3.  収束数列は有界

収束する数列有界数列である。
 すなわち、 anα(n∞)  (M) ( |an|<M)


・逆に、有界数列が、収束するとは限らない。  

・対偶:有界でない数列は、収束しない。
    →発散の定義[; 杉浦『解析入門I』定義2,p.18]

  cf. 定理:有界な単調数列は収束する
    ボルツァノ・ワイエルストラスの定理:有界な数列は収束部分列を含む






[文献]
 ・吹田・新保『理工系の微分積分学』定理1 (2),p.7
 ・杉浦『解析入門I』命題2.4,p.13
 ・松坂『解析入門1』2.1-C-定理2(p.61)
 ・黒田『微分積分学』§2.5.2定理2.6(p.46
 ・赤『実数論講義』定理5.2.3(p.121):証明付
 ・高木『解析概論』定理4(p.6)
 ・細井『はじめて学ぶイプシロン・デルタ』5章定理5.5(p.45):証明付。
 ・青本『微分と積分1』命題1.23(p.18)
 ・小平『解析入門I』§1.5-a末尾(p.37)
 ・永倉・宮岡『解析演習ハンドブッ ク[1変数関数編]』3.1.5(p.91)


 
 

 


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総目次

証明「 収束数列は有界」

  anα(n∞)とする。
  収束の定義から、
   任意の(どんな小さな)正の実数εに対して(でも)、
   ある(十分大きな)自然数Nをとると、
   | an −α|<ε (nN)   …(※) 
   が成り立つ。  
  
  各nに対して、
     | an |=| (an −α)+α|
       ≦|an −α||α|  (∵絶対値の性質 |x+y|≦|x|+|y| )
       <  ε  + |α|    ∵ (※)  
  (以下、釈然としないが)
  全てのnN にたいして、
     とおけば、
     | an |
   ※なぜ、1≦KNの範囲における|ak|の最大値を、
         nの範囲における|ak|の上界 (ε+ |α|)に、
    足し合わせるのか?
    大きくとれば、その範囲内にあるのは、わかるが、枠が大きすぎるというか。
    ゆるゆるの枠でも、枠内に収まるのであれば、証明したことになるのはわかるけれども。