立つ人に 因りて八ツ手の 花もよし (高浜虚子)

八ツ手散る 楽譜の音符 散るごとく (竹下しづの女)

<詩>


高村光太郎 「冬が来た」

きつぱりと冬が来た
八つ手の白い花も消え
公孫樹の木も箒になつた

きりきりともみ込むやうな冬が来た
人にいやがられる冬
草木に背かれ、蟲類に逃げられる冬が来た

冬よ
僕に来い、僕に来い
僕は冬の力、冬は僕の餌食だ

しみ透れ、つきぬけ
火事を出せ、雪で埋めろ
刃物のやうな冬が来た