雑感 2002/02 |
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ここで「いやきつ」の責めはやめよう。まさか1月末に書いた物語以上の非難が、彼女自身の口から出るとは思ってもみなかったのだし。 思うに、彼が我々に与えたものは、やはり大きかったということが逆説的に証明されているようだ。 良きにつけ悪しきにつけ、民衆が「アツくなれる政治」を創出した。激怒、憤慨……「あーあ、またか」という従来までの諦観とは、かなり違う。 圧倒的な支持を背景に始められたメールマガジンも、現在の方が興味深い。浮ついた表現が目立つほど、その苦渋と行きづまりが手に取るように分かる。 (【ワカメ――】を、実にシッカリ裏付けてくれて、感謝して……するかーい!) まさに旧体制は衆人環視の包囲網の中という状態だ。 (オマケでM議員――「饒舌な悪人」という感覚も、今までに無いキャッチーなキャラクターだ。フセイン級の愛着さえ感じてしまう(もちろん、「キャラへの愛着」と「善悪」は別モノである)。) 彼は政治を我々の手に引き戻していた――本人が望もうと望むまいと。 先ヅモだけど、少なくともこの政権はここに意義があると思う。要するに、旧ソ連のペレストロイカ・グラスノスチと同じで、それで旧体制を維持しようとしてもダメなモンはダメ。 ただし――その流れは腐敗した体制にはもちろん必要で、小泉首相もゴルビーも、偉大な政治家には間違いない。こーゆー風に見ている。 新体制は、国会中継にネットでリアルタイム・ブーイングできるくらいの擬似直接民主制を導入すべきだ。 衆愚政治になっても寡愚政治よりはマシだ。 それくらいしなければ、旧体制の屍を越えて日本が生き残るのは、不可能だ。 エエカゲンなことをしていると、ロシアの経済混乱の二の舞だぞ。 (念のために言っておくと、革命を暗示する文ではない。旧体制とは利権政治・派閥政治のこと。新体制とはポスト旧体制の意に過ぎず、それが小泉政権・自民党主導政権である可能性も当然残されている。)
アラ、ファースト奥様、じょーじを持ち出されるなんて。 なかなかイイ所を衝いてきますワ。 ひとまねこざる――「キュリアス・ジョージ」はとっても大好きな絵本だった。 幼い頃、父がよくおみやげに買ってきてくれた。 実はケータイの「キャラっぱ」も、じょーじを登録してるのだ。 くー。どうしても同一視できーん。(したらしたで、これもどーかと思うが。) ともあれ、奥様の行動は、僕のブッシュ大統領への敵対感情……違、親近感をずいぶん回復させた。 さすが、ファースト奥様、僕にとってはこれ以上のフォローはない。絶賛。 しかし禁煙(?)は続く。4日目。キビシー。 この頭のぐりゅぐりゅを、ちきゅうの未来に捧げましゅ。 非戦ではデモがあったようだけど、温暖化は放っといていいのかな。 「建設的」――冗談じゃないですわ。アレが建設的なら、僕は一日中タバコを吸い続けるよ。 ホントのところは、米国のGDPが下がる≒日本のGDPも下がる、みたいなもんだから、そうそう反対できる肝を持った人もいないだろうけどねぇ。 実際僕も反発はできるが、完全なアメリカ不買など(現在の状況では)できるワケが無い。 タバコは嗜好品だから切ることができるんだが……パン買わない豆腐食わないバーボン飲まない――そんなんムリ。大体このOSだって(ん?これは日本のGDPになるのか?)。
……前回2件はため息しかつけないので、たまにはイイ話を――。 明石の精密機器メーカー「コス」社、 対人地雷を無人で探知・破砕するロボットを開発。 (読売新聞2002/02/12・夕刊) クレーン部の先端に合金製の傘のついたハンマーがあり、10m/秒の速度で地雷を「爆発前に破砕」。 手作業の10分の1の処理速度だそうです。価格は1千万円ほどを予定。 今後はどんな地形にも対応できるよう、開発を進めていくとのことです。 ――すご〜い! これこそ科学、これこそ技術! わくわく! 人類愛をカタチにする、感動的な科学技術の応用です! まだ拍手するのは気が早いかもしれませんが、さらなる研究と地雷処理の自動化を、実現していただきたいと思います!
