バーバー吉野 |
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監督: |
荻上直子 |
脚本: |
荻上直子 |
出演: |
もたいまさこ
米田良
大川翔太
村松諒
宮尾真之介
石田法嗣
浅野和之 |
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公式サイト(日本語) |
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あんな髪型じゃ生きていけない…。 |
★★★ |
山深い田舎町では、床屋が一軒しかなく(バーバー吉野)、 そこの伝統にのっとって、男子小学生はひとり残らず 「吉野刈り」というヘアスタイルにしなければならないことに なっていました。 そこへ、東京からおしゃれな茶髪の転校生がやってきたところから 髪型に対するギモンが浮かび上がってきて…。
というお話です。
「吉野刈り」は、カンタンに言うと 「サザエさん」に出てくるワカメちゃんみたいな髪型で 全員がその髪型をしてると、最初はヘンに見えるんだけど そのうちだんだん目が慣れてきちゃったんですよね。 おかしいんだけど、おかしくないの。
「みんながしてるから、ま、いいっか!」
みたいな、流されやすい心理って 誰にでもあると思うんですが、 それを「伝統」とか「しきたり」っていう都合のいい言葉に 置き換えて押し付けたがる大人と、 それに反抗する子供の対比が、コミカルに描かれておりました。
それもさることながら、 小学生たちの会話というか雰囲気が すごくリアルで楽しかったですね! ガキどもがエロ本に興味津々になる描写なんて 素晴らしかった! (監督は女性なのに、なんでそんなにオトコの生態をわかってるの?) 学校でウンコしてるヤツを見つけたらバカにするとか 女子のチチのふくらみに過剰反応したり 早口すぎて何しゃべってるかわかんない感じとか、 リアルでしたねぇ。映画っぽくなくて、よかった!
そして、頑固ババア役のもたいまさこさん。 あの役は、あの人以外には務まらなかったんじゃないかと 思うほど、カンペキでしたね。 そしてその対極に位置する、ダンナ役の浅野和之さん。 テレビでも、いい人から悪い人まであらゆる役柄をこなす 名脇役として活躍されていますけど、今回は「ダメ夫」役が カンペキでした。 情けなさ100%!でも案外幸せなのよね。 |
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posted on 2004.08.01 |
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▲TOP |
シュレック2 |
Shrek 2 |
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監督: |
アンドリュー・アダムソン
ケリー・アズベリー
コンラッド・バーノン |
脚本: |
アンドリュー・アダムソン
ジョン・スティルマン
J・デヴィッド・ステム
デヴィッド・N・ウェス |
音楽: |
ハリー・グレッグソン・ウィリアムス |
声の出演: |
マイク・マイヤーズ
エディ・マーフィ
キャメロン・ディアス
ジュリー・アンドリューズ
アントニオ・バンデラス
ジョン・クリース |
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公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第77回アカデミー賞長編アニメーション/主題歌賞ノミネート |
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今回は吹き替え版で。 |
★★★ |
ただ今アメリカで驚異的な大ヒットをかっ飛ばしている CGアニメ映画『シュレック』の続編です、という説明は もう必要ありませんよね。 夏休みの子供連れのお客さんに混じり、 少々肩身の狭い思いをしながら観させていただきました…。
第1作目のときは字幕版で観たんですけど、 そのときはなんとなく面白さを感じられなかったような気がしたので 今回は吹き替え版にチャレンジしてみました。
ハマちゃんって、大阪弁のまましゃべってるんだ〜!合格。 山寺宏一さんは、さすが売れっ子声優。合格。 ネコちゃんの声は竹中直人か!合格。 っていうか、藤原紀香だけはビミョーな気がする…。不合格。 (単に紀香がキライっていうだけかもしれん…。)
オープニング明け、 いきなりCounting
Crowsの"Accidentally in
Love"が流れ出し ルンルン気分で快調に始まったかなぁ〜と思ったんです。
途中、新キャラのネコちゃんが出てきて
笑わせてくれるところもあり、
『スパイダーマン』とかの名場面をパロディしたり
おとぎ話へのオマージュを捧げつつ
和やかムードで話は進んでいくのですが、
な・ん・かフツーやねんなぁ…。 イ・マ・イ・チ盛り上がらへんかったなぁ、ワシ…。 おいおい、いまさらリッキー・マーティンかいな!? 5年遅いちゅうねん!
