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トップページ> 映画> レビュー> 2004年> 6月
June, 2004
真珠の耳飾りの少女
Girl with a Pearl Earring
監督: ピーター・ウェーバー
原作: トレイシー・シュヴァリエ
脚本: オリビア・ヘトリード
音楽: アレクサンドル・デプラ
出演: コリン・ファース
スカーレット・ヨハンソン
トム・ウィルキンソン
キリアン・マーフィ
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第76回アカデミー賞撮影賞/美術賞などノミネート
静かな愛のキャンパス ★★★★
舞台は17世紀半ばのオランダ。
そこで活躍していたヨハネス・フェルメールという画家さんと
その家で使用人として働きつつ、フェルメールとの淡い恋に落ちる
女の子・グリートの物語です。

この映画、いい!
これも、最近ハマっている、いわゆる「純愛」もの。
ちょっとオトナの純愛。
コリン・ファース演じるフェルメールも、
スカーレット・ヨハンソン演じるグリートも
声なき声を、表情やしぐさで感じさせてくれる
すばらしく繊細な演技でございまして!
オレにも身に覚えがあるんですが、
好きで好きでたまらない人であればあるほど、
近づきづらく、話すことさえためらわれる。
だからこそ、いつも視界に入れておきたくて、
一度見てしまうと、もう目が離れなくなってしまう。
そんな状況が
さりげなく、でも観てる側には手に取るようにわかってしまうような
二人の名演でしたね。
そう、この映画は、とっても静かなのです。
静かで、穏やかで
だからこそ、その奥にひそむ熱い想いが
より一層引き立っていた感があります。
こういう「静かで熱い」ものって、
日本に古くからある美意識に通じるものがあるんじゃないかと
思うのですが、いかがでしょう?

そして、映像(照明というか)がね、これまた絵画的でして。
光と影の使い方が現代っぽくなく、マイルドでキレイでしたわぁ。

さっき公式HPを読んでて知ったんですけど、
フェルメールさんという人は実在の人で(有名なんですって!?)
「真珠の耳飾りの少女」という絵も実在するんだけど、
グリートという女性は架空の人物なんですってね。
フェルメールさんの人物像についてはあまり知られてなくて、
数少ない史実をもとに、原作者が丹念に推察し創造したのが
グリートという女性だった、ということでした。
こんな清らかで純粋なキャラクターを生み出すなんて
すごいじゃないか!感動。

こんな女の子が近くにいたら、
そりゃ、芸術家じゃなくても、17世紀じゃなくても
まちがいなくホレるよね。ほんと。
posted on 2004.06.14
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深呼吸の必要
監督: 篠原哲雄
脚本: 長谷川康夫
音楽: 小林武史
出演: 香里奈
谷原章介
成宮寛貴
金子さやか
久遠さやか
長澤まさみ
大森南朋
公式サイト(日本語)
ドラマチックではないところにドラマがある。 ★★★☆
沖縄のさとうきび畑に、収穫(刈り入れ)のバイトをするため
やってきた本土の若者7人が、約1ヶ月の共同作業の末に
得たものは?というストーリー。だそうです。

映画自体は、ものすっごくのんびり進みます。
なんてたって、死ぬほど広いさとうきび畑で
ただひたすら刈って刈って刈りまくる!だけなんだから。
少々の事件は起きるものの、色恋沙汰は皆無で
登場人物はほとんどが自分の内面的にいろんな葛藤を
抱えてきてるんですよね。だから、他人とどうこうって言うよりも
自分の中の何かにケリをつけるほうが先という状況。
なので、たいていのドラマよりもドラマチックさは大幅に低いです。
あの「Dr.コトー診療所」ですら、すっげぇ劇的に思えるほどです。

でもさ、そんなもんっすよ!
そんなもん、そんなもん。
いくらひとつ屋根の下で1ヶ月寝泊りして、
いっしょに働いたからって
そうカンタンにお互いを理解しあえたり、
恋愛が始まったりしてたまるか!って感じですよ。マジで。

だから、こういう映画のスタンスを、オレは支持します。
全然ありです。
っていうか、このテンポを最後まで崩さず
映画として見事に成立させてる監督さん、
アンタがすごいんです!

