2次元ユークリッド距離の性質:トピック一覧

  ・性質1/性質2/性質3 
  ・性質4:ユークリッド距離の2乗/性質5:ユークリッド距離とマンハッタン距離の大小関係  
  ※関連ページ: 距離空間(R2,d)/n次元ユークリッド距離の性質
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2次元ユークリッド距離の性質(1)

   [志賀『位相への30講』第13講(pp.91-2): n次元;矢野『距離空間と位相構造』例1.9(p.12);
    吹田新保『理工系の微分積分学p.155-6; 杉浦『解析入門I』1章§4定理4.5-1(p.38):n次元; 
    神谷浦井『経済学のための数学入門』定理4.3.1(p.138) :n次元; ]

平面R2上の任意の点Q(x',y'),P(x,y)間のユークリッド距離 
(x'x)2 +(y'y)2  

は、次の不等式をいつでも満たす。




|x'x| ≦ 
(x'x)2 +(y'y)2  
   
 ※なぜ?→証明 
 ※利用例:点列{Pi}={(xi,yi)}の収束と数列{xi}{yi}の収束が同値となることの証明 

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2次元ユークリッド距離の性質(2)

   [志賀『位相への30講』第13講(pp.91-2): n次元;矢野『距離空間と位相構造』例1.9(p.12);
    吹田新保『理工系の微分積分学p.155-6; 杉浦『解析入門I』1章§4定理4.5-1(p.38):n次元; 
    神谷浦井『経済学のための数学入門』定理4.3.1(p.138) :n次元; ]


平面R2上の任意の点Q(x',y'),P(x,y)間のユークリッド距離 
(x'x)2 +(y'y)2  

は、次の不等式をいつでも満たす。




|y'y| ≦ 
(x'x)2 +(y'y)2  

 ※なぜ?→証明 
 ※利用例:点列{Pi}={(xi,yi)}の収束と数列{xi}{yi}の収束が同値となることの証明 


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2次元ユークリッド距離の性質(3)

   [志賀『位相への30講』第13講(pp.91-2):n次元;矢野『距離空間と位相構造』例1.9(p.12);]

平面R2上の任意の点Q(x',y'),P(x,y)間のユークリッド距離 
(x'x)2 +(y'y)2  

は、次の不等式をいつでも満たす。





(x'x)2 +(y'y)2  ≦
 Max|x'x|,|y'y|

 ただし、Max ( |x'−x| , | y'−y | )は、「|x'−x||y'−y|のうち、大きいほうの値」を表す。
    つまり、
      (ケース1) |x−x||y'−y|ならば、


(x'x)2 +(y'y)2  ≦
 |y'y|
           
      (ケース2) |x−x||y'−y|ならば、


(x'x)2 +(y'y)2  ≦
 |x'x|

 ※なぜ?→証明 
 ※利用例:点列{Pi}={(xi,yi)}の収束と数列{xi}{yi}の収束が同値となることの証明  


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2次元ユークリッド距離の性質(4) 2次元ユークリッド距離の二乗

                 [杉浦『解析入門I』1章§4定理4.5-1(p.38):n次元;]

平面R2上の任意の点Q(x',y'),P(x,y)間のユークリッド距離  
(x'x)2 +(y'y)2  

は、次の不等式をいつでも満たす。




{d(Q,P) }2 =(

) 2 |x'x|2+|y'y|2


(x'x)2 +(y'y)2

 ※なぜ?→証明 
 ※利用例:点列{Pi}={(xi,yi)}の収束と数列{xi}{yi}の収束が同値となることの証明 


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2次元ユークリッド距離の性質(5) 2次元ユークリッド距離とマンハッタン距離の大小関係

   [神谷浦井『経済学のための数学入門』定理4.3.1(p.138) :n次元;吹田新保『理工系の微分積分学』p.155-6 ]

