星空を見上げてみよう

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★☆★流れ星のシャワーを体験しよう★ジャコビニ&しし座流星群がそれぞれ13年、33年ぶりに大出現★☆★

このページはめずらしい天文現象、見頃の天体など
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☆★星空を見上げてみよう・バックナンバー★☆

流星シャワーを体験しよう★しし座流星群2001特集(2001/10/01)
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りゅう座γ流星群(γDraconids Meteor Swarm)

 りゅう座γ星付近に放射点がある流星群で、毎年10月8〜9日が極大日です。この流星群は普段はほとんど出現することはありませんが、13年ごとに大出現することで有名です。(必ず出現するとはかぎりません)。過去には、1926年、1933年、1946年に大流星雨が見られ、今年、1998年にも出現の可能性があるといわれています。ジャコビニ−ジンナー彗星が母彗星なので、ジャコビニ流星群の別名もあります。
 今年の極大予想時刻は、地球がジャコビニ−ジンナー彗星の軌道面を通過する時刻である10月9日午前6時前後といわれていますが、1985年のように極大が早まると、10月9日午前3時前後になります。いずれにしても流星物質の分布のしかたはたいへん予想しがたいものなので、10月8日の夕方から10月9日の明け方まで、一晩中監視を続けるのが無難だろうと思います。
 1985年には1時間あたり約1000個、1933年、1946年にはなんと1時間あたり約10000個も出現した、りゅう座γ星流星群、あなたもぜひこの流星のシャワーを体験して見ませんか?
 筆者も、1991年〜1992年のペルセウス座γ流星群の屈辱をはらすべく(種子島に向かうべく九州自動車道を爆走中でこの世紀の天文ショーを見逃してしまった・・・・)遠征したいと思います。

1991年に大出現したペルセウス座γ流星群
1991年に大出現したペルセウス座γ流星群

[用語]

流星(流れ星) 太陽系空間に散在する宇宙塵などが地球の引力に捕らわれ大気中に突入するさい、空気との摩擦によって高温となり、発行しながら飛行する現象を言う。
流星群 毎年、同時期に活動する輻射点を同じとする流星を流星群と呼び、輻射点近くの明るい恒星の名をとって流星群名を命名する。
流星雨 放射点から大量の流星が流れる現象。ふつう大出現のピークは数時間程度と短いが、1時間に万以上のオーダーの流星が出現することもある。濃密な流星物質と地球が出会ったときに起こり、周期彗星との関係が指摘される流星群では、母彗星の回帰ごとに大出現の期待が高まる。
輻射点 流星群に属している流星のそれぞれの飛行経路を逆向きにのばすと、天球上の一点に行きつく、この点を輻射点と言う。
痕(流星痕) 明るい流星が見られた後に、時折見られる流星の痕。
母彗星 流星群の流星物質の元は、彗星が太陽に近づいたときに放出したダストの密集域だといわれている。このダストを撒き散らした彗星を「母彗星」と呼ぶ。放射点の移動などの観測からダスト塊の軌道が計算され、これに合致する母彗星の軌道が求められる。

