優れた基本的な計画の学校は、レイアウトだけでなく天井に明かり取り窓のある教室や独立性の強い下駄
履き校舎といった他には見られないヨーロッパ的な特徴もありましたが、建物・設備のグレードは、Pタイルに見られるような標準的なものでした。独創性あふれる学校教育施設を維持管理するには、その水準に合わせた適切なリフレッシュ計画を系統的に実施しなければなりません。しかし、1987年から1992年にかけて行われた大規模改造工事も、少ない予算を広い部分に使おうとしたため屋根、外壁以外は、改修が不徹底でした。
(大規模改造工事で使われた予算)
創立40年を迎える学校があるにも関わらず、鉄製サッシの窓・ドアは交換されないまま、塗装をしただけの箇所はスムーズに動かなかったりすぐに外れたりするなど、日常の使用に問題がある状態ですが、そのような部分は全体の60%を超えています。
設備の老朽化だけでなく、建物の老朽化も深刻で、コンクリート駆体の亀裂、表面 の剥離、モルタル左官部分の浮きといった現象が急激な進行を見せ、落下箇所が多く確認され危険なレベルになっています。
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