って感じでした。 何が悪いのかわかんないんだけど、なぜか盛り上がらず。 オレの中で、映画は淡々と終わってしまいました。 まず、オレと『シュレック』の相性が悪いのかもな…。
ま、とにかく、このフォーマットが新しいおとぎ話の
スタンダードになるであろう予感は充分に感じられましたけどね。
p.s. 周囲の子供たちはヤンヤヤンヤの大騒ぎでしたけど、 ああいうギャグをガキどもは理解してるのかな? それともキャラの顔とか声の面白さだけで笑ってるのか? それはともかく、エンディングの曲 (もちろん英語、80年代のディスコ調)を聴きながら 手拍子してた女の子がいて、その姿がかわいかったわ♪ |
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posted on 2004.07.26 |
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▲TOP |
スチームボーイ |
Steamboy |
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監督: |
大友克洋 |
脚本: |
大友克洋
村井さだゆき |
音楽: |
スティーブ・ジャブロンスキー |
声の出演: |
鈴木杏
小西真奈美
津嘉山正種
中村嘉葎雄
沢村一樹 |
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公式サイト(英語)
公式サイト(日本語) |
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壊すだけ壊しちゃってさ、あとはどうするのさ? |
★★ |
『AKIRA』という、大友監督の作った超有名なアニメが 公開されたのが、1988年のことだそうで。 わたくし、未だに一度も観たことがございません。 そんなオレがエラそうに語ってよいのかギモンなんですけど、 特にエラそうなことを書くつもりも何もないので、書きますね。
舞台は19世紀のイギリス。 「蒸気機関」の発明に湧くロンドンで巻き起こる、 脅威の発明品「スチームボール」の争奪戦と 科学技術の意義について、熱く語られる映画でした。
オレ、この映画を観ながら思い出していたのは 『マトリックス』シリーズと『ゴジラ』でした。 共通するところは、
過剰なまでの破壊
です。 ほら、ゴジラって、 東京の街をグシャグシャと踏み潰していくでしょ? ゴジラが踏んづけたビルの中に、何千人もの人がいようとも ゴジラが通った道の上に、何百台のクルマが通っていようと そんなものに対するリアリティなんか追及しないじゃないですか。
『マトリックス』でも、ウジャウジャと出現するセンティネルや ひとりを殺すために何百発もの銃弾を撃ちまくったりするでしょ? (でも、あれはほとんどが架空の世界での出来事だから、 まぁいいっか。)
この『スチームボーイ』でも、 上の2作と同じようなニオイを、 しかももっとタチの悪いニオイを感じちゃったんですよね。
お空の上で科学技術の意義とはなんぞや?と議論するのも 大いに結構なんですが、その真下で戦々恐々と震えている 名もなき人々の存在は、一体どうなっているんでしょう? と、思ってしまったわけ。 たとえばジブリのアニメなんかには、 そういう人々への敬意がちゃんと払われていると思うんです。 『スター・ウォーズ』だってそう。 一般市民への愛がありますよ。愛が。 そういう気持ちを置き忘れてはいけないと思うんだよなぁ〜。 っていうか、現実的なツッコミで申し訳ないんだけど、 街の後片付けはどうすんのさ???ってことで…。
なんつうか、ストーリーもそこそこに ひたすらバカみたい(に見える)なケンカと破壊が続くこの映画、 アニメ通や映像オタクには もしかすると画期的な作品だったのかもしれませんが そういうのにウトいオレには この映画の良さがあまりよくわかりませんでした…。
p.s. これで、本気で、アカデミー賞を狙う気なの? と思ってるのはオレだけ? |
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posted on 2004.07.20 |
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▲TOP |
幸せになるためのイタリア語講座 |
Italian for Beginners |
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監督: |
ロネ・シェルフィグ |
脚本: |
ロネ・シェルフィグ |
出演: |
アンダース・W・ベアテルセン
ピーター・ガンツェラー
ラース・コールンド
アン・エレオノーラ・ヨーゲンセン
アネッテ・ストゥーベルベック サラ・インドリオ・イェンセン |
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公式サイト(日本語) |
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ドグマのせい? |
★★☆ |
妻と死別した。父親の世話ばかり。母親がアル中。 性格がガサツ。インポ。言葉が通じない。 歳が離れている。生まれつきトロい。ケバい。ダサい。 さまざまな事情をかかえた30代の男女が 「イタリア語教室」を通して「幸せになっていく?」 という感じの映画です。
この映画、デンマーク製です。 デンマークの映画監督として有名なのが
ラース・フォン・トリアー(『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『ドッグヴィル』)。 彼は、「ドグマ95」という映画撮影の独自規格を作っています。 その根本には、
「登場人物のありのまま、そして作家のつくりたいままを撮る」 という点にあるそうです。 その規格(「純潔の誓い」)とは、こんなルールだそう。
1.撮影はロケーション撮影。小道具やセットを持ち込み不可。 (小道具が必要な場合は、そのものがあるロケ地を選択) 2.映像とは別のところで音を作り出してはならない。
3.カメラは手持ち。
手で出来ない動きや静止についてはこの限りではない。 4.映画はカラーで、人工的な照明は不可。 5.オプティカル処理やフィルター使用は禁止。 6.表面的なアクションは入れてはならない。(殺人、武器など) 7.時間的、地理的な乖離を認めない。 8.ジャンル映画(アクション、SFなど)は、認めない。
9.フィルムのフォーマットはアカデミー35mm(スタンダード・サイズ)に
すること。 10.監督はクレジットに載せてはならない。 |
今回の映画も、「ドグマ95」スタイルで撮影されていました。 しかし、個人的には、この映画での「ドグマ」の試みは 失敗に終わっていたと思います。
とにかく、画面の中に「華」がなかった。 (いちおう)恋愛映画だと思って観ていたのですが、 恋愛が今から始まる!っていう瞬間の"輝き"とか ちょっと雲行きが怪しい感じのときの"空気のよどみ" みたいなものが、あまり感じられなかったんです。 仮に俳優の技量が足りなかったり、 ストーリーがショボくてそうなったのであれば、 (今回は後者の可能性大) 照明や音楽でなんとかカバーするはずのところが 「ドグマ」スタイルで撮っていたために、余分な装飾が一切されず、 とても味気ないものになっているように感じました。 恋愛映画に「華」がないのは致命的だと、オレは思うのです。
30代ばかりのちょいと冴えない人々による 少し痛々しくもある恋愛映画なので、 同じ立場にいるオレとしては とても他人事とは思えない雰囲気の中で観ていたんです。 本来なら、真っ先にこの映画のことを擁護しなければところ!
