専門店

浅草には路地裏に入ると鰹節屋、乾物屋、刃物屋などの専門店があります。

鰹節屋に出くわしてからは、その日に削った分を200グラムずつ買っています。紙袋に入れられて手渡されるので、店の人が教えてくれた通りに、冷凍庫で保管しています。すると風味が保たれるのだそうです。

今の季節、冷やっこにみょうがをのせ、そのうえに鰹節をふりかけ、醤油をたらっとたらしたり。

きゅうりやトマト、玉ねぎに、醤油と酢、ごま油、塩、コショウであえたサラダのうえにぱらぱらと鰹節を散らしたり。 

オクラと納豆に鰹節を混ぜたり・・・。ごはんに混ぜるだけでもおいしくて、この季節はそのままの鰹節が大活躍です。

今日は豆専門店の前を通りがかりました。

3種の豆を選びました。レジ待ちの間、店の人に「この豆の産地はどこですか」と尋ねると、「これはカナダ、これはブラジル、これは中国」といいます。「全部、外国のものですか」

「日本のものは倍近い値段するんですよ。置いたとしてもお客さんは価格で選ばれますからね」と店の人。

昨年アマゾンの村を訪ねたメちゃんから、森を切り開いて牧草地となったところが、今度は豆畑になっていたという話しを聞いたばかりです。メちゃんによると、その豆の大半が日本への輸出用だそうです。

「森林伐採と私たちは無縁ではない」っていっていたメちゃんの言葉を思い出しました。

「すみません。交換していいですか」店の人に教えてもらいながら、青森、北海道、長野産のものに変えました。

甘納豆や煮豆なども並んでいます。豆の種類ごとの「煮かた」のレシピをもらいました。手書き文字をコピーしただけの紙片です。冬になったらコトコトやってみようと思います。専門店ではいろいろなことを教えてもらえます。8月16日


停電


朝、電話が止まるピピピという音が聞こえ、どうしたのかしら。受話器をとってみると不通です。水道の水も出ないし、テレビもつかない。室内の電気のすべてが消えています。唯一、いつもは消えているはずの非常用の廊下のランプだけがついています。何か不具合が生じているのかしら。

いったい何が起こっているのかわからないまま玄関に出たりして外の様子をうかがいますが、人は出ていないし、よくわかりません。1階まで降りてみると、入口で男性3人が「信号が消えているし」と話しています。そんなことってあり? 

のちにクレーン船による送電線の損傷による停電とわかりますが、夜、こんなことが起きたとしたら、大変なパニックになっていたことと思います。なんでもかんでもが電気なしには成り立たない、すっかり頼り切った暮らしをしているんだなあ、と改めて実感したできごとでした。8月14日


映画の現場

マちゃんの撮影現場を訪問しました。彼女の役は、監督さんいわく「はかなさと強さをあわせ持った・・・、この世のさまざまな境界線をフワリと超えてしまうような空気をまとった役」だそうです。

見事なチームワークで、それぞれが自分の役割をきびきびとこなしています。大勢の人がひとつのことに集中して仕事をしている。そんな空間にいると、連帯感が芽生えてくるように感じます。この感覚、文化祭みたいで、ちょっぴり憧れます。

途中からどしゃぶりの雨。激しい雨音、雷が中にも聞こえてきました。この建物のオーナーが「雨漏りするので気をつけてください」と慌てて出てきました。

そのわずか30秒後、天井からポタッ、ポタッ。スタッフが緊急措置で何十にも重ねた布地を天井にはりつけたけれど、ほどなくそれも効力をなさず、勢いよく床のバケツに水が溜まっていきます。聞けば、大正時代の建物で、増築した時の継ぎ目から漏るのだとか。

撮影中止かと、重苦しい空気が流れると、「この雨、しばらくすると通り過ぎていきますよ」と古道具屋の主人役・四谷シモンさん。ひょうひょうとした雰囲気を漂わせていて、みんなを安心させます。

舞台出身の役者さんたちって、生の声が大きいなあ。声に色気があるなあ。声にも表情があるんだなあ、体ぜんぶを使ってなりきるんだなあ。

美しい映像になりそうです。8月12日


立秋の空

夕方なのに、今日の空は、不思議な色合いをしています。夕刻とは思えない明るさです。光はだんだん黄色みを帯び、オレンジ色になり、黄金色に染まってきました。光に包まれながら、贅沢な豪華ショーを見ている気分です。刻々と変化する空を見上げながら、この空のこと早く教えてあげなくちゃ、と家まで駆け足。

すると、Gちゃんや近所のコくんが表に出て西の空を眺めていました。「キレイね〜! そうだ、写真、写真」

ほんの10分くらいでしたが、ドラマチックな空のショーを目撃できてラッキーです。8月8日