-----
オレがこの映画を観たいなぁと思ったきっかけは
あの『世界の中心で、愛をさけぶ』で
感動的な演技を見せてくれた
長澤まさみちゃんが出てるってことだったんですけど、
オレがこの映画を観ていちばん感銘を受けたのも
長澤まさみちゃんのシーンでした。
彼女は、他人とほとんど口を利かず、接触もしない
コミュニケーション・ブレイクダウンな高校生の役なんですが、
その子がオジイちゃんからお礼を言われるんですね。

「ありがとね、ありがと」
と、オジイが笑って声をかけると、
女の子も初めて笑顔を返した、そんなシーンでした。

「ありがとう」の一言が世界を変えるんだ!

ってオレは思ったね。

ありがとう
ごめんね
おはよう
こんにちは
だいじょうぶ?

こんな何気ない言葉が、どれだけ大切なのか。
改めて思い知らされました。

-----
そうそう、これで思い出したんだ!
故・いかりや長介さんの死去直後の新聞記事に
いかりやさんの息子さんのコメントが載ってたんです。
それは、
父から"これだけは守るように"と、
小さい頃から言われてたことがある。

・「ありがとう」をちゃんと言える人間になれ
・「ごめんなさい」をちゃんと言える人間になれ
・ウソをつくな


こんな感じのものだったと記憶しています。
オレはこの記事を見て、ものすごく感動しました。

-----
ココロがボロボロに荒れているときには
一度大きく深呼吸をして
だれかに「ありがとう」って言ってみよう。
その「ありがとう」の一言が、
自分を変え、他人を変え、世界を変える。
いやぁ、そう考えると、なんてドラマチックなんだろう!

オレにも子供ができたら、そう教えてあげようと思います。
posted on 2004.06.13
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21グラム
21 Grams
監督: アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
脚本: アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
ギジェルモ・アリアガ
音楽: グスターボ・サンタオラヤ
出演: ショーン・ペン
ベネチオ・デル・トロ
ナオミ・ワッツ
シャルロット・ゲンズブール
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第76回アカデミー賞主演女優/助演男優賞ノミネート
生きるということは選ぶこと。 ★★★★
この映画を観ていて、痛いほど思ったのは

「人生って、ひとつひとつの"選択"の結果なんだな」

ということです。
"選択"という言葉は"決断"に置き換えてもいい。
一瞬一瞬、自分がそのとき決めたことが
また次の瞬間につながり、またその次にもつながる。
良いことにも、悪いことにも、
最終的にはすべて一点につながっていくんですね。

今、こうして書きながらわかったことがあります。
この映画は、時間軸がバラバラに描かれています。
そのせいで、あるシーンと、次のシーンのつながりが
かなりの空白期間を経ていたりするわけです。
こんな構成は、もちろん製作者の意図によるものなんでしょうが、
これは、登場人物たちの"選択"について
ぼくたち観客がいろいろと考えることのできる時間(猶予)を
与えるために作られたのかなぁと思いました。

だって、オレが実際こうして生きてて
これまでしてきた"決断"も、
決めた瞬間は納得できたとしても、
あとになってよくよく考えたら、だんだん後悔がわいてきたり
いかに自分がバカだったかを思い知らされたりすることが
いっぱいあるもん。
いろいろと深く考えられるだけの頭脳と思慮深さと時間があれば、
今ごろオレの人生、どんなだったんだろう?

そんなことを、いま考えます。

-----
ショーン・ペン、ベネチオ・デル・トロ、ナオミ・ワッツという3人が
この壮絶なドラマの主人公たちです。
ショーン・ペンとベネチオ・デル・トロについては
その素晴らしさをこの目で観たことがありましたので
もう今さら言うまでもありません。
ですが、ナオミ・ワッツさんについては
今回初めてその姿を拝見することができました。

いやいや、アカデミー賞にノミネートされるだけの
圧倒的な演技でしたね!
あの繊細で折れてしまいそうな美貌の裏に潜む暗い影が
見事に表現されていたと思います。
しかも、超美乳ときたもんだ!
(すんません、とつぜんエロいこと書いてますけど…)

