ニュージーランド
旅行記
■ さらば、ニュージーランド
10/15(日)
■ クライストチャーチをあとに
ついにニュージーランドを去る日。5時半に起き、準備をする。廊下の窓から朝焼けがきれいに見えた。ロビーで待っている間、あでりーは外の景色を撮影に行く。しばらくすると、あでりーが外からガラス越しに何かを言っているので、外に出てみた。聞けば、僕らの乗るはずの29番のバスが今、行ったところらしい。バスは定刻からずれるかもしれないが、まさか7時9分発が30分ほど前に出てしまうはずはない。とりあえず二人して中に戻ろうとすると、宿の玄関が開かない。どうやら早朝の時間帯はロックがかかっており、キーカードがないと入れないようだ。カードは既に返却済みで手元にない。一瞬焦ったが、中に男性がいたので、入りたい旨をジェスチャーで伝えると、なんとか開けてもらえた。

窓からの朝の景色

宿の食堂

宿のロビー
7時前に宿を出発し、すぐ近くのバス停まで歩く。電動掲示板をあでりーが確認すると、7時9分発は見当たらず、29番のバスはあと40分ほどで出ると表示されている。ならば、時刻表が間違っているか変更になったのか。7時9分を過ぎてもバスは一向に現れない。そもそも、バスの時刻表は3列ほど表示がしてあって、「Airport」と書かれた列が該当すると思うのだが、それなら残り2列が表示されている意味はなんだろう。別方面行きならばそのバスが来るはずなのに。

とりあえず、電動表示板の通りにバスが来ているので、おとなしく待とうということで落ち着いた。待ちながら考えて、ようやくわかった。バス停に来る時刻は、3列のうち一番左の「Bus Interchange」という列で、他の列は、途中地点と最終地点の到着時刻だ。たとえば「6:43 6:55 7:09」と3列に並んでいたとすると、このバス停に来るのは6:43で、途中の地点(列の最上段に記載)に6:55に着き、最終地点(これも最上段に記載)に7:09に到着するという意味だ。これですべて納得できた。

そしてバスは電動掲示板の通りにやってきた。直前にニュージーランド人ご夫婦が声をかけてくれて、同じく空港に行くことがわかり、さらに安心することができた。座席に座り、最後のニュージーランドの街並みを車窓から眺める。レンタカーで昨日通った記憶が、微かによみがえる。

空港には30分ほどで着いた。最初にここに到着した時の光景を懐かしく思い出しつつ、チェックインカウンターに向かう。荷物の重量をチェックする機械があったので、23kgを超えていないことを確認した。

今日はこれからオークランドまでのチェックインをし、オークランドに着いたら荷物を受け取って国際空港まで移動し、日本までのチェックインをおこなう、という煩雑な手続きをこなさねばらならない。オークランドでの乗り換えが2時間半ほどと短く、気が抜けない。チェックインの機械があったので予約番号を入力するが、スタッフに確認して下さいという旨の紙が出てきた。これをスタッフに渡すと、チェックイン手続きをしてくれた。ここではオークランドまでのチェックインだけかと思っていたら、名古屋まで全てのフライトのチェックインが完了し、スーツケースも名古屋まで運んでくれるらしい。これで手間がかなり省けるので、とても助かった。また、強風のためというような理由でよく聞き取れなかったが、11:00発の便を10:00発にしてくれるとのことで、喜んでお願いする。

スーツケースを預け入れ、身軽になってほっとする。周辺の店を覗きながら搭乗口に向かう。時刻どおりに飛び立ち、まずは南島に別れを告げた。昨日からの強風のためか、途中でかなり揺れたが、オークランド国内空港に到着。
■ オークランドで乗り継ぎ
国際空港に移動するためのバス乗り場に行く。一度、別のバスと間違えてしまったが、あらためて記憶にあった緑色のバスに乗り、国際空港に到着。念のため、荷物をここで本当にピックアップしないでいいかどうか、スタッフに確認する。同じ問い合わせが多いのか、すぐに承知してくれて、システムで調べてもらうと、ご安心ください、荷物は名古屋で受け取ることができます、との返事。これで一つ安心できた。スタッフは、17番の搭乗ゲートは遠いので、今すぐに行ったほうがいい、と勧めてくれる。ただ、14:10搭乗開始で今は11時半なので、まずは昼食にする。日本料理店やファストフードが並んでいるが、それほどがっつり食べるつもりはないため、カフェに入り、フラットホワイトとチキンサラダ、スコーンを注文。きちんと温めてくれたスコーンは、オレンジとサルタナレーズン入りで、甘さはさほどでもないため、食事用でもデザートでもいける。チキンサラダもおいしく、パールクスクスという、変わった食感のクスクスを初めて食べたがなかなか良かった。フラットホワイトは濃いめの味だが、やはり定番のうまさだ。しっかり食べて満足してから、出国ゲートに向かう。

