開放廊下って何ですか

60%が開放廊下型校舎

 廊下に窓のない校舎が、吹田市では全体の60%を占めています。全国的には、絶対的に少数派の学校建築で大阪府下ではお隣の摂津市にも見られます。
 一般的な閉鎖型の校舎は、千里ニュータウンに多く見られますが、名神高速道路や中央環状線に隣接して立地する学校も閉鎖型になっています。
 冬は寒くトイレに行くのも震え上がる、雨の日には雨が吹き込むと気象条件の変化を直に受ける問題点が指摘されています。
  なぜ、このような珍しい校舎が吹田市に多いのかを考えると、敷地面積の狭さをカバーするためのようです。

 



吹田 岸部第二小学校 管理棟校舎北側廊下

雨の日は危険です


 雨が降ると、廊下は半分以上が吹き込む雨のために濡れてしまいます。冬の雪の日や寒い日には、廊下が凍結して転倒する危険があります。
 ある中学校では、生徒が転倒して頭部を打ち救急車を要請する事故も発生しています。

 

  写真右 東佐井寺小学校4階



メリットはあるのか

1 建築費が安くあがる

2 火災の時の煙が安心

3 掃除の埃が外部に出る

 

 あまり積極的なメリットとは言えませんが、左のようなものがあるでしょう。ただ、学校建築の歴史の流れを考えると、珍しい校舎建築としてあつかわれています。
 どちらかといえば、全国的な傾向の中では、圧倒的少数派であり、新しい学校建築の流れでも開放廊下校舎は見あたりません。枚方市では、一部にあった開放廊下校舎を解消する改善工事を行っています

「開かれた学校」の理念に逆行する開放廊下のデメリット

 開放廊下は、気象条件の変化を受けやすく、大気汚染の影響などをもろに受けます。

 外部騒音の影響、内装の汚染、設備の劣化が早い等の問題点があります。
 一番大切なことは、現場教育に携わる教諭から、冬などに教室内部と外部の温度変化がありすぎて子ども達にとっても、働く大人にとっても快適な環境とは決して言えないという指摘です
 下足ホールで靴をスリッパに履き替えた来客が、寒風に吹き曝されながら職員室まで歩きながら不思議な顔をしたり、授業参観で訪れた父兄が寒い外から授業風景を覗く姿は、「開かれた学校 」の理念とは逆行する施設条件だと言えます。



開放廊下のコンクリートの腰壁を撤去し、アルミ製サッシで覆う改良工事を行いました。

枚方市立殿一小学校 

     

 

   
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