いま、会いにゆきます |
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監督: |
土井裕泰 |
原作: |
市川拓司 |
脚本: |
岡田惠和 |
音楽: |
松谷卓 |
出演: |
竹内結子
中村獅童
武井証
中村嘉葎雄
市川実日子
YOU
松尾スズキ
小日向文世 |
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公式サイト(日本語) |
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キミのことがもっと好きになれる。 |
★★★★ |
あ、あ、ダメだ。
書き始めようとしただけで、目頭が熱くなる…。
あぁぁ、もうダメだ!
感動しすぎ。
ぶっちゃけ、今回は『いま、会いにゆきます』を
ゼッタイに観に行くぞ!とやる気マンマンで行ったわけでは
ないんです。"たまたま時間がピッタリだったから"っていう
ただそれだけの理由で劇場に入ったの。
でも、観終わって、劇場から出てきたときには
はぁぁ〜、今日はこの映画を選んで大正解だったな〜!
と、神様に感謝しちゃったぐらい。
大正解でした。はい。
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原作の小説が、ただいま売れゆき好調なはずですので
ご存知の方も多いかもしれません(オレは未読)。
"妻に先立たれてしまった夫と息子に訪れた6週間の奇跡"
についての純愛ファンタジー、という感じの物語です。
この映画、『世界の中心で、愛をさけぶ』の東宝が製作、
TBSのテレビドラマを多く手がける人が監督ということで
「セカチューの二番煎じ、テレビドラマに毛が生えた程度」
なんていう先入観を持ってしまうかもしれません。
実際、「白が似合う」ストーリーや
テーマが「一生に一度の愛」であることなど
セカチューとカブってしまっている気もしますが、
それがナンボのもんじゃい!って感じです。
軽く逆ギレしそうなくらい、どうでもいいことです。
いいもんはいいんだ!うん、いいものはいい。
えぇ〜い、どっちも好きなんじゃい!
あぁ、スッキリした。
もうね、ほんと、すご〜く白の似合うストーリーでした。
白と、緑と、淡い水色。
そういう色を感じさせてくれるような
ていねいな映画作りがされていたと思います。
非常に好感が持てました!いい「映画」でした。
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さて、この映画の見どころは
なんと言っても竹内結子さんと
その子役(佑司くん役)の武井証くんの名演でしたね。
特に佑司くん!
スクリーンに初めて姿を見せた瞬間から
もう彼に釘付けでしたわ。
あんなかわいい子が必死で走る姿を見せられたら
泣かずにおれるか!ってことです、マジで。
それから竹内結子!
白が似合う。
これでもか!ってほどの切ない演技がキレまくってました。
マジでこんな子と付き合いてぇぇ!と思ったもん。
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もう、これだけ誉めれば気が晴れるだろう、と思いますが
ひとつ気に入らないことがあります。
それはラストに流れる主題歌ね。
今、すごく人気がある(らしい)オレンジレンジの歌。
初めて聴きましたが、ダメです。映画に合ってない。
しかも、バンド名が「オレンジ」ときたもんだ!
おいおい、この映画は「白」なんだから
「オレンジ」じゃダメだろ!オレンジじゃ!
この映画の主題歌を歌いたいんなら、今すぐ改名しなさい。
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この映画は、とにかく、どうしても、ゼッタイに
好きな人と観に行かねばなりません。
どーでもいい人とは観に行かないほうがいい。
友達同士で観ても、あまり盛り上がらないかもしれない。
独りで観に行くのはアリですが、ちょっと寂しくなるので
オススメしません。
とにかく、好きな人と観に行きたいですね。
そうすると、映画館を出る頃には
その相手のことがもっともっと好きになるでしょう。 |
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posted on 2004.10.30 |
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▲TOP |
シークレット・ウィンドウ |
Secret Window |
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監督: |
デヴィッド・コープ |
原作: |
スティーブン・キング |
脚本: |
デヴィッド・コープ |
音楽: |
フィリップ・グラス |
出演: |
ジョニー・デップ
ジョン・タトゥーロ
マリア・ベロ
ティモシー・ハットン
チャールズ・S・ダットン |
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公式サイト(英語)
公式サイト(日本語) |
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好みがハッキリ分かれるんじゃないでしょうか…。 |
★★ |
スティーブン・キング原作の短編小説を
『スパイダーマン』や『パニック・ルーム』の脚本家である デヴィッド・コープが初監督したサスペンス作品。
ジョニー・デップ演じる主人公の作家は ある朝、突然あらわれた謎の男から 「お前はオレの作品を盗作した!」という 身に覚えのないイチャモンをつけられ、 そのうちに、その男によって身の危険を感じる出来事が…。