☆★りゅう座γ流星群、涙の観測結果★☆

 10月8日夕方、私は、ヨドバシカメラ八王子店でフィルムを買いこみ、期待に胸膨らませながら、一路、富士山を目指した。もちろん、美しい富士山を前景に乱舞するりゅう流星群を写真に収める腹積もりなのだ。輻射点はこの日、北西から北の空の低空にあり、流星と富士山をうまく構図に収めるには、富士山の西臼ヶ塚か、水ヶ塚、あるいは、太郎坊が適当だろう。
 午後7時頃河口湖に到着、それまで快晴だった空だが、急に雲量が増えているような気がする。山中湖を抜けて御殿場へ向かう途中、不安は現実となり、全天を雲が覆いはじめた。御殿場側から雲が湧き出しているようにも見える。それでも、富士山と流星という構図にこだわりを捨てられなかった私は、自衛隊駐屯地近くのローソンで夜食を買いこみ、、水ヶ塚駐車場を目指した。
 太郎坊昇り口を過ぎた頃から、急に雨が振り出した。それも、大粒の雨だ。富士山の天候は変わりやすい。念のため、そして確認の意味もこめて、まず西臼ヶ塚に向かうことにした。しかし、一向に雨のやむ気配はない。西臼ヶ塚も同じような状況だ。しかたなくUターンした私は、これが低い雲であることを願いつつ、わずかに標高の高い、太郎坊に向かうことにした。というのも富士山では、下界が雨でも、新五合まで昇ると快晴で、雲海の上に広がるすばらしい星空を楽しめることが多々あるのだ。
 太郎坊に到着して雨は収まったが一向に、雲がとれる気配はない。機材の調整や、整理をしつつ0時頃までは、ここ太郎坊で様子をみることにした。極大時刻は、予想では明朝午前6時、早くて午前3時だ。
 午後9時頃だろうか、夜食を採っているとき、雲が急に取れはじめ、ぽっかりと、りゅう座の方向にだけ星空が見え始めた。と同時に輻射点近くから地平線の方向に-1等級ほどの流星が見られた。つづけて、暗い流星もひとつ。流れる方向から見て、確実にりゅう座γ群のものだ。ふたたび、雲量が増えまたたくまに星空は見えなくなってしまったが、この時間にこれほどの流星が見られるということは、明け方には、予想もしないすばらしい光景が見られるに違いない。準備を進めながら、登山道をあちこち散策し、よい構図が得られる場所を探しつつ、晴間を待つことにした。
 午後11時をまわったころだろうか、一向に晴間が見える様子もない。待ち合わせをしていた、神奈川の清水氏もどうやら、仕事が抜けられなかったのか現れない。0時を目処として撮影地を移動することを、太郎坊で知り合った神奈川の市川さんに告げ、晴間を求めて、北へと向かうことにした。
 山中湖を過ぎ、河口湖へ向かう途中、わずかに雲が残るものの、ほぼ快晴となった。やはり、富士山にまとわりつくように雲が発生していたのだ。ここから見ると、どうやら八合目付近まで覆われているようだ。車を運転しつつ、絵になる構図を記憶から探す。ここから近いのは・・「紅葉台」・・、しかし、車窓から見える北側に浮かぶ雲が気になる。ふと時計を見ると、午前0時30分。どうやら、北に行くほど天候は安定しそうだ。飛ばせば、間に合うかもしれないということで、富士山を八ヶ岳に置き換え、長野方面に向かうことにした。
 午前2時頃、長野県原村に到着した。ここは、へールボップ彗星のときにも、利用した場所だ。機材を迅速にくみ上げる。今回は、ペンタックス67と自作67カメラ、ペンタックスMXの3台で撮影を行なうことにした。一台は、池と森を背景に輻射点を、もう一台は八ヶ岳をバックにしし座付近を、残る1台は北斗七星付近に構図をとることにした。
 諏訪からきたという山本さんと雑談しながら、流星を待つが、いっこうに流れない。時間はどんどん流れ、薄明かりの時刻が近づく。散在流星さえ流れない。明け方ぎりぎりまで粘ったが、とうとう流星を見ることはできなかった。

 極大の予報がずれ、雲間から見たあの流星が、実は極大時のものだったことを知ったのは、東京へ帰ってからだった。(涙)

 結局、りゅう座γ(ジャコビニ)流星群は、予報より8時間以上も早く、8日午後9時〜11時頃に大出現し、ピーク時には肉眼で一人が1時間に50〜60個を確認できたようだ。そして午後11時を過ぎるころ、ほとんど出現は収束したらしい。

 次は、 しし座γ星流星群!こんどこそ!

