グリーンピース 2016年5月25日
汚染者のための夏休み: 米・議会は有害物質規制法への 化学物質ロビーに屈服する リック・ヒンド 情報源:Greenpeace, May 25, 2016 Summer Break for Polluters: Congress Bows to the Chemical Lobby on Toxics Regulation by Rick Hind By http://www.greenpeace.org/usa/summer-break-polluters- congress-bows-chemical-lobby-toxics-regulation/ 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) 掲載日:2016年5月27日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/usa/NGOs/Greenpeace_160525_Toxics_Regulationl.html 新たな法律は、州政府とEPAが、玩具、建材、衣類などの中の有害化学物質の規制を困難にするであろうが、オバマ大統領にはまだ、拒否するチャンスをがある。 化学産業ロビーの喝采の下、議会は新たな有害物質規制法案(TSCA)をオバマ大統領に送付しようとしている。この法案について詳しい誰でも、それがアメリカの全ての環境法の中で最も弱い法であり、我々の玩具、衣類、家、学校、そして職場にある 85,000の化学物質の大部分を規制せず、それらの健康影響についてテストしないままにするということを知っている。 そして、もし議会と化学産業ロビーがそのまま進むなら、それらについて何も変化は起こらない。 有害物質規制法は過去40年間、EPA は行動する権限を与えられていなかたので、38 の州が BPA、ホルムアルデヒド、鉛、水銀、そして有害難燃剤を含んで、危険な化学物質類を規制し始めた。多くの場合、これらの州の法律は全米で人々に、特に国営会社が彼らの製品から危険な化学物質を排除するのに役に立った。 しかしその傾向を国民のものにするのではなく、議会は、数十年間化学物質政策の改革を唱えてきた環境、公衆健康、労働安全、そして環境正義の指導者らを無視してきた。そして彼らは、ダウ、デュポン、エクソン、及び米国化学工業協会(ACC)のような業界団体からの化学物質ロビーイストの声を聞くことを選択した。 なぜか? ACC 自身の言葉によれば、化学物質ロビーは”予測性、一貫性、及び確実性”を望んでいる。 解釈: 彼らは州政府が有害化学物質を制限することを止めさせたい。 州政府の強い規制を制限し、連邦政府の安全基準を弱いままにしておくことが化学物質ロビーの双子の優先事項であり、かくしてそれらは”新しい” TSCA になった。必要とされる待ち望まれた改革の代わりに、我々全てはもっと悪くなったものを得た。 メリーランド大学の法学教授であり、進歩的改革センター(CPR)のメンバーであるレーナ・スタインゾールは、”この法案は今後多年にわたり公衆の健康と環境保護を損ねるであろう”と述べた。 その理由のいくつか:
もし議会が、化学物質ロビーの利益と選挙献金の代わりに、公衆の健康を重視していたら、彼らは欧州連合が2007年に採択したものと同様な、又はそれ以上に強い法律を制定できたであろう。そのプログラムは REACH (化学物質の登録、評価、認可)として知られ、非常に高い懸念がある物質(SVHC)として170の化学物質を優先づけている。その目標は、2020年までに SVHC 化学物質を廃止し、より安全な物質で代替することである。 もちろん、化学物質ロビーは REACH プログラムに反対したが、そのことがまたなぜ彼らが、現在係争中の環大西洋貿易投資協定(TTIP)のような貿易協定に賛成する理由である。もし議会によって TTIP が承認されれば、環境法と環境条約の完全性がさらに損なわれるであろう。 過去には、上院議員のスタフォード(共和党、バーモント州)やチェイフィー(共和党、ロードアイランド州)のような共和党員はもっと保護的な安全基準を採択するための州の権利を擁護した。しかし現在は、より強い法律を求める共和党議員はいない。 その代わり、安全を求める強者には、上院議員のボクサー(民主党、カリフォルニア州)、マーキー(民主党、マサチューセッツ州)、及びサンダース(無所属、バーモント州)、及び下院議員のパロン(民主党、ニュージャージー州 、トンコ(民主党、ニューヨーク州)らがいた。 議会は責任ある行動をとらなかったが、オバマ大統領はまだこの公衆の健康の乗っ取り(ハイジャッキング)を拒否することができる。彼にはこの法案を議会に差し戻し、真の改革を求める権限があり、今は我々が監視していること彼に知らせる時である。 ホワイトハウスに電話して((202) 456-1414)、オバマ大統領にこの TSCA 法案(H.R. 2576)を拒否することを強く求めよう。 リック・ハインド(Rick Hind) リックは、グリーンピース USA の立法担当ディレクターである。1991年にこの団体に参加して以来、彼は有毒物質及び化学的安全問題をカバーするジャーナリスト達のための頼りになる情報源である。彼は、The New York Times, The Washington Post, The Wall Street Journal, CBS News, NPR, FOX、その他多くを含む広範な全国的な出版物の中で引用されている。 訳注:TSCA 改正関連情報
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