何 を 話 そ う か

11月号


光害

 17日夜から18日未明にかけて、一時大きく取り上げられたしし座流星群が見られます。まだ活動期なので以外に期待できるかも。1833年の出現時には流れ星がシャワーのように空一面に降り注いだそうです。できれば明け方四時頃に注目してください。
 流れ星を見るにはできるだけ暗いところがよいのですが、最近では観望に適した場所が少なくなっています。豊かな自然が自慢の茨城県北部地域でも、企業や大型店舗、遊興場の照明が天を焦がし、星が見えにくくなっています。
 子どもの頃に畏怖の念を抱き、そこに潜む得体の知れぬものの息遣いを感じた”闇”が今はありません。”闇”の消失は、妖怪や魔物たちが住処をなくしたばかりでなく、私たち人間にも大きな影響を及ぼしています。環境庁はこの事態を「光害」と呼んで実態調査にのりだしています。光の氾濫が人間心理、都市計画、動植物の生態、住環境に及ぼす影響を詳しく調べ、”光害対策ガイドライン―良好な照明環境のために―”を発表しました。
 国立天文台の調べでは、日本全体の無駄な照明によって年間二百億円もの光エネルギーが宇宙に放出されています。
 ふる里に星空を取り戻そうという素朴な願いが、今いろんな意味で重要な課題になっているような気がします。