Snowdrop
スノードロップの出てくる物語や漫画などをご紹介しています。
ヒガンバナ科の秋植え球根植物
〔別名〕待雪草・松雪草・ガランサス・ユキノハナ
〔花期〕2〜3月 〔花言葉〕希望・慰め・恋の最初のまなざし
早春の雪が解ける前から咲き始める。
＜古典＞
シャハト・ベルント編 『雪の色が白いのは』 三修社
ずっと昔、雪にはまだ色がなく、とても自分の色がほしいと思っていた。
雪はお墓に行き、その黒い色をもらえないかと頼んだが、追い払われてしまう。
次に行ったスミレやバラなどいろいろな花たちにもせせら笑われるだけだった。
最後に雪はマツユキソウに頼みにいったのだが……。
＋ ＋ ＋
副題は「グリムにはないドイツのむかし話」。北ドイツのお話を集めた本です。
＜小説＞
サムイル・マルシャーク 『森は生きている』 岩波少年文庫
ある年の大晦日、十四歳の女王は気まぐれをおこし、マツユキソウを見てみたい、新年までに届けるようにと命令をする。
マツユキソウの褒美としてもらえる金貨の欲しい継母は、小さな娘を森に送り出す。
雪の積もる森の中、娘が出会ったのは、十二の月の精だった……。
＋ ＋ ＋
四月に咲くはずのマツユキソウをどうやって娘は手に入れることができたのか。
また、十二の月の精たちはどのような性質として書かれているのか。
楽しんで読めます。
佐々木丸美 『雪の断章』 講談社文庫など
飛鳥が大通り公園で迷子になったのは五歳のとき。見知らぬ若い男の人が、飛鳥の住むあすなろ学園まで送り届けてくれた。その後、飛鳥は本岡家に引き取られることになるが、その家を飛び出した先で、再びその男の人に出会う。
飛鳥は、その男の人（名前は祐也といった）に結局引き取られることになり、本岡家でのつらい生活の記憶もしだいに薄れはじめていくのだが……。
＋ ＋ ＋
すぐ上でご紹介している『森は生きている』の話を、祐也の友人が飛鳥に話してきかせるシーンがあります。その話は飛鳥にとって大切な心の支えとなっていくのです。
佐々木丸美さんの本は長らく絶版状態でしたが、最近復刊されています。
＜漫画＞
杜野亜希 「マリアの刻印」（『マリアの刻印』収録） 白泉社
小さい頃今の家庭に預けられることになったキリカは、芸能界に入りアイドルとして活躍していたが、自分の実力をセーブし続けてきた。
ある日、日本でも有数の映画監督から手紙が届き、パーティの席で「マリア」という映画の主役に抜擢される。しかし、キリカの心の中には演じることに対する迷いがあり……。
＋ ＋ ＋
松雪草をうたったマイコフの詩のイメージでチャイコフスキーが作曲した「四季」が出てきます。
神林＆キリカシリーズ第９弾。