エディターの日々

さとあみ

福島県生まれ。6歳まで暮らしていた福島で、東北弁、木登りをマスター。東北弁ペラペラ、聞き取りも得意(笑)。シンプルで心地よい暮らしをつくるべく、レッスン中。


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強風とどじゃぶりの朝とうって変わって昼前には青空。

せっかくだから・・・菜の花を摘み摘み、50分かけて家まで歩いて帰りました。

桜の下に来ると、跳ねたくなります。
3月30日





ここ2週間、お医者の書いた入院・手術診断書を見る機会がありました。

そこに至る経緯が記され、
一枚一枚が自分史のよう。


肉体あってのにんげんなんだ。

年齢が目に飛び込んできます。
・・・湧いた感情を、身体にためずに、素通りさせる。

文字づらだけを目で追って、内容は読まない、と言われる校正者の
そのやり方を試してみました。
3月29日





桜が咲きました。

冬の間ずっと楽しませてくれたユリオプス・デイジーが終わり、
昨年の秋に植えたフリージアが蕾を膨らませていたのですが、今朝、見たら開いていました。
甘い匂いが充満しています。

路地のあちこちに菜の花やかわいいカラスノエンドウを見ます。

カラスノエンドウって、昨年の今頃、Nさんから教えてもらったばかり。雑草のたぐいだけれど、名前を知ると、発見したときに、うれしくて。

引越し会社のトラックもここ連日のように目にします。

卒業、入学、転勤、入社など、新しい生活をスタートする人も多いでしょう。
春って、何かはじめたくなる季節ですね。
3月28日



目玉

ぎょ、として蓋閉めた。弁当箱の。

「卵焼き」をリクエストしたのに、 目玉焼きが入っていた。

もう一度、そっと開けてみた。
目玉がごはんの上に、どんと。
目が合った。
片隅には、皮をむいたバナナのぶつ切り。

蓋半分閉めて、食べました。

戦後か? いえいえ、文句はございません。
3月27日



おすそわけ

「Yさん!」

駅のホームで、S社のYさんにバッタリ。


お嬢さんとふたり、これから洋画を見に行くところ、という。

「あっ」と思い出し、カバンから新しい本を取り出し、
「よろしかったら、どうぞ」と差し出した。

わが編集工房でできた、中山千夏さんの「友だちの作り方〜幸せな関係を築く大人のためのトレーニング」(河出書房新社刊)。

いい本に仕上がったので、どうぞ、どうぞ。

自分ところの畑でつくった採れたての新鮮な野菜をおすそわけする、そんな気分。
著者の努力のたまものです。 3月24日


古本

30年住んでいた家を処分して、マンション暮らしをスタートさせたMさんから、新住所と電話番号の知らせが入った。

箪笥などの収納家具は処分したというMさんが、処分しきれなかったと話していたのが本。

処分した本のうちの6冊は、わたしのところにもやって来た。

明治・大正・昭和の女性の書いた生活記。昔、一緒につくった本の資料。当時、古本屋巡りをしながら集めた、と話していたので、すぐにそれだ、とわかる。

東洋文庫は、古書店の店主を呼んで引き取ってもらったそうで、5000円の値がついたという。その店主、しばらくして「高く売れたので」と言って、さらに7000円を持って来たそうだ。

