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定理:ロールRolleの定理  

関数y=f(x)閉区間[a,b]連続開区間(a,b)微分可能とする(区間の端点では微分可能でなくてもよい)
このとき、
f(a)=f(b) ならばf '(c) =0をみたすc開区間(a,b)内に少なくとも一つ存在する。
(解釈) 閉区間[a,b]連続開区間(a,b)微分可能な関数y=f(x)を考えると、
      
x軸と平行な接線をひける点が開区間(a,b)内に少なくとも一つ存在する。
(注意) 以下の証明を見れば分かるように、開区間(a,b)微分可能でないなら、結論はかわってくる。 

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(ロールの定理の証明)
[矢野田代『社会科学者のための…pp.76-77;吹田新保『理工系の…pp.43-44;和達『微分積分pp.54-55.]
証明のあらすじ
 (i) f(x)閉区間[a,b]で一定である場合 :つねにf ' (c) =0だと示す。
 
(ii) f(x)閉区間[a,b]で一定でない場合  
  
(a) 最大値f(a)=f(b)と異なる場合:最大値のところでf ' (c) =0になることを示す。
  
(b) 最大値f(a)=f(b)と同じだが最小値f(a)=f(b)と異なる場合:
                       
最大値のところでf ' (c) =0になることを示す。
本題
 
(i) f(x)閉区間[a,b]で一定である場合
   
閉区間[a,b]で常に f ' (x) =0 
   ゆえに、
任意c(a,b) について、f ' (c) =0 
 
(ii) f(x)[a,b]で一定でない場合  
    仮定:関数
y=f(x)閉区間[a,b]連続より、  
    
最大値・最小値定理より閉区間[a,b]最大値最小値が存在し、  
    その少なくとも一方は
f(a)=f(b)と異なる。

   (a)最大値f(a)=f(b)と異なる場合 
     その
最大値(複数の点で相等しい最大値をとる場合はその内の一つ)を、
        
c(a,b) におけるf (c) 
     とおくと、
        
f ' (c) =0  
     となり、少なくとも
最大値のところでf ' (c) =0となることを示す。
    (仮定)
     ・
y=f(x)(a,b)微分可能  …(1)  
     ・
f (c)閉区間[a,b]での最大値   …(2)  
     
(本論)
     ・(2)より、任意x [a,b]に対して、f(x)f (c) 
      すなわち、
任意x [a,b]に対して、f(x)f (c)0 
      すると、
      
x = cにおける左微分係数: 
         

                 ∵
f(x)f (c)0x c <0 
      
x = cにおける右微分係数:  
         
 
                 ∵
f(x)f (c)0x c >0 
      
(1)より、y=f(x)任意c(a,b)微分可能であるから、
      
x = cにおける微分係数f ' (c)f ' (c)f ' (c+0) 
      よって、
f ' (c) =0 
   
(b)最大値f(a)=f(b)と同じだが最小値f(a)=f(b)と異なる場合
     その
最小値(複数の点で相等しい最小値をとる場合はその内の一つ)を、

        c(a,b) におけるf (c) 
     とおくと、
       
f ' (c) =0
     となり、少なくとも最小値のところでf ' (c) =0となることを示す。
    (仮定)
     ・
y=f(x)(a,b)微分可能  …(1) 
     ・
f (c)閉区間[a,b]での最小値   …(2) 
     
(本論)
     ・(2)より、任意x [a,b]に対して、f(x)f (c) 
      すなわち、
任意x [a,b]に対して、f(x)f (c)0 
      すると、
      
x = cにおける左微分係数: 
         

                 ∵
f(x)f (c)0x c <0
      
x = cにおける右微分係数: 
         

                 ∵
f(x)f (c)0x c >0
      
(1)より、y=f(x)任意c(a,b)微分可能であるから、
      
x = cにおける微分係数f ' (c)f ' (c)f ' (c+0)
      よって、
f ' (c) =0 

[yahoo]

 

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