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トップページ> 映画> レビュー> 2004年> 11月
November, 2004
CODE46
Code 46
監督: マイケル・ウィンターボトム
脚本: フランク・コットレル・ボイス
音楽: The Free Association
(デヴィッド・ホルムズ、スティーヴ・ヒルトン)
出演: サマンサ・モートン
ティム・ロビンス
デヴィッド・ファーム
ジャンヌ・バリバール
オム・プリ
エシー・デイヴィス
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
だって、あなたは運命の人だから。 ★★★☆
オレさまお気の入りの映画監督、
マイケル・ウィンターボトムの最新作。
今回は初のSF映画になった!ということで、
前々から楽しみにしてたんです。

舞台は近未来の上海。
街は発展しているものの、町の"外"は無法地帯で
その間を行き来するには「通行証」が必要とされている。
その通行証を違法にコピーする女性(サマンサ・モートン)と
それを取り締まるオトコ(ティム・ロビンス)が出会い、そして…。

という感じで始まるお話です。

-----
映画(映像)と音楽の間には密接な関係があると思います。
映像に触発されてできる音楽があるとしたら、
音や詩に触発されて思い浮かぶ映像というものも
あるはずですよね。世の中に無数に存在する芸術というのは
何かに触発されてできあがったものがほとんどなじゃないかと
思ったりもします。

この映画のラストに、
コールドプレイの"Warning Sign"という曲が流れます。
オレは、この切ない曲を聴きながら
「あぁ〜、この監督はこの曲を聴いて、
 この曲を最後に流したくて、そのためだけにこの物語を
 作ったのかなぁ〜」
と思いました。

警告する標識
キミに魅せられて ようやく気づいた
キミという島を ボクは通り過ぎてしまった
キミは隠れた秘密の島
聞いてくれよ このザマを
声を限りに キミに伝えたい
ボクは道しるべを探し始めたんだ

ほんとのことを言うと
キミが恋しいんだ
ほんとは
キミが恋しくてたまらないんだ
もう疲れたよ
キミを手放すんじゃなかった

だから這って戻るんだ
キミの腕の中へ
だから這ってでも戻るんだ
キミの腕の中へ



Coldplay "Warning Sign"より抜粋

この歌詞が、この映画のすべてを物語ってるんだもん。
この歌詞が、この映画のラストシーンに映し出される
主人公たちの気持ちを100%代弁してるんだもん。

いい映画のウラに、いい音楽あり。
いい音楽のウラに、いい映像あり。
映画の中の、細かいことなんかどーでもよくって、
この一点だけで、すでにココロに染みてしまいました…。

マイケル・ウィンターボトムは、オレの期待を裏切らない。
posted on 2004.11.28
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オールド・ボーイ
Old Boy
監督: パク・チャヌク
原作: 土屋ガロン
嶺岸信明
脚本: パク・チャヌク
ファン・ジョユン
イム・ジュンニョン
音楽: チョ・ヨンウク
イ・ジス
チェ・スンヨン
シム・ヒョンジュン
出演: チェ・ミンシク
ユ・ジテ
カン・ヘジョン
公式サイト(日本語)
なんじゃ、こりゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!! ★★★★★
この映画、上映時間が2時間きっかりなんですけど、
オレにはその2時間が6時間ぐらいに感じました。

観てる途中で時間感覚がマヒしたの、久しぶりです。
カラダがイスからくっついて離れない感覚、久しぶりです。

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映画を観終わって、カラダがガクガクな状態で
クルマで帰ってくるときの運転もおぼつかない感じ。
自分で運転してるのに、自分の運転が信用できないくらい
「自分自身が制御不能」でした。こわかった…。
なんとか無事に家までたどりついて
映画館から強奪してきた(言い方が悪いね)
映画のチラシを今、眺めてるところなんですけど、

★この映画の結末はゼッタイに口外しないでください。★

って書いてあります。
っていうかね、結末どころかひと言もしゃべりたくないですね。
この映画は、何も知らずに観たほうがいいからね。
知ってて観るのと、知らずに観るのでは
衝撃度が全然違うんじゃないかと思います。

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ということで、この映画はもう、ものすごいです!
このことだけは申し上げておきます。

ものすっごいです!
(ものすっごいことぐらいは事前に知っててもいいかと思います。)

洗練された映像感覚、
緻密で細部まで練られたストーリー、
カンペキな編集力、
渾身の演技、
残酷なまでに流麗な音楽。
どれをとっても超一級品でしたね。
カンヌ映画祭で
タランティーノ監督がこの作品にグランプリをあげた気持ち、
よ〜くわかりましたよ!

