「架空の庭」の入り口へ

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管理人のお気に入りのフレーズのご紹介です。ネタばれがありますので、ご注意を。

小説

*小川洋子 『博士の愛した数式』 新潮社

 

 

「大丈夫よ。心配いらない。明日になれば元通りになるから。明日になればまた、博士の江夏は、タイガースのエースに戻るから」 (p.70)

 

 

*ウィリアム・フォークナー 『魔法の木』 冨山房

 

 

「きみの誕生日だからだよ、」と、少年は、わけをいってきかせました。 (p.9)

 

 

*ケニー・ケンプ 『父の道具箱』 角川書店

 

 

…私もまた、父がこの故障をどう修理するかと訝りながら、レンチを手渡す機会は二度とない。
(p.120)

 

 

*ヨースタイン・ゴルデル 『カエルの城』 日本放送出版協会

 

 

「それというのも、ああいうおそろしさは、夏の世界に特有のものだからだ」 (p.121)

 

 

*ポール・ギャリコ 『七つの人形の恋物語』 王国社

 

 

「生存をやめるのにご賛成のかたは、はいといってください」 (p.146)

 


人生に絶望し、セーヌ河に身投げをしようと決意していたマーシュを呼び止めたのは、人形小屋の人形たちだった。そして、その人形一座に居つくことになった彼女だが、しだいに、七体の人形たちと交流を深め、愛情を感じるようになる。彼らはそれぞれの個性を持ち、彼女と人形のやり取りはそのままお芝居になり、一座はしだいに有名になっていく。しかし、七体の人形を操っている座長は、彼ら人形たちの個性あふれる性格とは違い、冷酷そのものだった。

 

 

*乙一 『暗いところで待ち合わせ』 幻冬舎文庫

 

 

大切な時間が流れていると思った。このままいつまでも歩いていたい気がしていた。それでも時間が過ぎるのだということを、重さのない雪がゆっくり地面へ落ちて吸いこまれていくのを見て思う。(p.182)

 


交通事故のため視力をなくし、独りでひっそりと暮らす主人公のミチル。ある日、ミチルの家の近くで殺人事件が起こり、犯人として追われたアキヒロがミチルの家に逃げ込んでくる。ミチルに気づかれないように、ふるまうアキヒロ。アキヒロの存在を知っても、知らないふりをしようとするミチル。二人の奇妙な生活が始まった……。

 

 

*森 絵都 『ダイブ!! 3』 講談社

 

 

三人の去ったあとに知季と要一と胡蝶蘭だけが残されても、そこには友達の匂いとでもいうような温かな空気がいつまでも香っていた。知季の周りには常にそれがある。何十キロ走っても、どれだけ腹筋を鍛えても、そればかりは要一の手に入らなかったものだ。 ( p.105)

 


高飛込みに打ち込む三人の少年たちが主人公のシリーズ。それぞれがお互いをうらやましいと思っているのがほほえましい。全4巻。

 

 

*西澤保彦 『いつか、ふたりは二匹』 講談社ミステリーランド

 

 

いつまでも自分と一緒にいてくれるひとは、この世のどこにもいない。わたしたちは、いつか、ひとりにならなければならない。 (p.298〜p.299)

 


眠っている間、猫の中に入り込むことの出来る不思議な能力を持つ小学生が主人公。彼の住む町で起こったある事件のほとぼりが冷めた頃、また、同じ犯人と見られる事件が起こった……!彼は猫の中に入り込んで、事件の真相を探っていこうとするのだが。

 

 

*森博嗣 『探偵伯爵と僕』 講談社ミステリーランド

 

 

人が人を殺すことは、悪いことというより、嫌なことだ。

 

悪いことだからしないのではなくて、嫌なことだからしたくないのだ。

 

僕には、そういうふうに思える。 (p.334〜p.335)

 


夏休みに入る前、「僕」は、黒い服を着てブランコに乗った「伯爵」に出会う。「伯爵」は、自分は探偵で、現在調査中と説明する。そして、夏休み。「僕達」の身近に誘拐事件が起きる。

 

*佐藤多佳子 『黄色い目の魚』 新潮社

 

 

人は変わっていくけど、それでも、まったく別の人間になるわけじゃなくて、忘れてしまった気持ち、なくしてしまった笑顔がふいに甦ることがあるのかもしれない。 (p.295)

 


連作短編集。「オセロ・ゲーム」の一節。語り手村田みのりの叔父・通と微妙な関係にある女性、”似鳥ちゃん”。村田みのりが”似鳥ちゃん”と最初に会ったのは、通の絵の中だった。絵の中の”あのコ”は笑顔が素敵な女の子で、みのりは大好き。ところが、実際の彼女はまったく別人のようで……。

 

 

*アン・マキャフリー 『歌う船』 創元推理文庫

 

 

「ぼくはきみが歌うのをまだ聞いたことがないんだ。歌ってくれないか?」

 

「眠気ざまし? それとも、子守り歌のほうがいいかしら?」

 

(略)

 

「おまかせするよ」

 

驚いたことに、ヘルヴァは歌いたくなった。 (p.257)

 


一仕事を終えた頭脳筋肉船ヘルヴァと特別監督官パロランとの会話。……生まれつき機会の助けなしでは生きていけなかったヘルヴァは、宇宙船の体を与えられる。彼女が活躍するオムニバスSF。

 

コミックス

*高橋留美子 「舎利姫」 小学館

 

 

どんな姿でもいい…

 

生きているのが いちばんいいんだよ、なつめ。 (p39)

 

 

*三原順 『X Day』 白泉社

 

 

「ママはボク達の健康を気にしなきゃならない

 

家具の傷み具合も気にしなけりゃならない

 

ボク達がつき合ってる連中を気にし…

 

パパの浮気を気にし

 

離婚を考えながら

 

夕食のメニューを考えなきゃならない」 (p.134)

 

 

*佐藤史生 「タオピ」(『精霊王』収録) 小学館文庫

 

 

「……公平や平等は世間には存在しない

 

それは自分がそういうふうに するものなのよ……」 (p.334)

 

 

*由貴香織里 『残酷な童話たち』 白泉社

 

 

あの時 手をはなさなきゃよかった (p.56)

 


行方不明になったオルコット家の娘の候補として集められた3人の少女たち。「兄」のシェリダンはいかにも尊大な人間で、主人公のシリルは反発する。そして、集められた少女たちは、1人ずつ消えてゆき……。