どちらも本を愛する人なんだなぁ。3月22日



かもめ食堂

Kさんがよかった! といって、貸してくれたDVD「かもめ食堂」。

うん、よかった! 
3月21日春分



からっぽの入れ物

誕生死をテーマにしたテレビをみた。

あの光景を思い出した。
あれはわたしが5歳のとき。

はじめて人の死に直面した日。


Tおばちゃんの入院する病院から、母が赤ちゃんを抱いておばちゃんの家に向かうタクシーの中。

そこに、わたしも一緒にいた。


Tおばちゃんの家ではおじちゃんやみっちゃん(いとこ)やばあちゃんたちが待っている。車はそこへ向かっている。


Tおばちゃんの赤ちゃんが死んだ。

わたしのいとこ、にあたる子。

ことの事態はあまり把握できなかったけれど、
死んだことは理解できた。


誕生と死が同時に起こった。
ふつうはズレているのに。


母はふつうの赤ちゃんを抱くのと同じようにして抱っこしている。

ときどき「〜ねえ」と、何やらその子に話しかけている。

へんなの。もう、その子はそこにはいないよ、話しかけても無駄だよ。
って思ったけれど、それを口に出さなかった。


Tおばちゃんのことが気がかりだ。
「おばちゃん、知ってるの?」と聞いた。

「医者が言ってっぺ」と一言。

知ってんだ・・・。

「おばちゃん、ひとりぼっち?」

おばちゃんのそばに誰かいなければ、と思った。

いつもはおしゃべりな母が黙っているので、それ以上聞いてはいけないんだな。


「この子、おぎゃーって言った?」

「仮死だって」

「かし? おぎゃーって言ったの? 言わなかったの?」

どっちか知りたくて、もう一度聞いた。少しの時間でも生きてほしかった。

「お腹の中ではちゃんと生きったんだ」って、
不機嫌そうに言った。

じゃあ・・・。


母は、それ以上、聞くな、という感じだったし、それ以上ここで聞くと、この子にも悪い気がして、黙った。

この子がいちばんびっくりしているにちがいないもん。


母は、ときおりその子に何か話しかけている。

「触っていい?」

「いいよ」 というので、おそるおそる
赤ちゃんに触れてみる。

あったかくない。
ここにはこの子、いないんだ、と確信した。

まっ白な毛糸のかわいいベビー服を着て、
赤ちゃんの形をしているけれど、これは、からっぽの入れ物。


正直、わたしは、怖かったが、

大人たちは、怖がっていないようだった。

むしろ、みんな、まるでその子が生きているかのように扱っていた。その子が着ていた大事な服をいとおしむみたいに大切に抱いていた。


それを見て、怖いものじゃないんだ、と理解した。

それが、人の死を見た最初だった。
3月20日



咲く前

以前テレビで、染織家の志村ふくみさんが花が咲く前の桜の幹が、
艶やかできれいな色がつく、って言ってた。

花が咲いてしまってからではいい色が出せないんだそうだ。
今ごろ、かな。3月19日




使い切る

自分を使い切る、もありだ。

せっかくエントリーしているんだから。
3月17日



意志の力

「西の魔女が死んだ」(梨木香歩著・新潮文庫)を読み始める。

自分には根性という言葉で総称されるような、いわゆる持久力のたぐいが徹底的に欠けていると、まいは常日頃からひそかに認めていた。(略)

「根性という言葉は、やみくもにがんばるっていう感じがしますね。おばあちゃんが言う精神力っていうのは、正しい方向をきちんとキャッチするアンテナをしっかりと立てて、身体と心がそれをしっかり受け止めるっていう感じですね」


まいが、どうやって精神を鍛えるか、と質問すると、おばあちゃんは、
「そうね。まず、早寝早起き。食事をしっかりとり、よく運動し、規則正しい生活をする」

このおばあちゃんと「カモメ食堂」(原作=群ようこ)の主人公サチエさんって似ているみたい。

自分にとっての居心地いいやり方を知っていて、それを続ける意志の強さを持っている。自分で決めたことをたんたんとやる力。

おばあちゃんはいつも自分がそのときやるべきことが分っている。庭の草木のように確かな日々を暮らしている。それに比べてまいはいつも不安で自分のやっていることに自信がない。3月16日



メモ

「今日は死ぬのにもってこいの日」(ナンシー・ウッド)を読んだのでメモ。

わたしは醜いものを眺めながら、そこに美しいものを見る。
はるかわが家を離れていながら、故郷の友たちに合う。
うるさい音を聞きながら、その中にコマドリの歌を聞く。
人込みの中にいても、感じるのは山の静けさだ。
悲しみの冬の中にいて、思い出すのは歓びの夏。
孤独の夜にあって、感謝の昼を生きる。
3月14日