でも、やっぱダメだな。 同じような題材の映画で 『ひかりのまち』という大傑作を知ってしまっている以上、 この映画のランクはかなり落ちてしまいます。 けっこう期待して観にいっただけに、残念…。
p.s. ただし、エンドクレジットの見せ方は、すごくセンスがありました。 |
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posted on 2004.07.18 |
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▲TOP |
スパイダーマン2 |
Spider-Man 2 |
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監督: |
サム・ライミ |
原作: |
スタン・リー
スティーヴ・ディッコ |
脚本: |
アルヴィン・サージェント |
音楽: |
ダニー・エルフマン |
出演: |
トビー・マグワイア
キルスティン・ダンスト
ジェームズ・フランコ
アルフレッド・モリーナ
ローズマリー・ハリス J・K・シモンズ |
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公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第77回アカデミー賞特殊視覚効果賞受賞 |
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楽しんじゃったじゃねぇかよ! |
★★★★ |
なんか、観終わったあとの感覚がものすごく不思議でした。 たとえて言うなら、そうだなぁ… 超高級中華料理を(自腹で)食べに行ったとします。 失礼のないよう、すっげぇおめかしして、 すっげぇキンチョーして臨みました。にもかかわらず! いざお店に入ってみると、ぼくらの通されたテーブルには まるで香水のようなニオイのするバラの花が飾られ、 それだけでもお店の雰囲気にメロメロになっていた、その上に 店員さんには 「どうぞ、靴を脱いでおくつろぎください」と勧められ、 出てきた食事がいきなりメインで 超高級ラーメン(フカヒレ入り)だった、みたいな感じでした。
あのぉ〜、こんなたとえじゃわかんないですよね…。
要するに何が言いたいのかというと、 超特大SFアクション映画を観に行ったつもりが 実はその名を借りた、超メロウで親しみやすい大恋愛映画だった! という、なんともうれしい誤算があった、ってことなんです。
メチャクチャ楽しんじゃったじゃねぇかよ、オレ! (久々にさまぁ〜ず三村口調で)
ヒーローだって、恋に悩むこともあれば、 ウンコもするし、借金でクビがまわらなくなったり、 色物を洗濯するときの色落ちを気にしたりもするわけですよ。 えぇ、ほんと。 なんか、そういうフツーな感覚が描かれているのが とても好感持てましたね。 まさかこの映画を観て、そんな健気な青年の姿を見て 目をウルウルさせてしまうとは想像もつかなかった!
そうそう、このスパイダーマンというキャラクターって、 こんなにも「身近」だったんですねぇ。 バットマンみたいに超大金持ちでもなければ、 スーパーマンみたいに生まれながらの超人でもないし、 はたまたハルクみたいな怪物でもない。 偶然に超人的能力を持ってしまったフツーの若者が お手製の衣裳を着て、マスクをかぶっただけの そんな垣根の低い、身近なヒーローだったんだ、ということを 今回改めて理解できました。 (ジェームズ・フランコ演じる役柄については、全く理解不能なので あえて無視しちゃおうかと思います…。)
「1」よりも「2」のほうが、断然親近感が湧いちゃったなぁ〜。
でも、個人的に悔しいことがありました。 それは「2」を観る前に「1」の復習をしておかなかったこと。 ベン叔父さんがどういう経緯で殺されちゃったのかを さっぱり忘れてたので、ちょっともったいなかったです。 今度レンタルして確認しとかないと!
さぁ〜て、こんな楽しい続編を観ちゃった以上、 次回にも期待せざるを得なくなってきました! 次の悪役は? ピーターとMJの恋の行方は? はたまた恋のライバルでも出現するのか? 「3」が待ち遠しいです。 っていうか、「3」で終わっちゃったりしないよね? サム・ライミ監督が続投するなら、何作でも観たいっす! |
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posted on 2004.07.12 |
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June,2004 | back number | August,2004  |