(参考:→株式会社 コス)
――と、こんなことを書いて少し胸のすく気分になっていたら、メッカ巡礼の飛行機を待ちに待って苛立つ群集によって、アフガニスタン暫定機構のラフマン航空・観光相が空港で殴り殺されるという、とんでもない事件が報道された。今日は一体何なんだ――。
下の回を書いていたら、NHKニュースの項目が1つ追加された。 だーっ、もう! 「米英、共同で臨界前核実験」 一体、何がお望みだ? 来日前に無礼が過ぎないか? ソルトレイクは開催中だぞ? ――あのボロボロの星条旗は、そんな平和を望んでいるのか? 「半旗」を掲げた【うそこニュース】02が、泣いているぜ……。 (ネットで調べると、これについてはすでに昨日、日本の首相も見解を示していたようだ。しかしこの様子では、下記の温暖化防止策についても、中途半端なことを言い出しそうで心配だ。「断固」という言葉は、こういう国是を表す時にこそ、使ってみてもよろしいのではないか? 「内弁慶」は嫌われますぞ。)
再び嘆息。 「米、独自の温暖化防止策発表(14日)」 身勝手な理屈(前回の「ヨソはヨソ……」のあたり参照)が通用する時代は終わったというのが、まーだ分かっとらんらしい。 GDPに応じた二酸化炭素排出規制―― これではアメリカの製品を買うたびに、地球が死滅に近づくということじゃないか。 我が母なる地球を守るためには、少しでもアメリカのGDPを減らさざるを得ない。 アメリカには、誠実で賢明な助言者は一人もいないのか? 僕はコルベットのカブリオレに憧れてるのに! これでは今愛煙しているタバコ(因果不明のたばこ税引き上げ時に、値上げをしなかった愛すべきアメリカ製)さえ、買えないじゃないかっっ!! (本気で禁煙を考えなくてはならんな。元々これも地球を汚しているらしいしな。) 好きなんだぞ、アメリカ! 愛してるんだぞ、アンタんとこのタバコ! しまいにゃ、泣くぞぅ……。 今こそ、日本は牧野代表の目指した「正道を踏む」外交をすべきだーっ!
今回の「その時歴史が動いた」、とても興味深いものだった。(前回の【雑感】参照) 全権として派遣された牧野伸顕代表の状況が中心になっていたので、どちらかと言えば「外交家の資質とは――」という感慨の方が、大きかった。 懸念していたほどナショナリズムを惹起するものでなかったのには、ちょっと安心した。僕の偏った知識も、この番組で改善されたと思う。 (アメリカの内情説明(黒人世論など)が少なかったような気もするんだけど……。) 先に――日本では人種平等案の却下に国際連盟脱退をも論じられるが、会議の初頭にスパーンと却下されたはずの中国の権益を、反対に認めてもらうことで踏みとどまる。「大日本帝国」からすれば、当初の目的を達成したことになる。が……。 なんて皮肉な結果だったんだろう。 「名を捨て実を取って」みたら、それは同色人種の怒号の嵐だった、なんて。 (そうか。こういう風に「歴史は動いていった」のか……。 ウィルソン大統領も知っていたよりゴーカイさんだった。 個人面談では好意的だったのに……? 「明文化しなくても既に基本概念だ」と採決を躊躇しながら、いざ賛成多数になると「重大な問題だから全会一致でないとダメ」というのは、屁理屈以外の何ものでもない。 背景を無視して人だけを見れば、理性を疑うトンチンカンさだ。 しかし、ウィルソンだけが異常だったわけではない。日本政府も、足元は無根拠だった。「正道を踏んで弱国を助けることを主張したい」という、牧野伸顕の信念だけが、正常だったといったところか。 (その後の「言いだしっぺが不参加」という顛末は、常識以前で冗談にもならない。自分がしゃしゃり出なければ気がすまない(世界の警察?の)くせに、「ヨソはヨソ、ウチはウチ(≒モンロー主義)」と急にソッポを向く――この矛盾した性向は今でも見られる。子どもじみた悪癖であり国際社会では遠慮すべきだろう。) 牧野代表は即座に「(賛成多数だった)採決内容の議事録への記述」を申し出る。 ――こういう芸当は、なかなかできないと思う。 僕ならとうに席を蹴っているか、愕然として何も言えなくなるだろう。 明晰な頭脳と冷徹な判断力。まして、任務への忠実さ、相手への誠実さ、忍耐強さ……。 外交の基本精神が、総身に具わっていなくては、できない。 さて、前回「それだけだ」と言い捨てたが、この番組に学んだ重要な補足をしておこう。 屈辱も堂々と受ける――こんな人材を多く輩出していた、ということも、戦前の日本の「強さ」だったようだ。 そう考えると……どうも今とは比較にならないような気がしてきた。 シンクロのしようなど、はじめから――僕の杞憂でしかなかったのだろうか? しかし、叶うならば。 ブッシュ大統領が近々来るとか。 "正義を自負する彼なら、必ずや打てば響く" ――そう信じ切って、馬鹿正直な外交を展開してみてもいいんじゃないだろうか、ヘラヘラ愛想笑いしてないで。どうせ下手なんだったら、臆せず堂々とやりゃあいい。窮鳥懐に入れば猟師も殺さず――(??)。 牧野代表を微笑ませるような外交も、悪くはないだろう。 牧野伸顕(1862〜1949)〔名は「しんけん」とも「のぶあき」とも〕
