リニア彗星(Comet LINEAR C/1999
S4)
地球に接近する小惑星などを監視・捜索するアメリカのMITリンカーン研究室は、9月27日の観測で、それまで小惑星状とされていた天体が、見かけ状彗星であることに気付きました。この彗星は16等と非常に暗いものでしたが、暫定放物線軌道に基づいて計算すると2000年の7月頃地球に0.37天文単位にまで接近し、3〜4等ほどに増光し、肉眼で見える明るさになる可能性があります。
彗星は7月15日から20日にかけてもっとも明るくなり、「おおぐま座」と「やまねこ座」境界あたりから「こじし座」にかけて移動します。
この頃、彗星は周極星となっているので、一晩中楽しむことができますが、彗星がもっとも見やすいのは、もっとも高度が高くなる夕方の北西の空で、この時彗星の高度は15°ほどになります。
彗星は地球にかなり接近するので、分裂するようなことがあれば、百武彗星のような長い尾が見られるかもしれません。ただ太陽にはあまり近づかないので尾はあまり発達しないかもしれません。
20世紀最後となるかも知れない、肉眼彗星の姿をぜひ楽んでください。
2000/06/04
2000年5月中旬に再び明け方の空で検出されたリニア彗星は約11等程度まで増光していたものの、発見当初の最大光度が1〜3等に達するという予想は絶望的となった。2000年6月現在、これまでの観測からこのまま順調に増光を続けたとしても、最大光度は3〜4等程度になると予想されている。ただ彗星の光度の予想はたいへん難しく、核の分裂などがおこった場合、すばらしい尾などを見せる場合も多々あることから、必ず見ておきたい彗星であることにかわりはない。
今回、予想最大光度が下方修正されたことから、この彗星を楽しむために、充分に暗い星空の元で、双眼鏡を利用するのがよさそうです。
また情報が入りましたらこのコーナで紹介します。
また時期ごとの予報図や、最新画像なども順次アップしていく予定です。
リニア彗星の最新画像もお楽しみ下さい
小さな画像をクリックすると、大きな画像が表示されます。
画像が大きすぎて見辛い場合は ボタンをクリックして下さい。
また画像は速報性を考え、満足な処理を行えないまま掲載しています。
時間がとれしだい、処理の完成度を高めたものと入れ替える予定ですので、その点はご容赦ください。
また、このページ上の画像の無断転載は堅くお断りします。
転載を希望される方は以下のアドレスにメールでお問い合わせ下さい。
tsu@ac.mbn.or.jp
|
リニア彗星2000年7月18日の予想図

2000年7月18日20時30分頃の北北西の星空
(StellaNavigator にて作成) |
日付 |
予想全光度 |
赤経・赤緯(J2000) |
地心距離 |
日心距離 |
補足 |
2000年04月07日 |
10.4等 |
01h36.7m+25°47' |
2.847 |
1.940 |
うお座 |
2000年05月07日 |
8.5等 |
01h49.9m+28°03' |
2.443 |
1516 |
さんかく座 |
2000年06月06日 |
5.5等 |
02h06.8m+32°51' |
1.677 |
1.092 |
さんかく座 |
2000年07月06日 |
1.0等 |
03h36.9m+50°22' |
0.619 |
0.761 |
ペルセウス座〜きりん座〜おおぐま座〜しし座 |
2000年08月05日 |
2.2等 |
11h59.2m-04°49' |
0.907 |
0.803 |
おとめ座 |
2000年09月04日 |
6.2等 |
12h19.0m-16°48' |
1.890 |
1.166 |
からす座 |
|
リニア彗星を見てみたいけど、どうすればいいの?と言う方はメールでお問い合わせ下さい。
|
参考文献:文部省国立天文台ニュース |