☆★りゅう座γ流星群の見え方★☆

1998年10月8日午後20時00分ころの北を中心とした星空
1998年10月8日午前20時00分ころの北を中心とした星空
(StellaNavigater for Windows95により作成)
1998年10月9日午前3時00分ころの北を中心とした星空
1998年10月9日午前3時00分ころの北を中心とした星空
(StellaNavigater for Windows95により作成)

[りゅう座γ流星群を見る為のヒント]
 冒頭にも書きましたが、今年の極大予想時刻は、10月9日午前6時前後あるいは、10月9日午前3時前後といわれています。もし極大が午前6時前後であった場合は、残念ながら夜明け後ですので観測することはできません。また、午前3時頃に出現があった場合でも、残念ながら、輻射点の高度がたいへん低いため、見られる流星数は少なくなってしまうかもしれません。この点から観測場所は、緯度の高い北海道、東北地方などが良いと思われます。
 幸運にも、極大時刻がさらに早まり10月8日の夕方から夜半前にかけて出現すると、条件もよく大流星雨が見られるかもしれません。いずれにしても流星物質の分布のしかたはたいへん予想しがたいものなので、10月8日の夕方から10月9日の明け方まで、一晩中監視を続けるのが無難だろうと思います。またこの日の夜空には満月過ぎの大きな月があるために、暗い流星がみずらくなってしまうのも、残念です。下図の月齢カレンダーを参考にしてください。

新月(一晩中星空を楽しめます)新月(一晩中星空を楽しめます)
半月(上弦の月:月は夜半過ぎに沈み明け方まで星空を楽しめます)半月(上弦の月:月は夜半過ぎに沈み明け方まで星空を楽しめます)
満月(一晩中、月明かりが邪魔して星空を楽しむのは困難です)満月(一晩中、月明かりが邪魔して星空を楽しむのは困難です)
半月(下弦の月:月が昇る夜半過ぎまで星空が楽しめます)半月(下弦の月:月が昇る夜半過ぎまで星空が楽しめます)

 この流星群の輻射点のあるりゅう座γ星付近は、夕方北西の空45度ほどの高度にあり、翌日午前3時過ぎには、日周運動のため北の地平線下に沈んでしまいます。観測には、北西から北の方向を向き、ゆったりとした椅子に腰掛けたり、地面にシートをひき寝転んだりして眺めてみましょう。大出現が起これば、輻射点の方向からいくつもの明るい流星がシャワーのように流れるのが見られます。
 観測場所には、街明かりや外灯の光が直接目に入らない、星空が綺麗に見える場所を選んでくださいね。

1998年りゅう座γ流星群・月齢カレンダー

1998年10月 12日半月(下弦の月:月が昇る夜半過ぎまで星空が楽しめます)下弦の月 20日新月(一晩中星空を楽しめます)新月 28日半月(上弦の月:月は夜半過ぎに沈み明け方まで星空を楽しめます)上弦の月

りゅう座γ流星群を見てみたいけど、どうすればいいの?と言う方はメールでお問い合わせ下さい。

しし座γ流星群(γLeonids Meteor Swarm)

  しし座γ星付近に放射点がある流星群で、母彗星はテンペル・タットル彗星です。33年ごとに大出現し、流星雨が降ることで有名な流星群で、過去1799年、1833年、1866年、1966年に大流星雨が見られました。次の大出現は、1998〜1999年の11月17日頃だと予想されています。
 今年、1998年の極大予想時刻は、11月18日午前4時30分頃で、この時間の輻射点の位置は充分たかく、また月齢も新月近くと、日本での条件は来年1999年より良く、ほぼ最高と言えるでしょう。昨年の筆者の観測からも、出現のピークは短いと思われますので、できれば、11月17日の夜半前から、18日の明け方までは、監視を続けたいものです。(昨年は満月近い月の影響で3〜4時間くらいの継続時間で1時間あたり10数個の明るい流星が見られました。1時間あたり数千個という大出現の継続時間は、30分程度といわれています。)
 予想ではピーク時に1時間あたり、1000〜2000個の流星が見られるとされていますが、下の画像のように、1時間あたり10000個というまさにシャワーのような出現を見せるか、はたまた、数百個に終わるかは、当日まで誰にもわからないのです。(最悪、出現時間がずれて、夜明け後になってしまうと、日本からは見ることができません。)

1833年にアメリカで見られた大出現を記録した木版画
1833年にアメリカで見られた
大出現を記録した木版画

 

[用語]