昨晩、「その時歴史が動いた」の再放送見てたんだけど、 次回はなんと……。 「日本の夢、ベルサイユに散る 〜パリ講和会議・人種差別廃止案の挫折〜」 半年前、京都議定書の行方を占う日米外相会談の時に、このページで引き合いに出した事件だ。 折りしもエンロン社のスキャンダル発覚や大統領の外交政策転嫁演説で、 「最近のアメリカって、なんだかヘン」と思いはじめた人も、多いのではないだろうか。 こんな時にこの内容を(初めて)見たら、日本人は、 「えっ、うっそ! アメリカってそんなヒデェ国だったの?」 「最高! オレ、てっきり昔の日本は悪モンだと思ってたよ」 ――こうならないだろうか? これは微妙に違うと思う。現在の事態(京都議定書の米批准問題)にシンクロした、 アメリカ=×、日本=◎の構図――。 今、放送すると、日本人はどんどんアメリカから背を向けてしまうんじゃないか?僕はそれが――怖い。 (一時間弱の番組も全くバカにできません。TVではありませんが、映画「ブレイブハート」はスコットランド民族運動を大きく飛躍させました。) それほど痛烈な内容なのだ。そこから『鬼畜米英』へ――という、とんでもない歴史の虎口が、あっさり理解できてしまうほどに。 「さっきまでアメリカを腐しておいて、何を言ってるんだ?」 と言われてもしょうがない。 「オマエはただの奇衒いのアマノジャクだ!」 まったく、その通りだ。 ただ、 関東大震災の時、多額の援助をしてくれたアメリカ。 戦後、「農地改革」を進めてくれたアメリカ。(もしこれがなかったら、多分に民衆蜂起で共産革命か内戦状態になり、<共産主義の人ゴメンナサイ>残念ながら戦後の奇跡とも言うべき復興など、ありえなかったと思うのです。) そして今、大量の食糧供給源である、アメリカ。(一体僕らの体の何割が「アメリカ原産」なんだろう?) 一方で、これらの恩恵も忘れてはならないと、思うのだ。 アメリカは――いくら僕が青筋立てて怒っても、既に我々の血であり肉なのだ(しょっちゅう拒絶反応も起こすけどネ)。 この事件は、歴史上厳然たる事実であり、日本人である以上、いや人類である以上、知っておくといい歴史だと思います。 どうか、このページを見て「何だ?」と思った方、この番組を見てほしいです。 僕もまだまだ嘴の黄色い青二才、この番組に学びたく思っています。 とことん知っている方も、当代のNHK――コマーシャリズムに無関係の、良質の番組を常に我々に提供し続けてきた公共放送――が、この歴史にどのような解釈を与えるのか、興味深いと思います。 今直面している現実にシンクロしている以上、まさに「この時、歴史が動く」うえでの、いい参考になるかもしれません。 もう一度言います――絶妙のバランス感覚も、失わないでください。 ナショナリズムに埋没せず、ホモ=サピエンスの誇りも失わず。 (上記を大前提に、「アジアの誇り」も「大和民族の誇り」もOK! 僕にももちろん、無いわけじゃないですから。) (p.s.アレ?――確か『その時、歴史は動かなかった』んじゃなかったっけ? ……実はその辺の番組構成にも、期待しています!) (視聴後の感想は次回参照。)
エンロン社。何なんだ一体。 要するに京都議定書に対するアメリカの暴言暴挙は、全部この会社のせいだった、というのか? だが、これなら少し合点がいく。 半年ほど前のアーミテージ国務副長官の言動などは、どうにも不可解なほどサタニックだった。(キリスト教徒が多数の国家に向かって「サタン」と言っていたのだ。どれほど僕が憤慨していたか、お察し願いたい。) この「将来的な展望が全くできぬ人間がアメリカの政治中枢にいる」という恐怖感よりは、 「僕、ただの収賄スピーカーでした♪」と言われた方がまだカワイゲがあるってもんだ。 しかし。 調査は進行するんだろうが、全てが明らかになり、もしそのとおりだったとして、その後アメリカは京都議定書を受け入れるんだろうか? 「アメリカはアメリカの決めた事をします」 これじゃとてもそうは思えない。 ブッシュ大統領は世論を再び対外政策に向けるのに必死だ。 この国はいつでもそう、クリントンの時もセクハラ疑惑で空爆・空爆・空爆。 「汚れた旧世界とは違う」が聞いて呆れる、やってることは昔のヨーロッパのまんまじゃねーか。 これだけ大きなスキャンダルだと、よほど大きなドンパチをしかけなきゃあな。人殺し国家め。 でも残念ながら、 それではぐらかされる哀れな人々は、「アメリカ原理主義」にどっぷり漬かり込んだ自国民だけだ。 やめようよぉジャイア〜ン。カッコ悪いよぅ。 頼むから、ワールドカップだけは無事にやらせてくれよ。 〔2002/02/07:言い過ぎ?の表現を、一部妥当なものに変更しました。〕
ワカメちゃんの髪型と外務省ワールドの関係について書いていたら、長くなりました→ 【ワカメが『髪型』を変える時――】 (Background Music : Flipper's Guitar "Haircut 100")
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