コイツはすごい。すごいよ。

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あぁ〜、もっと早くに観たかったな、この映画!
そしたら、ありとあらゆる知り合いに
「この映画、とにかくすっごいから、観てみ♪」って
言いふらしまくってたはずだから。
"「冬のソナタ」を観て泣いてるヒマがあったら
『オールド・ボーイ』を観て震えようぜ!"
って叫んでたはずだから。

ちょうど、去年の今ぐらいの時期に
シティ・オブ・ゴッド』という、これまた衝撃的な傑作に
出会ったオレ。2年続けてビンゴ!です。
posted on 2004.11.20
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笑の大学
監督: 星護
原作: 三谷幸喜
脚本: 三谷幸喜
音楽: 本間勇輔
出演: 役所広司
稲垣吾郎
小松政夫
高橋昌也
公式サイト(日本語)
ギャハハハハ♪ ★★★★
太平洋戦争中、思想統制のために
台本の検閲を受ける喜劇作家と検閲官。
検閲官が指摘する無理難題に応えていくうちに
台本はどんどんおもしろくなり…。

という、三谷幸喜原作の(ほぼ)二人劇です。

2時間の上映時間中、9割ほどが
ある一室での検閲官と喜劇作家のやりとりだけで
占められているという、映画として成立させにくい設定の中、
ヒジョーにおもしろくできてましたね!

三谷節炸裂!っていう感じでした。

ストーリーは超おもしろい。
となると、あとは、二人劇を構成する
その二人の出来が映画の出来に直結するわけです。

今まで腹の底から笑ったことのない検閲官:役所広司
笑わせることにかけては天下一品の若手作家:稲垣吾郎

もうサイコーでしたね!
役所広司さんのコミカルさ(滑稽さ)を
稲垣吾郎くんが上手に支えている(くらいついている)っていう
相乗効果がアリアリと見えました。
検閲官が、検閲室の中でついに笑いに目覚める!
というシーンがあるんですけど、
その爆走感というか疾走感というか
高揚感というか充実感というか、
あそこがこの映画の肝でしたよね!
ふたりが、壁を越えてひとつになった一体感があふれてて、
すごく楽しかったと同時に感動すら覚えた瞬間でした。

映画を観ながら何度笑ったのか、
ちゃんと数えておけばよかった。「正」の字を書いてさ。
posted on 2004.11.13
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砂と霧の家
House of Sand and Fog
監督: ヴァディム・パールマン
原作: アンドレ・デビュース3世
脚本: ヴァディム・パールマン
ショーン・ローレンス・オットー
音楽: ジェームズ・ホーナー
出演: ジェニファー・コネリー
ベン・キングズレー
ロン・エルダード
ショーレ・アグダシュルー
フランシス・フィッシャー
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第76回アカデミー賞主演男優/助演女優賞などノミネート
どうにもできない悔しさ。 ★★★

世界中を嗚咽させた、今世紀最も美しい悲劇が
ついに幕を開ける!

これがこの映画の(日本での)宣伝文句です。
なんか「感動して号泣するような映画」なのかなぁ、
と思ったりしつつ、観に行ったわけですが…。

フクザツな心境。

-----
お役所の手違いによって、大事な家を奪われてしまった女性。
その家を競売によって買い取り、暮らしに一筋の光明を
見出そうとした、イランからの移民家族。
ひとつの家をめぐって、
誰が悪いというわけでもないのに
なぜかみんながどんどん不幸になっていき、
最終的には「今世紀最も美しい悲劇」へとつながっていく…
という、なんともスッキリしない物語でした。

まぁ、実際の世の中には
「スッキリする話」よりも「スッキリしない」話のほうが
圧倒的に多いわけで、「スッキリしない」話をテーマにした
この映画のストーリーが悪いわけじゃないんですよね。
要は、観客であるオレが何を求めて観に行ったのか?ということと
この映画の物語とがマッチするかどうか、ということだけなんです。

で、結果としてマッチしなかった、と。

ほんと、物語が残酷、無情、非情なまでに悲劇的なんです。
あまり書き過ぎるとネタばれになるので
これ以上は控えておきますけど、
(ここまででも充分書き過ぎかもしれない…)
なんか、ほんとにスッキリしなかったわ。

