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トップページ> 映画> レビュー> 2004年> 5月
May, 2004
ブラウン・バニー
The Brown Bunny
監督: ヴィンセント・ギャロ
脚本: ヴィンセント・ギャロ
音楽: ヴィンセント・ギャロ
ジョン・フルシャンテなど
出演: ヴィンセント・ギャロ
クロエ・セヴィニー
シェリル・ティグス
公式サイト(英語/日本語)
あのシーンの必然性は(辛うじて)認めますが…。 ★☆
今年のカンヌ映画祭は
日本映画が大健闘しており、
誰も知らない』という映画では
14歳の少年(テレビで見たことある!)が
最優秀男優賞をゲットするなど、すごいことになってますね。

そう、今日観てきた『ブラウン・バニー』も
去年のカンヌ映画祭で話題を振りまいた映画のひとつでした。
ただし悪い意味で、ですけど…。

まぁ、そういう評判と、それからヴィンセント・ギャロの前作
バッファロー’66』の印象から冷静に考えると、
あまり期待せずに、でももしかして(傑作かも)!?
という淡い期待も持ちながら観に行きました。

ヴィンセント・ギャロに言いたい。

うん、わかるよ。アンタの気持ちはわかる。
優柔不断なダメ男をとことんまで描きたかった
とか言うんだろうね。

まぁ、「ダメ男」だという点で、
このバド・クレイという主人公だけがダメなんだ、と
決め付けちゃ悪いか。
男はみんな、メソメソしてて、ウジウジしてて、
スキだったオンナのことをいつまで経っても忘れられず、
それでも、他のオンナにも目移りする瞬間があったりする
そんな弱い動物なんだ、と言いたいのかなぁ。
そして、その対極にいるオンナってのは
オトコにとって天使のような包容力を持った存在だ、と
そんなことが言いたかったんでしょうか??

オレ自身を振り返ってみると、
その考えを否定することなんて、できません。
ズバッと言い当てられてるような気がして、
両手挙げて降参しちゃいそうでした。

でもね、少なくともオレは
アンタほどナルシストではありません。
アンタほど自意識過剰でもないですよ、オトコだけど。

オレって、かなりイケてるのに
オンナなんて、言い寄ればいくらでも付いて来るのに
どーして彼女ひとりのことが忘れられないんだろう?
もしかして、オレってピュアすぎるのかな?
エェェ〜ン…。


みたいな、ウソ泣きっぽい胡散臭さが鼻につきまくりで。

この人は、映画を通して
「何かを真剣に語ろう」とはしていないんじゃないか、
その大きな大きな権利を放棄して
ただ「映像を見てもらいたい」(もしくは「オレを見て」?)としか
思ってないのかなぁ、なんて思えてしまいました。

なんだかとてももったいない映画だと思いましたね。
この映画、そっくりそのまま
マイク・フィッギス(『リービング・ラスベガス』)あたりが
撮ったらどうなっただろう?って考えちゃった…。
posted on 2004.05.23
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フォーチュン・クッキー
Freaky Friday
監督: マーク・ウォーターズ
原作: メアリー・ロジャース
脚本: ヘザー・ハッチ
レスリー・ディクソン
音楽: ロルフ・ケント
出演: ジェイミー・リー・カーティス
リンゼイ・ローハン
マーク・ハーモン
ハロルド・グールド
チャド・マイケル・マーレイ
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
まぁまぁ、あまり深く考えず!ノリです、ノリ! ★★★☆
この映画は
"母と娘の、心と体が入れ替わって、あぁぁ〜、どーしよー!"
というストーリーです。

母と娘という設定だと、
ヒロスエと岸本加世子が入れ替わる(じゃなくて乗り移る、か…)
秘密』とか、他には、大林宣彦監督の『転校生』とか、
ハリウッド映画でも何作かありそうな気がします。

※この映画、実は1976年に発表された同名映画のリメイク。
※娘役(アンナ)は、なんとジョディ・フォスターが演じていたらしい!


なので、こうやって書くと、べつに新鮮味もなにもない
くっだらない映画じゃねぇかよ…と思われるかもしれませんが、
おっとどっこい、そうは問屋が卸さない!