って感じのストーリーですかな。
この映画、よくも悪くもスティーブン・キングのテイストが 満喫できる出来上がりになっています。
この人の短編をいくつか読んだことがあるんですが、 読んでいくうちにどんどんモヤモヤが溜まっていくんですよね。
物事がどんどん悪い方向へ進んでいくのに それを解決する手立ても見当たらず、 あぁぁぁ〜、どうすんだよ!?おいっ!みたいな。 読者はどうすることもできず、流れに身を任せながら 途方に暮れるだけ、みたいなね。
この映画も、まさにそんな感じでした。
まぁ、これでもラストでスッキリできれば それはそれで帳尻が合ったのかもしれませんけども…。
けっこう好き嫌いというか、 好みの分かれる映画なんじゃないかな。 映画の出来不出来がどうこうというよりも オレはこの手の物語が苦手、っていうことが 改めてわかった気がします。 |
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posted on 2004.10.24 |
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▲TOP |
誰も知らない |
Nobody Knows |
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監督: |
是枝裕和 |
脚本: |
是枝裕和 |
音楽: |
ゴンチチ |
出演: |
柳楽優弥
北浦愛
木村飛影
清水萌々子
韓英恵
YOU
タテタカコ |
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公式サイト(日本語) |
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それでも生きる。目をつぶってでも生きる。 |
★★★★ |
これまたカンヌ映画祭で史上最年少の主演男優賞を ゲットしてしまった、話題の映画になります。
母親がひとりに、それぞれ父親の違う子供が4人。 ひとつの部屋で暮らしていますが、子供のことよりも 自分の人生を優先させる母親に捨てられてしまった 4人の生き様が描かれています。 (ある実際の事件をモチーフにしたそうです)
第三者の目から見ると、 子供たちの境遇はすご〜く悲惨で、絶望的で、 オレがもしあの場に(子供として)いたとしたらどうしてただろう? と、悲観的なことしか考えられないです。
でも、この映画の中の子供たちの「生きる力」って いうものがすごいなぁ!と思いました。 ああいうのは、意識してどうこうというものではなく 生まれ持った本能として「生きる」ことを選んでるんだろうな。
もちろん、その本能の先には 「お母さんは、きっと帰ってくる」という希望が 見えていたんだろうけど…。
そして、自分たちの置かれているヤバい状態を 少しでもわかって必死になっている長男長女と、 何もわからず、何とか生きていくしかない次男次女の温度差が なんともいいがたい切なさを醸し出していました。
人は、こんなにも残酷なこともできるし、 こんなにたくましく生きることもできる。 っていうか、何がどうなろうとも、 生まれてきたからには生きるしかないんだ!ってことなのかな…?
4人の子供たちを演じたみんなは 特に「演じている」ということを感じさせない まったくの日常感が出ていました。 歳の幼い子たちは、けっこうそんな感じでもイケるかも しれないけど、やっぱ長男長女あたりの年頃になると 「演技」ってものへの意識も高くなってるだろうし、 相当難しかったんじゃないかなぁって思います。 それだけに、柳楽優弥くんの演技は素晴らしかったと思いました。 すごく芯が通ってて、最後までブレなかったもんね。 カンヌの審査委員長であるタランティーノ監督が 「彼の目が脳裏に焼きついて離れなかった」と言った意味が わかったような気がしましたから。
※なお、この映画では子供たちには台本が渡されず、 ※その場その場で教えられたセリフを言っていただけ ※なんだそうです。この日常感は、そんな演出の賜物だったんだ! ※うわぁ〜、すげぇ監督だ〜。
演技にも、映画自体にもしっかりとした芯があって とてもいい映画だったと思いますが、結局のところ この映画を観て考えたことといえば、
「オレは、ゼッタイにいいお父さんになるぞ!」
ってことだけでした…。 シンプルでいいといえばいいし、 考えが浅いといわれれば、そのとおりですね。 |
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posted on 2004.10.16 |
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▲TOP |
茶の味 |
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監督: |
石井克人 |
脚本: |
石井克人 |
音楽: |
Little Tempo |
出演: |
坂野真弥
佐藤貴広
浅野忠信
手塚理美
我修院達也
三浦友和
土屋アンナ
中嶋朋子 |
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公式サイト(日本語) |
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とっ散らかってるのに、不思議と納得してしまう魅力 |
★★★ |
『鮫肌男と桃尻女』でおなじみ(?)石井克人監督の最新作。 カンヌ映画祭にも出品され、話題になりましたよね。
タイトルを見ても、チラシやポスターを見ても すんごくほのぼのとしたホームドラマ調の作品なのかな? と思いました。 が、いや、半分は当たっていたのかもしれないけど 残りの半分はものの見事に外されてしまいました!