入国は厳しかったので出国はどうかと思っていたら、パスポートスキャンだけですぐに終わる。荷物チェックも無事に済ませると、もう懸案事項はなくなった。その後、ゆっくり免税店を覗きながら歩く。僕はトゥイのぬいぐるみを探していたがいいものが見つからず、代わりにやさぐれたプケコの木彫り細工があり、ぶさかわいさに惹かれて購入した。13NZDと、値段も意外に安い。あでりーいわく、ニュージーランド北島名産のカオリツリーで作ってあるのではないか、とのこと。たしかに、かなり軽くて丈夫そうな木だ。その後、チョコバーやお菓子を買い、これで、あでりーがおみやげ用に持ち帰る5ドル札をのぞけば、ちょうどニュージーランドドルがきれいになくなった。

そして香港行きも定刻に飛び立った。
さらばニュージーランド!
ぜひまた訪れたくなる、素晴らしいところだった。

席は窓側3列の通路側2席で、窓際の席に誰も来ないといいなあと思っていたら、本当に来なかった! これで1席を荷物置き場にしてゆったりと過ごせる。行きと同じく、搭乗するなりお水を一本もらう。香港まで11時間半ほどのフライトなので、スリッパに履き替え、本を出す。今回は本をなるべく読みたいと思っていた。

ドリンクは、2種類のビールを注文し、少しずつ飲んであとはあでりーに任せる。食事は、もらったメニュー表から、ビーフのクスクスとシーフードカレーを選択。どちらも行きと同じく、なかなか美味しい。デザートのケーキをコーヒーと共にいただきつつ、たくさんある映画の中から、インディ・ジョーンズの最新作を半分ほど見る。その後は、本を読んだりゲームをしたり寝たりしつつ過ごす。二回目の機内食はラムとヌードル。ラムはさすがにおいしく、ヌードルは行きと同じまあまあのクオリティ。デザートのパッションフルーツチーズケーキを残しているのに、強風による揺れのせいで、食後のコーヒーがなかなか来ない。しかたなく、CAさんに頼んでコーヒーを二つ持ってきてもらう。ゆっくりコーヒーを飲みながら食後のデザートを楽しむ。行きは胃痛のせいでコーヒーが飲めなかったので、存分に味わう。映画の残り半分を見たが、想像していたよりずっと面白かった。最後はまた本を読んだりゲームをしたりして過ごしていると、いつの間にか着陸していた。

ビーフのクスクス

シーフードカレー

ラム料理

ヌードル料理
■ 帰国
21時過ぎに香港に到着した。ここでは13時間ほどの乗り継ぎ時間があり、夜から朝までをどこかで過ごす必要があった。これが最後の懸案事項だった。さらにトランジットの際には水を没収されてしまうため、トランジットのゲートの向こうで深夜に水を買えるかどうかが怪しい。そのためトランジット前のスペースで休むところが必要だった。歩いていくと、ちょうどいいベンチがあったので、そこで休むことにする。座席の間にひじ掛けがあるが、その隙間に足を入れればなんとか足を延ばして横になれる。トイレが近くにあるのも都合がよい。動く歩道の機械音や、たまに歩いたり腰掛けたりする人の声や足音が響くが、なんとか二人とも細切れながら眠ることができた。

~ ここからは翌10月16日 ~

5時頃に起き出し、二人して日記を書く。その後、7時過ぎにトランジットのゲートに向かう。水は空のペットボトルだけなら持っていけるかと思っていたが、どうやらだめらしく、手前で捨てる。トランジットは問題なく通過できた。レストラン街を歩き、お粥くらいなら食べられるかと思っていたら、値段がかなり高く、さほど美味しそうでもないので、やめにする。水を1本だけ買い、搭乗ゲートに向かう。

名古屋へ戻る便なので、周辺のあちこちから日本語が聞こえてくる。ロンドンへのパックツアー客らしき一団が旅の思い出話をしていて、つい聞き入ってしまった。予定時刻を過ぎてもアナウンスはなく、30分ほど過ぎたところでようやく搭乗開始。乗客が既に長い列を作っているので、座席に座って待ち、最後尾につく。

これで最後の4時間ほどを過ごす。映画が一本見られるかもと思い、短い作品で興味のあった、『私ときどきレッサーパンダ』を見る。あでりーが少し調子を崩している感じだったが、機内食を食べると元気になった。副菜として茶そばがついており、フルーツはいつも通り美味しい。前の食事から時間がたっているので、しっかり食べたあと、デザートに持ち込んだ黒パン、チョコ、ナッツなどをおともにコーヒーを頂く。

そして映画を最後まで見終えたあと、無事にセントレアに到着した。出発は30分遅れたのに、到着は予定どおりだった。


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