この映画ではですね、
母は明日2度目の結婚式(再婚ってことね)をする、
そして、娘にも明日、大事なバンドのオーディションがある、
しかも、狙っているオトコをオトす一歩手前だ、という状況での
入れ替わりなので、それぞれの恋愛がスクランブルしてるわけ。

このスクランブルが、
ありきたりでご都合主義的な物語に
適度なスパイスを効かせているものと思われました。

それからもうひとつの隠し味は"ロック!"です。
ハイヴスやらヴァインズやらといったバンド名が
セリフに顔を出したり、
ブリトニー・スピアーズの代表曲をカヴァーするのが
ボーリング・フォー・スープだったり、
アメリカン・ハイファイのハジけた曲も使われてたりと、
昨今のヘヴィ・ロック一辺倒な流れから
一歩引いた感じの音楽嗜好が、よろしいと思いました。
(’73年生まれのアメリカンロック好きにはピッタリ!)

もうかなりオバちゃんが堂に入ってきた
ジェイミー・リー・カーティスが若者言葉をしゃべり、
(たぶん、ネイティブな英語が理解できる人が見たら
 かなり笑えるんだと思います。オレにはわかんないけど…。
 とにかく、オバちゃんノリノリ!でした。)
今アメリカで人気急上昇中のリンゼイ・ローハンちゃんが
チャック・ベリーばりの、今となっては時代錯誤の
超恥ずかしいギターポーズをとる。笑えます。
そして、ラストは、じんわり、ホッコリとした気分になれます。

なんてキュートな映画なんでしょう!
家族バンザイ!ロックバンザイ!恋愛バンザイ!

オレが見事にハマってしまった青春映画『シーズ・オール・ザット』に
スクール・オブ・ロック』を軽くシェイクしたような、そんな一作。
ちょっとぉ、掘り出しものですよ、奥さん!
みなさんもいかがでしょうか!?
posted on 2004.05.20
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きょうのできごと
A Day on the Planet
監督: 行定勲
原作: 柴崎友香
脚本: 益子昌一
行定勲
音楽: 矢井田瞳
出演: 田中麗奈
妻夫木聡
伊藤歩
柏原収史
大倉孝二
津田寛治
公式サイト(日本語)
お気軽にどうぞ。 ★★★
去年、短編を集めた『JAM FILMS』という映画を観ました。
(今年も『JAM FILMS 2』が上映されましたね。)
その中には行定監督、妻夫木くん主演の一編も収められてて、
オレはあれがいちばんスキだったんですね。
すっごく単純で、すっごくストレートで
だれもが経験していそうなシチュエーションが
舞台だったから。

この『きょうのできごと』は
ある数人のあいだで起きる一日の
何でもない、大したこともないできごとを
(ありえねぇ…ってのもあったけど)
すっごく単純に、すっごくストレートに、
(若者なら)だれにでも共感できるレベルで
語りかけてくれるお話でした。

まぁ、あまり肩ひじ張らず、気楽に楽しめばいいような
そんな映画であります。
べつに説教くさいわけでもないし
セリフだってすごくくだけた感じだし、
笑わせてくれるところも満載だし!

っつうか、学生って、いいなぁ〜。
posted on 2004.05.16
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世界の中心で、愛をさけぶ
監督: 行定勲
原作: 片山恭一
脚本: 坂元裕二
伊藤ちひろ
行定勲
音楽: めいなCo.
出演: 大沢たかお
柴咲コウ
長澤まさみ
森山未來
山崎努
公式サイト(日本語)
タイトルの意味が、
映画を観て初めてわかったような気がする。
★★★★☆
とうとう売り上げが250万部と突破してしまったという
片山恭一さんの大ベストセラー小説の映画化作品。

純度100%の純愛初恋小説でしたので
どんな映画化がされるんだろう?と思っていました。
ポイントは

@アキの、小説のイメージをいかに保てるか?
Aふたりの恋(高校時代)がどこまで純粋に描けるか?
B小説にない設定(朔太郎がオトナになってから)や
  登場人物(律子)にどこまでの必然性を持たせられるか?

