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ひとりごと2025年7月

 ここは喜翔の独り言のページです。展覧会や映画の感想から、日頃思ったこと、感じたことを日記のようにアップしたいと思います。お付き合い下さい。


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   7/2(水) 映画 『国 宝』

 歌舞伎の世界に入るヤクザの息子の
 喜久雄と歌舞伎一家に生まれた俊介。
 10代の頃からしのぎを削ってきた2人
 の栄光と挫折を繰り返す半生を描く
 傑作である。

 吉沢領と横浜流星の体当たりの演技
 が光る。わき役の渡辺謙、田中泯の
 存在感も欠かせない。

 クライマックスの『曽根崎心中』は
 主人公ふたりの、芝居で心中する覚悟
 と気概が物語と重なって感動した。

 上映時間3時間は、観る前は長くてトイ
 レは大丈夫かと心配したが、まったく
 退屈することなく、それよりも、もっと見
 たいと思わせる作品だった。
 あとは原作でも読むことにしよう。


  感動の 85点 


* * * 以下ネタバレあり * * *

  


 ヤクザの息子から人間国宝になるまで
 の喜久雄の生き様を生々しく描く本作。
 魂を鬼に売り、芸を極める以外の全て
 を捨てた者が辿り着く先が『国宝』な
 のかと思うと、胸が締め付けられこころ
 が震える。

 楽屋で手が震えて朱が入れられない
 喜久雄。俊介が代わりに入れてあげる。
 外から梨園に入った喜久雄ができない
 俊介の血をガブ飲みしたい想いが心に
 刺さった。

 足を切断する前に踊りたいという俊介
 の願いを叶え、支える喜久雄の献身さ。
 この芝居で心中する想いで挑む二人
 の覚悟は、命を掛けて心中する気負い
 で演じる曽根崎心中。糖尿病で壊死
 している足に頬ずりする喜久雄の姿に
 泣けて泣けて、ハンカチを噛みながら
 嗚咽をこらえるのに必至だった。←私

 田中泯の圧倒的な存在感は本職の歌舞
 伎役者かと思うほどで、女形のしなや
 かさと威厳が同居する表情、そして洗練
 された所作はさすが舞踊家である。
 思えば映画『たそがれ清兵衛』で独特
 の顔立ちが印象深かった。今でも
 「たそがれ~」の声が聞こえてきそうだ。

 ただ手放しで100点はあげられなかった。

 というのは、前半は時間軸に沿って進ん
 できたのに後半になって急に年が跳ん
 でテンポアップした上に、回想シーンが
 入ったり理由がわからずどうしてそうなっ
 たのかと思うと、後から週刊誌にすっぱ
 抜かれたと原因が判明するなど、構成
 が乱れるのがわかりづらい。
 鑑賞してた多くのお爺さんおばあさんは
 理解できたのか心配だ。後半は回想
 なんてせず、物語の幹が力強くしっかり
 してるので素直にストレートに展開して
 いた方がいいと思えた。

 それに3時間にまとめるために仕方が
 なかったのかもしれないが、喜久雄の
 娘や俊介の嫁の背景など、女性陣の
 登場が短くて、それぞれの心境の変
 化がわかりにくいのが残念だ。
 もしカットされたシーンがあるならば
 完全版を観てみたい。

 最後に、
 どんなに努力しても血族には叶わない。
 悪魔と取引するしかなかった喜久雄
 だが、これだけいがみ合い立場が逆
 転したにも係わらず、本当だったら仲
 たがいして絶縁してもおかしくないのに
 互いを許す喜久雄と俊介の関係が温か
 くて感動した。

 血筋に嫉妬する喜久雄と到達できな
 かった芸に嫉妬する俊介、そこに嫉
 妬や屈辱もあるけど、根っこにあるの
 は敬意と愛。

 二人が最初から最後まで良い関係でい
 られたのに救われた。



小泉進次郎氏が農政改革をしようとしている。
思えば何十年前、父親の純一郎氏が
郵政改革をしたのを想起される
血は争えないね。



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ここに書かれている内容は個人的な感想によるものです。
特に悪意はありませんし下心もございません。


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