いろんな意味で圧倒されました。もうメロメロ。

-----
イニャリトゥ監督の前作『アモーレス・ぺロス』のラストシーン。
あれはとてもインパクトがありました。

あのシーンは
「何があろうとも、それでも人生は続くんだよ」
ということが言いたかったんだと、さっきまでそう思ってました。
でも、違うんだな。この映画を観て思い直しました。

「ある一瞬、同じ"人生"の中にも
 大きすぎて決してつなげることのできない裂け目ができてしまう
 そんなことがあるんだ」

ということだったんだな。
『アモーレス・ぺロス』も『21グラム』も
そういうことが言いたかったんだな。
posted on 2004.06.12
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デイ・アフター・トゥモロー
The Day After Tomorrow
監督: ローランド・エメリッヒ
脚本: ローランド・エメリッヒ
音楽: ヘラルド・クローサー
出演: デニス・クエイド
ジェイク・ギレンホール
イアン・ホルム
エミー・ロッサム
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
キミたちに明後日はない。 ★★
今年この時期のアメリカ映画は大変な大盛況。
これから夏本番まで、毎週毎週超大作が目白押しです。
今日観てきた『デイ・アフター・トゥモロー』も
現在、アメリカで大ヒットをかっとばしている真っただ中です。

でもね、オレ的にはぜんぜんつまんなかった…。

俳優が、まったく演技させてもらえないような映画です。これは。
人間の演技よりも、物語よりも、
「映像」が最優先されてしまった映画なんだな、
と思いました。

この映画の根幹には「地球温暖化」の問題があります。
これは、今のぼくたちにとって、とても大きな問題で、
とても大きすぎる問題で、でも、とても身近な問題です。
だから、このことについて真剣に考えるための問題提起を
この映画は提供してくれているのかもしれません。

もしかすると、ね。

でも、この映画には
そこまでの真剣さを感じることはできなかった。
そのことよりも、
世界の中心であるアメリカ
ひいてはニューヨークが水没し、氷結し、
自由の女神がガチガチに凍ってしまった
その「映像」さえあればこの映画は万事オーケー!
みたいな気がしたんですよね。

そして、致命的なのは、
想像を超える人とカネを投入して創り上げられた
その「映像」が、
他の映画の域を超えていなかったこと。
ツイスター』で観た竜巻や
ディープ・インパクト』で観た大津波と、
この映画の大災害は、特に大きく違わなかったし。

大したことねぇじゃん!って思ったんです。
(『ディープ・インパクト』のほうが数段よかったよ。)

ローランド・エメリッヒ監督の代表作といえば
インデペンデンス・デイ』です。
あれも、とんでもなく破天荒な映画でしたけど、
アメリカ大統領が「独立宣言」をする、終盤の演説シーン。
あの高揚感が、あの映画のすべてでした。

でも、この『デイ・アフター・トゥモロー』には
残念ながら、前向きに語れるところがありませんでした。
残念。
posted on 2004.06.12
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トロイ
Troy
監督: ウォルフガング・ペーターゼン
脚本: デヴィッド・ベニオフ
音楽: ジェームズ・ホーナー
出演: ブラッド・ピット
エリック・バナ
オーランド・ブルーム
ピーター・オトゥール
ショーン・ビーン
ダイアン・クルーガー
ブレンダン・グリーソン
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第77回アカデミー賞衣装デザイン賞ノミネート
やっぱり、ブラピだよ、ブラピ。 ★★★★
3200年前が舞台のギリシャ叙事詩をもとに
25時』のデヴィッド・ベニオフが脚本を書き、
エアフォース・ワン』のウォルフガング・ペーターゼンが監督した
製作費が100億円以上と言われる超大作であります。

"ギリシャ神話"と言われても、
わたくしにはまったくピンときません。でした。
これを先に観た友人は
「『グラディエーター』に似てたけど、あれより全然いい!」
と教えてくれたので、
"あぁ〜、『グラディエーター』みたいな感じなのね"
と、ギリシャ神話についてあれこれ想像するよりもずっと、
イメージがつきやすくなりました。(ありがとう!)