一輪あれば

このビルは、本物の観葉植物だ。気持ちいい〜。

先日はだまされた。

さんさんと日が差し込むフロアーに観葉植物。
と思いきや・・・触ってみたら、造花。

わかったとたん、気分が一気に下降した。
管理が面倒なら置かない方がマシだべ。

温もりが感じられるもんならいいの。
花一輪あれば、くつろげるのになぁ。 
3月15日



刻々

夕焼けが真っ赤できれい。目をちょっと離した隙に沈んだ。刻々と変わる。3月12日



サイクリング

天気もいいし、水鳥を眺めながら川沿いをサイクリング。

つくしを摘んだり
若いよもぎをむしったり、
してみたけれど、
ここではなぁ。

犬を散歩させている人があれだけいると・・・。



好きな場所

週末だけ駐車場の隅のベニヤ板の上に野菜が並べられている。
今日の店番は、お母さんだ。

いつも誰かしらと、楽しげに、おしゃべりしている。

「これ、何の菜の花ですか?」 漬物を指して聞いてみた。
「小松菜。とうがらし入れてピリッと漬けてあるから、細かく切ってね。ほろにがくておいしいですよ」

こんな話をすると、さぞや辺鄙なところ、と思われるかもしれないが、
近所には、たくさんのスーパー、コンビニがある。

歩いて3〜5分のところに大手チェーン店が2軒。
15分圏内には地元スーパー2軒と都内中堅スーパーが1軒、大手が1軒。
その間にコンビニが点々。
スーパーは夜10時、11時まで営業しているし、コンビニに至っては24時間営業。

都市の恩恵を存分に受けて暮らしているけど、
ついつい週末の昼間しかやっていない農家の露店に足が向いちゃう。

あと、毎週火曜だけ駅前に来る若夫婦の店も、利用する。主に千葉の市場から仕入れてきたもの。

好きなんだ。野菜のこと、話せる人のいるところ。
3月10日



西の魔女が死んだ


何か雰囲気をもった女性って思ったら、邦楽の演奏家。

盛岡の生まれの27歳。
おばあちゃんの影響で5歳から琴や三味線をはじめたのだという。

そのTさんがおもしろかったと教えてくれた本が『西の魔女が死んだ』。
「あっ、それ気になる作家さん!」。
3月9日



おにぎり

「かもめ食堂」を読んだら、サチエさんのマネして、おにぎりをにぎりたくなった。
ていねいに、そっとおにぎりをにぎってみた。
森のイスキアの佐藤初女さんを思い出した。

夕焼けがきれい。3月8日



出番

「青森の人なんだけど、お年寄りで、何を言っているんだか、わからないわー」とOさん。
「通訳いないとね」とIさん。

あら、出番?
「わたし東北弁ベラベラですよ。聞き取りもできます」


Oさんから、「東北弁って早口」と指摘され、
「そーなんですよ。寒い外気にさらさないように口を大きく開けないで一気にしゃべるからなんですよ」 と、勝手な解説をしてみた。
3月7日



啓蟄

冬に戻ったみたい。夜、冷えた。

朝から一日中、強い風びゅうびゅう。
植物たちがわさわさと揺れ動き続けていた。

夜、飛行機の音が身近に聞こえる。 雲や気圧のせいか。3月6日




甘い野菜

新婚旅行でしばらくストップしていたSくんのつくる野菜が届く。名前の隣に新妻の名が。甘い野菜に違いないわ。
3月3日ひな祭り



三大義務

国民の三大義務は?

の出題があった。あー、こういうの、むかし覚えたやつ。

教育、労働、(  )

なんだっけ。忘れた。

終わって周りの人に聞いたら、納税だって。

あー忘れたい、忘れたい。

食う、寝る、遊ぶ。がいいなあ。しかし、義務になったらやっぱり嫌だなあ。
3月2日



女性起業家

ひな祭りのひな壇、ロビーで観賞後、 女性起業家主宰の会へ。 近頃のおんな社長って、こんなにオシャレでかわいいのかあ、と、しばし観賞。

むかしは強い女性、みたいな人がそういうポジションにいたけれど、いまの起業家って、20〜30代の若さ。 清楚な白のブラウスに膝上10センチのスカートに、ふわりとしたロングヘアー。一様に、きゃしゃでフェミンな装い。

恐そうなオバさまはいない。肩パットの入った服の人もいない。 どこか力が抜けていて、自然体なのだ。

たまげた。いつの間にか世は変わった?  

いまって選択肢が多くて自由になったと思う反面、だからこそ、難しくなっているのかも、と感じる。

ゲストの質問の引き出し方もうまい。上手に聞いて上手にまとめながらリラックスできる空間をつくりあげていた。 400人が入る広い正式なレセプション会場なのにもかかわらず、親しみを感じさせる空間にしてしまっていた。

仕事だけじゃなくて、妻も母も実現、堪能しようっていう女性たち。しなやかさを身につけているんだなあ。それがいいんだなあ。素直で伸びやかだなあ。
3月1日