Sasanqua
山茶花の出てくる物語や漫画などをご紹介しています。
ツバキ科の常緑小高木
〔花期〕冬
〔花言葉〕謙譲(赤)・愛敬(白)
日本原産で、九州や四国を中心に山中に自生。冬にピンクや白の美しい花を咲かせる。庭木としても栽培され、生け垣にされることも多い。椿と異なり、花びらが散る。
<俳句>
山茶花の こゝを書斎と 定めたり (正岡子規)
山茶花の 垣根に人を 尋ねけり (正岡子規)
<小説>
桜庭一樹 『赤×ピンク』 角川文庫
東京・六本木の近く、廃校になった小学校で行われる「ガールズ・ブラッド」は、女の子の格闘を見世物にしていた。
そこに迷い込んだ三人の少女たち、まゆ、ミーコ、皐月。彼女たちの心の動きと孤独を描いた連作小説。
わたしは山茶花の赤ピンクの花に埋もれて、灯りのついた二階の窓を見上げた。(p.97)
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かなり以前の作品のようですが、この作家さんらしいところが随所に見られて、最近の作品を気に入られた方にも楽しめると思います。
山茶花は引用文中にもあるとおり、タイトルにも関連し、重要な意味を持つ花です。
三浦しをん 「庭園の花守りは唄う」(『秘密の花園』収録) 新潮文庫など
エスカレーター式の高校・聖フランチェスカに通う、那由多、淑子、翠(すい)。
この「庭園の花守りは唄う」を含む三編を収録した『秘密の花園』(新潮文庫)では、それぞれの少女が、学校生活や家庭での人間関係から起こるさまざまな出来事を綴っていく。
少女たちを巡る物語。
そして今また、筒の中から真っ赤な山茶花が水と一緒にぽとりと落ちた。(p.232/マガジンハウス)
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女子高を舞台にした小説です。
<漫画>
今市子 「雲間の月」(『百鬼夜行抄 8』収録) 朝日ソノラマ
晃一と葉子夫婦と、晃一の弟・誠。
誠の気持ちは葉子に向いており、三人は危なっかしいバランスの上にいる。
しかし、晃一が別の女性に産ませた子どもがいたことが分かったときから晃一と誠は激しく争い、ある日、紅葉を見に行くと言って、二人とも帰ってこなかった。
自分が死んだら命日に七年連続雨を降らせ、七年目に形見の品を置いていくと話した誠。
七年目に分かる真実とは……?
この花は晃一も
とても好きだったの
書斎の窓から花が見えないと言って
机の位置をしょっちゅう
動かしてたわ (p.33)