(いい意味で)ヘンな映画でしたよ。
山間の一軒家に暮らす春野家 (祖父・父・母・叔父・息子(高校生)・娘(小学生))の 日常を描いたホームドラマというのが基本線。 その中に、息子の恋話やら、娘の(他人に言えない)悩みやら 春野家のさまざまな日常のエピソードが織り交ぜられています。 フツーの話あり、わけのわからんものもあり、 奇想天外なものもあり。 我修院達也の、いつもながらにつながった一本まゆ毛も健在。 浅野忠信はいつもながらの浅野忠信で、 娘役の女の子(坂野真弥ちゃん)は 旭化成のCMにも出ている超演技派女優ですわ!
この真弥ちゃんの、非日常の中にさりげなく溶け込みつつも 決して存在感を失わなかった演技力(説得力)が この映画を際立たせていたんじゃないかと思います。 フツーに考えて「ありえねぇ!」ものを 「いや、もしかしたらありえるかも!?」と思わせる力って すごいと思うんだよね。 この感じ、なかなか伝わらないかもしれないけど、 実際に映画を観てもらえればわかるはず!
でね、話は終盤に向けて どんどんどんどん四方八方に散らばっていくんですけど、 いざ最後まで来てみると、妙に腑に落ちちゃったのが これまた不思議な感じでした。 「夕陽がキレイ〜♪」という、ただそれだけのことで すべてをまるく収めてしまった、この映画のすごさに感動。
どうしようもないんだけど、 「しょうもねぇなぁ〜」だけで済ませては もったいないような気分にさせてくれる映画でした。 |
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posted on 2004.10.10 |
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▲TOP |
アイ,ロボット |
I, Robot |
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監督: |
アレックス・プロヤス |
原作: |
アイザック・アシモフ |
脚本: |
ジェフ・ビンター
アキバ・ゴールズマン |
音楽: |
マルコ・ベルトラミ |
出演: |
ウィル・スミス
ブリジット・モイナハン
アンディ・テュディック
ブルース・グリーンウッド
ジェームズ・クロムウェル |
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公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第77回アカデミー賞特殊視覚効果賞ノミネート |
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たいやきくんとサニーくん |
★★★☆ |
・アイザック・アシモフの古典ロボットSF連作小説
「われはロボット」の映画化。
・上記小説に登場して、以後のすべてのロボットSFで用いられた
「ロボット三原則」がモチーフ。
という情報が、いろんなところに載っております、
現在日本でもヒット中のこの映画。
似たような設定の映画として挙げるとするなら
『ブレードランナー』『マイノリティ・リポート』
『マトリックス』そして『ロボコップ』(?)ってとこかな。
ま、『ロボコップ』と比べていいものかどうかは置いといて、
とても楽しめるSFサスペンスに仕上がっていたと思いますね。
SFファンにもサスペンスファンにも
どちらにも受け入れられそうな感じだったと思います。
主役が、あの緊張感のない顔立ちをした
ウィル・スミスであったにもかかわらず、
これだけのドキドキを生み出せているというのは
ある意味すごい!と思うんですけどね。
もっと敵役な黒人俳優はいくらでもいたはずなんだけど、
ま、別にいいや。
つうことで、この映画が面白かった理由というのは
ウィル・スミスが主役だったからではなくて、
あくまでもロボットが主役であり
ロボットの描かれ方がよかったからなんだと思います。
その主人公のロボット、名前はサニーっていうんだけど、
なんとも言えず人間臭いのよね。
基本はもちろんロボットなんだけど、
99%ロボットなんだけど、ほんのすき間に描かれる
「人間性」がいい味出してました。
まるでC-3POと見間違えそうになったほど!
切なさや哀愁を背負ってる感じがしたのよね。
思わず味方しちゃいたくなるような何かを持っていたの。
そして、そんなサニーを見ながら
なぜか思い出したのは「およげたいやきくん」の歌。
人間によって生み出され、
自分の存在意義もわからず生きてきたけど
あるきっかけで自分のこと(可能性)を知るようになり、
目覚めていく。でもちょっぴり悲しい…。
みたいなさぁ〜。
なんかかなり強引で理解不能なこと言ってますけど、
しょうがないじゃん!
映画観ながら、頭の中でBGMになってたのが
「たいやきくん」だったんだから!
すいません、自分で書いてて逆ギレしちゃいました…。
ま、とにかく、ぜんぜんオッケーな映画だったっつうことで! |
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posted on 2004.10.09 |
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September,2004 | back number | November,2004  |