-----
新潟県での地震で母子3人が土砂崩れに巻き込まれて
男の子が奇跡的に生還したけど、
お母さんと女の子は死んでしまった。
誰が悪いわけでもないのに、死んでしまった。

このニュースを聞いて感じた気持ちと同じものが
『砂と霧の家』を観終わったあとにもありました。
自分にはどうしようもできない悔しさ、みたいなものが
こみ上げてきましたね。
たまにはこういう映画もいいと思うけど、
やっぱ、もっとスッキリできる物語を観たいですね、どうせなら。
こんなタイプのスッキリしない話って、
現実の世界の中にたくさんあるし。

今はそんな気分です。
posted on 2004.11.06
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コラテラル
Collateral
監督: マイケル・マン
脚本: スチュアート・ビーティー
音楽: ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演: トム・クルーズ
ジェイミー・フォックス
ジェイダ・ピンケット=スミス
マーク・ラファロ
ピーター・バーグ
ブルース・マッギル
イルマ・P・ホール
ハビエル・バルデム
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第77回アカデミー賞助演男優賞などノミネート
思わず叫んじゃった! ★★★★★
男を描かせたら世界一!の映画監督マイケル・マンが
トム・クルーズを初の悪役にすえて作った一作。

ちょっとすいません、本文を書く前に
ひと言だけ叫びたいんですけど、いいっすか!?
では、いきます。

この映画、すっげぇぇぇぇぇぇぇ好き!

はぁ〜、すっきりした♪

-----
もうね、ツボにハマりましたねぇ。
マン監督の前作『アリ』は、ちょっと消化不良だったけど
この映画でそのときの分を一気に取り返して、
まだお釣りがタンマリ来ちゃったって感じ。
やっぱ、この監督が
こういう犯罪モノの映画を撮ったらサイコーだね!
やっぱ世界一だわ。マジで。
(3作前の作品『ヒート』も、ギャング映画の傑作!)

『ヒート』 『アリ』

もうね、とにかくオトコなんだよ。
スクリーンすべてがオトコなんだよね。
すごくヤバくて、でも逃れられない現実を前にしても
まばたきひとつせずに、カッと目を見開いて見ている
「オトコの意地」みたいなものが
画面いっぱいに広がってるんだもん。
オトコのオレが惚れちゃう気持ち、わかってもらえるかな?

-----
さて、先ほど書いた『ヒート』では、
ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノという
これ以上ありえないほどの
"二大俳優、夢の共演!"でしたけど、
今作はトム・クルーズとジェイミー・フォックスでした。

いや、この二人もよかった!

トム・クルーズという俳優は、ほんとにすごいよねぇ。
ほんと過小評価されてる俳優だと思うよ。
ほんとに何でもできちゃうんだもんねぇ〜。
今回は、彼が本来持つ「熱さ」や「さわやかさ」の
かけらもない冷徹な殺し屋に、見事になりきってました!
銃を撃つときの「間合い」に容赦がないんだな。
身のこなしにスキがないんだわ、一切ないの。
声はやさしいんだけど、感情が全くこもってないのね。
オレ、ラストのほうでは、あまりの迫力に押されて
両方の手を思いっきりグーに握りしめてたもん…。
すごい迫力と殺気でした。

それから、相手役のジェイミー・フォックス。
今までの出演作は『エニイ・ギブン・サンデー』や
『アリ』(マン監督の前作ね)があるらしいんですけど、
正直言ってあまり印象に残ってません…。
でも、この映画を観て、一気に好きになりました。
几帳面で気の弱そうなタクシーの運転手が、
「ある一言をきっかけに、
 プチっと音を立てたように変貌する」
という、その瞬間の表現が見事でした。

「ジェイミーはまちがいなく、
 この映画で助演男優賞にノミネートされるよ」
と言っていた監督の言葉に納得です。

※現在アメリカで公開中の、故レイ・チャールズの伝記映画
※『Ray』の主役もジェイミー・フォックス。
※これで主演男優賞にもノミネートされるだろうとのウワサ。

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ちょっとヤバいね。かなりヤバいね。
観終わってからも、興奮がぜんぜん冷めないね。
今日は眠れないかもしれない!
posted on 2004.11.05
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