この3点だと、観る前に思っていました。

-----

さて、実際に映画が始まってしまうと、
ポイント@の、あまりの素晴らしさに圧倒されてしまいました。
長澤まさみさんという、17歳の役者さんを
ぼくは初めて見ましたが、彼女はアキそのものでした。
朔太郎が劇中で言うところの
「ほかの女子とはちょっと違う」高校生的な
真っ白に輝くオーラが、あたり一面を包んでいたような気がします。
そして、なによりよかったのは、彼女の"声"です。
もう、あの声を思い出しただけで、オレ、泣ける自信があります。
それほどまでに甘く切なくキレイな声でした。

ポイントAとBについてですが、
高校時代は、明るくオレンジ色の太陽に照らされた空、
オトナになってからは、厚く濃い灰色の雲に覆われた空が
彼らの内面を表していて、その対比がくっきりと出ていたと
思います。
Aを引き立たせるためにBがあり、
Bに説得力があったからこそ、より切ない恋愛映画になりえた
と、そう感じました。

-----

実際ですね、オレはもう切なくて切なくて
ラストのほうは目も開けていられないほどの号泣でして…。
どうにかして嗚咽をあげないよう、
ガマンするのが精いっぱいでした。
オトコひとりで観に行って、この状態とは
今から考えると、かなりサブいんですけど。
(オトコひとりで観に来る人って、ほとんどいないと思われ…。)

この映画、これからあと何度観てもいいような気もするし、
もう一生観なくても、キチンとココロの中に残ってしまったような
そんな気もします。
いや、やっぱ、もう一回でも二回でも観たいなぁ〜。

とにかく、長澤まさみさんの存在!
それがこの映画のほとんどすべてでした。
彼女には、今年の映画賞を全部あげてもいいと思います。
posted on 2004.05.16
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スクール・オブ・ロック
School of Rock
監督: リチャード・リンクレイター
脚本: マイク・ホワイト
音楽: クレイグ・ウェドレン
出演: ジャック・ブラック
ジョーン・キューザック
マイク・ホワイト
サラ・シルヴァーマン
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
ロックバカまっしぐら! ★★★★
70年代ロックにハマって抜けなくなっている
ジャック・ブラック演じる主人公デュークが
どさくさにまぎれて小学校の先生になりすまし、
そこで出会った生徒たちにロックンロールを教える!

という、シチュエーションを聞いただけで笑えるストーリーです。
笑えません?笑えない?そう?オレだけ?

とにかく、全編にわたって、ジャック・ブラックです!
とにかく、この太ったおっさんがハジけまくってます!
このくだらないファンタジーにリアリティを持たせているのは
すべてジャック・ブラックが放つ、怒涛の疾走感のおかげ。
観てるボクらを張って、張って、張り倒す!
そんな感じでした。

まぁ、ロックってのは学校で教わるものじゃないんだけどさ、
それを逆手にとったところがまた面白いんですよね。
で、それとは別に
「ロックとは反抗だ、反体制だ」という
ありがちな(誤解された)イメージを刷り込まないように
できていた点が感心しましたねぇ〜。
もう、今の時代、「ロック」「ロックンロール」という言葉は
音楽の一ジャンルの名前であって、それ以上の意味は
薄れてしまっています。
だから、「反抗」のイメージだけを追うのではなく、
「自分の言いたいことをハッキリ言う。
 誰かにとって都合の悪いことでも、
 それが自分の言いたいことであれば、言いたいことを言う!
 容姿や才能の優劣は関係ねぇ!」
という姿勢自体が大切なんだ!ということを
あんなロックバカなニセ教師が教えているんですね、ちゃんと。
そのメッセージは、とても前向きで
万が一あんなセンセイがいたとしたら
それはそれで、人生のベンキョーになると思うなぁ。

この映画は、わき目もふらず一直線でした。
メジャー映画らしくない、その一直線ぶりがいさぎよし!
音楽映画として観る(聴く)もよし。
70年代ハードロック、ヘヴィメタル、パンク好きなら
きっと気に入るでしょう。
(ジャック・ブラック自身もバンドをやってます。)
コメディ映画として笑うもよし。
ジャック・ブラックの底知れないセンスにほれるでしょう。
学園映画としてすがすがしい気分になるのもよし。
いまを生きる』を観終わったときに匹敵するぐらいの
爽快感がありました!

p.s.
あのセンセーが黒板に書いたロックンロール相関図、
オレもあれを見て勉強してぇぇぇ〜!