平面R2上の任意の点Q(x',y'),P(x,y)間のユークリッド距離 
(x'x)2 +(y'y)2  

は、次の不等式をいつでも満たす。





(x'x)2 +(y'y)2  ≦ |x'x|+|y'y|  
   
 ※なぜ?→証明 
 ※利用例:点列{Pi}={(xi,yi)}の収束と数列{xi}{yi}の収束が同値となることの証明   


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[2次元ユークリッド距離の性質(1)の証明]


|x'x| ≦ 
(x'x)2   ∵絶対値の性質  


≦ 
(x'x)2 +(y'y)2   ∵ (y'y)2≧0だから(x'x)2≦(x'x)2+(y'y)2であり、 
                          また、ベキ関数の性質より

 f(t)
t t1/2
                            は、t≧0で単調増加


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[2次元ユークリッド距離の性質(2)の証明]


|y'y| ≦ 
(y'y)2   ∵絶対値の性質  


≦ 
(x'x)2 +(y'y)2   ∵ (x'x)2≧0だから(y'y)2≦(x'x)2+(y'y)2であり、 
                          また、ベキ関数の性質より

 f(t)
t t1/2
                            は、t≧0で単調増加



戻る
 
[2次元ユークリッド距離の性質(3)の証明]
|x'−x||y'−y|となるケースと、|x'−x||y'−y|となるケースに分けて考えることにする。
(ケース1) |x'−x||y'−y|となるケース


(x'x)2 +(y'y)2  ≦
(y'y)2 +(y'y)2 |x'−x||y'−y|より、(x'−x)2≦(y'−y)2 だから、 






  (x'−x)2+(y'−y)2≦(y'−y)2+(y'−y)2 であり、  
   また、ベキ関数の性質より

 f(t)
t t1/2
                                は、t≧0で単調増加

 =
2(y'y)2


 =

 

(y'y)2


 =  |y'y|  ∵絶対値の性質


 =  Max|x'x|,|y'y|
                        ∵ここでは|x'−x||y'−y|となるケースのみを考えているから、
                             Max ( |x'−x|, |y'−y| )=|y'−y| 

(ケース2) |x'−x||y'−y|となるケース


(x'x)2 +(y'y)2  ≦
(x'x)2 +(x'x)2 |x'−x||y'−y|より、(x'−x)2≧(y'−y)2 だから、 






  (x'−x)2+(y'−y)2≦(x'x)2 +(x'x)2 であり、  
   また、ベキ関数の性質より

 f(t)
t t1/2
                                は、t≧0で単調増加

 =
2(x'−x)2


 =

 

(x'−x)2


 =  |x'x|  ∵絶対値の性質


 =  Max|x'x|,|y'y|
                        ∵ここでは、|x'−x||y'−y|となるケースのみを考えているから、
                             Max ( |x'−x|, |y'−y| )=|x'−x| 
以上から、
|x'−x||y'−y|となっても、|x'−x||y'−y|となっても、


(x'x)2 +(y'y)2  ≦
 Max|x'x|,|y'y|


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[2次元ユークリッド距離の性質(4)の証明]

{d(Q,P) }2 =(

) 2 =(x'x)2 +(y'y)2|x'x|2+|y'y|2  ∵絶対値の性質   


(x'x)2 +(y'y)2


[2次元ユークリッド距離の性質(5)の証明]


(x'x)2 +(y'y)2  ≦ |x'x|+|y'y|  
  を示すには、左辺≧0かつ右辺≧0だから、(左辺の2乗)≧(右辺の2乗)を示したのでよい。
                [吉田ほか『高等学校数学I』(啓林館) 4章式と証明-3.不等式の証明(p.103).] 
左辺の2乗=|x'−x|2|y'−y|2 ∵(4) 
右辺の2乗=(|x'−x||y'−y|)2
     =|x'−x|2|y'−y|2+2|x'−x||y'−y|  
2|x'−x||y'−y|≧0だから(∵絶対値の性質)、
左辺の2乗≦右辺の2乗。



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