流星(流れ星) 太陽系空間に散在する宇宙塵などが地球の引力に捕らわれ大気中に突入するさい、空気との摩擦によって高温となり、発行しながら飛行する現象を言う。
流星群 毎年、同時期に活動する輻射点を同じとする流星を流星群と呼び、輻射点近くの明るい恒星の名をとって流星群名を命名する。
流星雨 放射点から大量の流星が流れる現象。ふつう大出現のピークは数時間程度と短いが、1時間に万以上のオーダーの流星が出現することもある。濃密な流星物質と地球が出会ったときに起こり、周期彗星との関係が指摘される流星群では、母彗星の回帰ごとに大出現の期待が高まる。
輻射点 流星群に属している流星のそれぞれの飛行経路を逆向きにのばすと、天球上の一点に行きつく、この点を輻射点と言う。
痕(流星痕) 明るい流星が見られた後に、時折見られる流星の痕。
母彗星 流星群の流星物質の元は、彗星が太陽に近づいたときに放出したダストの密集域だといわれている。このダストを撒き散らした彗星を「母彗星」と呼ぶ。放射点の移動などの観測からダスト塊の軌道が計算され、これに合致する母彗星の軌道が求められる。

☆★しし座γ流星群、涙(?)の観測結果★☆

 撮影奮闘気は、現在執筆中です(^-^)もうしばらく写真のみでご容赦下さい。
 下写真に写っている-6等級の火球は、今回の出現のうちの最も明るかったもので、集まった人々を驚かせ感激させた。写真は中央下にしし座が左端に北斗七星が見えて、火球の巨大さ、明るさがわかる。

1998年11月18日午前4時ころの出現した大火球
1998年11月18日午前4時ころの出現した大火球
(ペンタックス67+SMCPフィッシュアイ35mmF4.5開放)

☆★しし座γ流星群の見え方★☆

1998年11月18日午前4時30分ころの東北東を中心とした星空
1998年11月18日午前4時30分ころの東北東を中心とした星空
(StellaNavigater for Windows95により作成)

[しし座γ流星群を見る為のヒント]

 冒頭にも書きましたが、今年の極大予想時刻は、11月18日午前4時30分頃といわれています。この時の輻射点の高度は約60度とたかく、また当日の月齢も新月近くと、ほぼ最高の条件でのぞむことができるでしょう。特別な観測機材は必要としませんが、やはり夜空が充分に暗く、星空のよくみえる郊外に出掛けてみたいものです。都心にお住まいの方でどうしても出掛けられない方は、なるべく街灯等の明かりが直接目にあたらないような場所、たとえば、公園や海辺などを探してみましょう。上図の星図を便りに東の空が開けた場所を探してみてください。この時期は寒さも厳しくなるので、防寒にも充分気をつけてくださいね。筆者も、1991年〜1992年のペルセウス座γ流星群&今年のりゅう座γ(ジャコビニ)流星群の屈辱をはらすべく遠征したいと思います。私は、流星群に見放されている感があるので(笑)みなさんは、私とは違う場所に遠征されることをおすすめします。予想はあくまでも予想で、必ず見られるとは限りませんが、運が良ければ、あなたもぜひこの流星のシャワーを体験してみてください。
 なお筆者の遠征先は、当日まで秘密です(^0^)


新月(一晩中星空を楽しめます)新月(一晩中星空を楽しめます)
半月(上弦の月:月は夜半過ぎに沈み明け方まで星空を楽しめます)半月(上弦の月:月は夜半過ぎに沈み明け方まで星空を楽しめます)
満月(一晩中、月明かりが邪魔して星空を楽しむのは困難です)満月(一晩中、月明かりが邪魔して星空を楽しむのは困難です)
半月(下弦の月:月が昇る夜半過ぎまで星空が楽しめます)半月(下弦の月:月が昇る夜半過ぎまで星空が楽しめます)

1998年しし座γ流星群・月齢カレンダー

1998年11月 4日満月(一晩中、月明かりが邪魔して星空を楽しむのは困難です)満月 11日半月(下弦の月:月が昇る夜半過ぎまで星空が楽しめます)下弦の月 19日新月(一晩中星空を楽しめます)新月 27日半月(上弦の月:月は夜半過ぎに沈み明け方まで星空を楽しめます)上弦の月

しし座γ流星群を見てみたいけど、どうすればいいの?と言う方はメールでお問い合わせ下さい。

 

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