っていうか、
「泣きすぎて、映画が終わっても席を立てなかった」
ということはあったけど、
「楽しすぎて、映画が終わっても席を立てなかった」
ってのは、なかなかない経験でしたわ。ウハハハ。
posted on 2004.05.08
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コールド マウンテン
Cold Mountain
監督: アンソニー・ミンゲラ
原作: チャールズ・フレイジャー
脚本: アンソニー・ミンゲラ
音楽: ガブリエル・ヤレド
出演: ジュード・ロウ
二コール・キッドマン
レニー・ゼルウィガー
キャシー・ベイカー
ブレンダン・グリーソン
レイ・ウィンストン
ドナルド・サザーランド
ジャック・ホワイト
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第76回アカデミー賞助演女優賞受賞
人間って、醜くて美しい生き物 ★★★☆
19世紀のアメリカ、南北戦争を舞台にした
切ない恋の物語であります。
切ないんですけど、美しい映画でありました。

こういう「切ないけど美しい恋愛」って
すごく理想的です。
フィクションの世界でしかありえないんじゃないかと思えます。
それほど理想的なふたりでした。
だって、ジュード・ロウとニコール・キッドマンだもん!
そりゃあ、あんな美男美女ならさ、
ああいう気持ちにもなるだろうよ!
何年でも何百年でも待ちますって!
でも、オレの立場になると、あんなことは起きうるのか?

な〜んて、くっだらないことも考えてしまう…。
ちょっとさびしいっす。

恋愛がメインですが、「戦争に引き裂かれた恋愛」
ということで、戦闘シーンもなかなか鮮烈でした。
今の時代とも重なる、
っていうか、いつの時代もやることは変わんないんだなぁという、
戦争ってのは、いつの時代も人間を変えちゃうんだなぁという、
それでも人は生きていかなければならんのだなぁ、と
そんなことも思わず考えちゃうような物語でした。

それにしても、です。
出演陣が豪華すぎ!
主役の3人はもちろんですが、
フィリップ・シーモア・ホフマンやナタリー・ポートマンなんて
まだ出番が長いほうで、オレの好きなジェナ・マローンは
出てきたと思ったらあっという間にサヨウナラでしたし、
メローナ・ウォルターズさんは
出てきたと思ったらお尻フリフリして終わりでしたし…。
なんてゼイタクな使い方をする映画なんだ!
あ、それと、チャーリー・ハナムという名の若手俳優は
要チェックですね。

さて、最後に、結論を申し上げますと。
「恋愛っていいなぁ」というのがひとつ、
「戦争ってイヤだなぁ」ってのがふたつ目、
「ニコール・キッドマンは、やっぱ、どう見てもキレイすぎる」
ってのがみっつ目でして、
あまりに美しすぎて、
映画自体も冷静に観ざるをえない状況でした。
posted on 2004.05.08
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キル・ビル Vol.2 /ザ・ラブ・ストーリー
Kill Bill Vol.2
監督: クエンティン・タランティーノ
脚本: クエンティン・タランティーノ
音楽: ロバート・ロドリゲス
RZA
出演: ユマ・サーマン
デヴィッド・キャラダイン
マイケル・マドセン
ダリル・ハンナ
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
ようやく本領発揮! ★★★☆
前編が(オレ的に)
イマイチ消化不良で終わってしまってましたので、
後編を見るにあたっても
期待と不安が入り混じる複雑な気持ちでした。

でも、今回は、前編のような「自己満足」的な
やりたい放題さが薄まり、物語の核心をどんどん語っていこう!
みたいな意志が感じられたように思えます。
まぁ、オレ的には、前編の2/3は削ってもよかったんじゃん!
と思えたほどでした。
いや、日本の俳優さんやアニメスタジオを世界に紹介する
という意味では、前編の必要性も大いにあるんですけどね。

いやいや、それにしても、ですよ。
さすが、タラちゃんですね。
章立てで進んでいく物語が、面白くて小気味よかった!
やっぱ、こうじゃないとね!
そして、最終章の出だしには、かなりビックリしてしまいました。
はぁぁぁ〜、そうかそうか、そう来たかぁ!みたいな。
ガッテンしまくりました、もう。
これを観てきたみなさんは、どうだったんでしょう?

この映画は、ひと昔前のB級映画に愛を込めて
オタク精神全開で作られた、というだけあって
ほんとにB級のニオイがプンプンしていました。
(後編では特に中国のシーンなんかね。)
うん、まぁ、これはこれで、いいと思います。

で、これはこれでいいとして
もうそろそろ次のステップへと踏み出したほうが
いいんじゃないかな、タラちゃんよ!
一度、違ったジャンル、違った語り口を試してみたら、どう?
posted on 2004.05.01
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