さて、映画の中身についてです。
まず、上映時間が2時間40分もあるのに
まったく、まったく!苦になりませんでした。
仕事サボって映画観てるんだ…ということすら忘れてました。
自分でもビックリです。

何がそんなにオレを集中させたんでしょう?

@輝いていた。
先ほど例に挙げた『グラディエーター』の主役はラッセル・クロウ。
あの映画のトーンである"重厚さ"と"悲壮感"を、あのヒゲ面と
モコモコの筋肉と、寡黙なダミ声とで表現していましたよね。
すばらしかった!
そして、この映画の主役はブラッド・ピット。
金髪に、鍛えぬかれた肉体、
他の戦士とのレベルの差を歴然とさせる身のこなし、
優しさと厳しさと憂いをたたえたそのお顔。
この映画のトーンである"優雅さ"と"スケール感"を
見事に表現していましたね。
すばらしかった!ますますいい役者になってきたね。

A映画を引き立たせる脇役の存在感!
こういう大河ドラマでは、
主役以上の存在感を持つ脇役がいるかどうかで
その出来不出来が決まってくると言ってもいいんじゃないかな。
ラスト・サムライ』の渡辺謙さんがいい例です!
この『トロイ』では、なんといってもピーター・オトゥール!
老いてなお、まっすぐな芯を持つ毅然とした王を
気品を持って演じておられました。
そして、ブライアン・コックスやブレンダン・グリーソン、
ショーン・ビーンなど
最近いろんな映画で見かける俳優さんたちが、
その存在感を充分に見せてくれていましたね。
あ、ゴメン、エリック・バナを忘れてた!彼もよかったよぉ。
あ、ゴメン、オーランド・ブルームも忘れてた!
彼はそろそろ大河ドラマ系映画のオファーを
蹴ったほうがいいのでは!?

Bスケールがドデカかった。
劇中では
「5万人のギリシャ軍がトロイという都市に攻め込む」わけですが、
その「5万人」の表現の仕方がすご〜いんだよね!
エピソード1』のドロイドの大軍や
ロード・オブ・ザ・リング』のオークの大軍に匹敵しますわ。これは。

C今も昔も変わらない。
"「愛」と「権力」と「名声」と"みたいな古典的な物語を
(いやいや、これぞ古典中の古典っすよね!)
すっきりと、登場人物も多くなく、簡潔に語ってくれました。
でも、薄っぺらいという意味では、決してありませんよ。
現代に置き換えたとしても、何の違和感もないでしょうし、
一応ブラッド・ピット演じるアキレスが主人公ですが、
もっと多面的にストーリーを楽しむこともできるはず!
3000年前と、今と、人間の欲深さには変わりがないんですね…。

評論家がけなすほど悪い映画じゃないと思ったんだけどぉ。

Dそれから…
この映画を観て"トロイの木馬"の意味がわかったし、
レッド・ツェッペリンの名曲"Achilles Last Stand"とは
このことか!とか
ついでに"アキレス腱"についてもわかりました。
どーでもいいけど、ベンキョーになりましたわ♪
posted on 2004.06.08
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レディ・キラーズ
The Ladykillers
監督: イーサン&ジョエル・コーエン
脚本: イーサン&ジョエル・コーエン
音楽: カーター・バーウェル
出演: トム・ハンクス
イルマ・P・ホール
マーロン・ウェイアンズ
J・K・シモンズ
ツィ・マー
ライアン・ハースト
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
中途半端なバカは笑えねぇぞ…。 ★★☆
コーエン兄弟の傑作といえば『ファーゴ』が挙げられます。
雪深い田舎を舞台に、
バカがバカを呼び、そのバカがバカ一直線にバカをしまくり、
バカバカしいまでのバカッぷりでバカな結末を迎えるのですが、
そのバカものたちは、ものすごく一心不乱なバカなので
観てるこっちは、だんだん空恐ろしくなってしまいました。

今日観た『レディ・キラーズ』も、基本的には『ファーゴ』系。
そこに『オー・ブラザー!』的な要素(主に音楽)も加わり、
本来ならかなり面白くなりそうなはずだったんだけど…。

