2011.5.13〜15   JPS絵画切手部会主催  於 切手の博物館
 今年の小型印はアメリカ人女性画家「メアリ・カサット」が、1880年、パリに渡り印象派と活動し、既に自分の絵も確立していた36才位の時に描いた自画像です。

逆光の中で、はにかんだような笑みを浮かべた優しい表情ですが、これを線画で現すとなるとやはり大変でした。影の部分をそのまま入れてしまうと、汚れにしか見えません。水彩やパステルと言う面で描く画材を線に換えるとき、どの線を拾うか難しく、まして直径32ミリの中に描くのは、力不足を感じざるを得ません。

タイムアップ、これで完成にしなければとペンを置いたのは3/10の夜でした。
次の日、未曾有の大震災が起き、日本は一変してしまいました。
辛うじて3/12に提出しました。

申請後、郵便局会社東京支社から小型印に「肖像画は認められない」との連絡が来て、一度はあきらめましたが、2007年にアメリカでマリリン・モンローさんの写真に対する肖像権について、1962年に彼女が亡くなったと同時に消滅したと言う判決を下したと言う判例を示し、再度交渉していただいたところ、ようやく認められることとなりました。

あれから2カ月、無事に切手展が開催できたことは、大変ありがたいことだと思います。
2011.5.記

中国郵政が発行している絵葉書です。
が、ゆかりのない国なので、競争展では使わない方がよいとか。
絵画切手部会展'11 記念カバー
絵をクリックすると切手と消印が大きく見られます。
アメリカ人女性画家メアリ・カサット(1844〜1926)は、生前自分の肖像写真が作品とともに飾られることを好まず、写真も多くは残していなかったそうです。
この自画像は、1880年ごろ、水彩にパステルで仕上げてあります。
逆光の中ではにかんだような笑みを浮かべた優しい表情です。
絵画切手部会展'11 記念カード
こちらは1884年ごろ、ドガがカサットを描いた肖像画を模しました。
ドガはカサットの肖像画を何枚も描いたと思われますが、その1枚に対し「このドガの肖像画は、何よりも私の肖像画として、私の身内には遺したくないものです。芸術的にはすぐれているのですが、つらいのです。非常に嫌な人間として私を表現しています。この絵のために私がモデルになったなどとは人に知られたくない、そんな心境です。」と手紙に書きのこしたものがあります。ドガの鋭い観察力による表現は耐えられなかったのかもしれません。
この肖像画に対しては、カサットはどんな感想を持っていたのでしょうか?
が、少なくとも客観的なカサットを表していると思います。

絵画切手部会展'11 記念カード
カサットは、かわいらしい少女の絵や、あたたかな母子の絵を多く描いています。
その中であまりくどくない、わたし好みの絵を模しました。

  2010.5.14〜16 
  2009.5.15〜17
  2008.5.9〜11
  2007.5.25〜27
  2006.5.19〜21
絵画切手部会展'052005.10.14〜16
2004.10.22〜24
2003.9.19〜21


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