近年の途上国援助は、タイ国ジョムティエンで開催された「万人のための教育世界会議」(1990)や、アメリカにおける教育援助法の成立(1991)にみられるように、インフラから教育と医療・社会保障へと比重が移り、世界銀行の施策においてもBHN(Basic
Human Needs)が強調されるようになってきています。これはかつてのインフラ重視の開発援助の反省の元、貧困の撲滅が経済成長を助けるという立場にたつようになっていることを示しています。
青年海外協力隊においても、これらの動向にあわせ、教育分野の派遣が増えつつあります。したがって実際の活動も、かつての途上国での井戸掘りに代表される村落型の活動イメージから、今後は随分様相が変わると思います。ちなみに下記の活動マニュアルは、教育系隊員のなかでも、今後増えると考えられる教育行政に携わるプログラム・オフィサー型の活動の紹介をかねて掲載したものです。
また、協力隊自身の位置づけも近年おおきく変わりつつあります。かつての技術協力から、国際的視野に立つ青年の育成へと比重が移りつつあり、その狭間のなかで隊員活動のあり方も変容を迫られています。
以下にグァテマラにおける協力隊活動を例に活動の現状と分析を行ってみようと思います。完成までは時間がかかると思われますが、随時更新の予定です。
- 協力隊員が直面する主要な問題とその分析
- 青年海外協力隊に対する主要な批判とその分析
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隊員活動について語るために必要なこと−隊員活動の評価について(作成中・最終更新日12/12/2001)
青年海外協力隊の活動については、これまでも様々な批判がなされてきました。当初、これらの批判に対して、出来るだけ客観的に現状を把握した上で、傾聴すべき意見は受け入れていき、自分の活動を良いものにしていこうと考え、グァテマラにおける隊員活動の現状と分析(未完成)を書こうと思い立ちました。
しかしながら活動を継続しながら客観的に隊員活動を分析することの難しさに、後になって気が付きました。活動期間の長さに応じて、見る者の視点が変わってしまうのです。
結局の所、
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途上国の教育行政に携わる隊員活動の一例として、自分の活動をマニュアル化してみました。
ここで述べるのは途上国において、どのように知識や情報の共有を図るかについてです。ITを用いたナレッジ・マネジメントの手法は広く知られていますが、ITを使わなくても同様の効果をもたらすことは可能だと思われます。重要なのは技術ではなく運用方法なのです。
本来このようなマニュアルは、後任隊員のために必要なものだと思います。しかしながら、今のところ後任隊員を要請するつもりはありませんので、架空の後任に向けてのマニュアルとなります。関連職種を志望する人、あるいは現在活動中の隊員の参考になれば幸いです。
現在作成中。活動終了時(2002年7月)完成予定
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グァテマラ教育分科会について
現在グァテマラでは、教育系隊員の活動を促進し、隊員間の親睦をはかるために分科会が設けられています。シニア隊員を中心に、定期的に集まり、情報交換などの活動を行っています。
この度、この分科会の機能を広げ、活動の一部をインターネット上に移すことによって、隊員活動の便宜を図るとともに、分科会活動を活性化させることになりました。
隊員たちの活動事例を集め、活動のアイデアを提供するとともに、掲示板を設け、互いに意見を交換できるようにします。
また、基本的な教育指標の変遷、教育省本省における教育政策の動向、カリキュラム改革の内容などをHPを通じて公開し、隊員の活動の便宜を図ります。
詳しくは教育分科会HP(現在作成中。2002年公開予定)へ
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フェアトレード分科会について
グアテマラ隊員で結構興味を持つ人が多く、他の隊員と協力して、フェアトレード分科会を発足することになりました。
地域開発で手工芸品や農産物の加工品を指導しても販路の確保が出来ず、活動にも制限が出てきているのが現在の問題です。グアテマラ国内の市場には限界があります。安さがまず第一で品質は二の次。品質のよいものは高くて競争できないのです。
隊員の関わっている生産者グループだけではなく、他のグループでも今まで外国のNGOが関わって技術指導していたところが撤退して、残された現地の生産者たちは販路がなく、そのままグループが消滅してしまったりすることもあります。
このような人たちを何とかうまく拾い上げて日本で販路を広げ、フェアトレードを行い、生産者のモチベーションと現金収入の増加をめざす、というのが現在の構想です。
詳細はフェアトレード分科会HP(仮)まで
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