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Pansy

パンジー

パンジーの出てくる物語や詩、漫画などをご紹介しています。

パンジー スミレ科の1、2年草

〔別名・和名〕人面草・遊蝶草・サンシキスミレ・ミイロスミレ

〔花期〕冬〜春 〔花言葉〕私を思ってください

ヨーロッパ原産。イギリスとオランダで園芸化されたものが、1861年頃に渡来。英語のパンジーは、フランス語パンセから。花を頭をたれて物思いにふける人間にたとえたもの。

 

<小説>


桜庭一樹 『ファミリーポートレイト』 講談社

母親と二人で暮らす公営住宅の縁側の壁にもたれて、コマコは散っていく花びらにみとれていた。コマコはその時、五歳。

あいまいな記憶の中で、コマコは母親のマコに呼ばれ、逃げるように言われる。荷物をまとめ、列車に飛び乗った二人は旅を続けるのだが……。

覚えているのは、あの日、春の風に舞うパンジーの花びらが、黄色と紫が混じって胸が痛むほど見事な色彩だったこと。 (P.12)

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夢の中のようにぼんやりとした記憶の欠片があちこちで顔を出しています。

<漫画>


高橋留美子 『めぞん一刻』 小学館

今日はバレンタインデー。
一刻館に住む五代は、こずえからチョコレートと一緒にパンジーの花を渡された。何気なく受け取った五代だが、一刻館の住人からパンジーの花言葉を教えられたことで、妙にその花のことを気にしてしまい……。

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後で「ゼラニウム」も登場します。花言葉をうまく使ったお話です。
特製ワイド版では、第4集に収録。