「バカっぽさが中途半端!」というのが、まずあります。
トム・ハンクス演じる、頭脳明晰な"教授"が
寄せ集めのゴロツキ(大半がバカ)を率いて
巨大犯罪を成功に導くはずが…というストーリーなのですが、
バカなゴロツキどもの猪突猛進度が足りないんだなぁ。
バカになり切れてない!
それだけに、賢いトム・ハンクスの役柄だけが浮いてて、
映画の中の世界観がイマイチずれていたような気がしました。

その代わり、殺されそうになるレディ(というかババア)の
猪突猛進なマイペース度は申し分なし!サイコー。

そして、観てて思ったのが、
「この物語は、いったいいつの時代っていう設定なんだろ?」
ってこと。
この映画、1955年の同名映画のリメイクということなんだけど、
おそらく現代を舞台に書き換えてあるんだと思います。
でもね、観てるとどんどんわかんなくなるの。
現代なのか、20年前なのか、50年前なのか?
仮にも犯罪映画ですから、
時代設定ぐらいははっきりさせてもらわないと
その犯罪に対する信憑性というか、
その犯罪の手口について、どこで笑えばいいのか
どこがマジなのかが、わかりにくいんですよねぇ。
オーシャンズ11』ぐらいのスピード感があれば
話は別だったんですけども…。

ってことで、ちょっと消化不良な一本になりました。
コーエン兄弟、おもしろくてネジれた映画を次は頼みますよ!
posted on 2004.06.06
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飛ぶ教室
Das Fliegende Klassenzimmer
監督: トミー・ヴィガント
原作: エーリヒ・ケストナー
脚本: ヘンリッテ・ピーパー
フランツィスカ・ブッフ
ウッシー・ライヒ
音楽: ニキ・ライザー
出演: ハウケ・ディーガンフ
フレデリック・ラウ
フィリップ・ペータース=アーノルズ
ウルリヒ・ノエテン
セバスチャン・コッホ
公式サイト(ドイツ語)
公式サイト(日本語)
ケストナーの優しい魔法 ★★★
有名なドイツの児童文学作家、エーリヒ・ケストナーの
小説を映画化したのがこの作品。
(ほかには『点子ちゃんとアントン』などがあります。)
ある音楽学校を舞台に、日本では中学生にあたる年代の
子供たちが織りなす、友情と希望に満ちたお話であります。

このエーリヒ・ケストナーという人、有名らしいのですが
ぜんぜん知りませんでした。でも、映画を観る限り、
「物語の王道を行く」書き手なのかなぁと思いましたね。
なんとなく、小さいころによく読まされそうな「名作」って感じの
雰囲気がありありと。

良いことも悪いこともひっくるめて
大きな事件から些細な出来事まで、
物語の中ではいろいろ起きるんですが、
(たぶん)エーリヒ・ケストナーの持つ優しい魔法が
スクリーンからにじみ出てるんですよ。
だから、この映画を現実100%として観ることもなく、
かといって「ケッ、ただの夢物語かよ!」とひねくれることもなく
純粋にあの世界にひたることができたのかなぁ〜。なんて。

それから、主人公である少年少女たちがねぇ、
いいんですよ!いきいきしてんの!
クソ生意気でマセてるガキどもなんですが、
まったくといっていいほどイヤミがないのね。
この相反するふたつの要素を両立させてしまった
この子役たちと監督はすばらしいと思います。

ただし!
あまりにも魔法の威力が強すぎたせいか、
映画的にはメリハリが足りなかったような気がします。
最後のほうなんて、もっとガンガンに盛り上げてくれたら
もっとよかったのになぁ〜。すこし残念。
また、音楽の雰囲気が
同じドイツ映画である『グッバイ・レーニン!』と似すぎていて
(ということは『アメリ』にも似ているということ)
まぁいいんだけど、ちょっとね…って感じでした。

以上、『点子ちゃんとアントン』もレンタルしようかと思い始めてる
ketsuがお送りしました。
posted on 2004.06.02
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