ニュージーランド
旅行記
■ 南の果ての町
10/1(日)
■ 長距離バスに揺られて
早朝のバスに乗るため、6時前に起きた。まだ体の疲れが取りきれていないが、がんばってバス乗り場まで歩く。朝焼けの光景が美しく、早朝の空気が気持ちいい。

泊まった宿「アーバンズ」

美しい朝焼け
バス停はほどなく見つかり、しばらく待っているとバスがやってきた。スーツケースを預け、乗り込む。バスが動き出し、景色が変わっていくと、がぜん旅行気分が盛り上がってきた。車窓からビデオを撮り続ける。

バスは街中を走り、途中で何度か乗客を乗せているので、なかなか先へ進まない。あでりーは21年前にも乗ったことがあるが、これほど頻繁に停まった記憶はないらしかった。

それでも郊外に出ると一気に景色が開け、大草原に羊の群れという、いかにもニュージーランドらしい風景が広がっていく。途中、運転手が何度かアナウンスをするのだが、英語がほとんど聞き取れない。なにかをしきりに謝っているのだが、運転手が謝るといえば到着時刻が遅れることくらいなので、必死で聞き取ろうするもわからない。トイレ休憩もいつあるのかと不安になる。

ガイドブックによると2時間おきくらいに休憩するらしいのだが、2時間を過ぎても停まる気配がない。あでりーは目が痛いらしく目を閉じており、途中からは二席を使って横になっていた。僕は途中で前の席の女性に、次のトイレ休憩はいつあるのか、知っているかと尋ねた。彼女は、あと10分よ、と教えてくれた。

確かに10分ほど過ぎたあたりでティマルという町に入り、そこでトイレ休憩となった。手早くトイレを済ませ、バスに戻る。1時間ほど走ると今度は食事休憩となった。30分ほど時間があるので、乗客は近くのカフェに入っていく。僕もあでりーもそこまで食欲がないので、近くのベンチに座り、持ってきたものを食べる。バナナ、サラダ、パン。昨日買って宿で淹れてきたフルーツティーがすごくおいしい。胃の調子はさらによくなり、しっかり食べることができた。あでりーもかなり復活したようだ。近くにカモメがやってきたので、パンを投げると食べていた。2種類のカモメがいて、上下関係がはっきりしていて面白い。

近くに海岸があったが、そちらに行く時間はない。トイレを済ませ、バスに戻る。さきほどの座席には別の客が乗っており、僕とあでりーは通路をはさんだ席に陣取る。バスはほぼ定刻どおりに進み、14時前にダニーデンに到着。

ダニーデンのバス発着所

ダニーデンの街並み
朝は寒かったが、今は気温が上がり、たっぷり着込んだ体はかなり暑くなっている。同じバス停で待ち、トイレ休憩を済ませると、次のバスに乗り込む。あでりーは体調が戻ったようで、写真を撮ったり、一緒に景色を見て会話を楽しむことができた。

バスからの景色
途中のトイレ休憩では、バス停近くにあるカフェに乗客そろって入る。店のトイレを使うため、カプチーノを一つだけ頼んだ。久しぶりに飲んだコーヒーは美味しく、これでまた一つ、胃の調子が回復している実感を得た。店には「KOMBUCHA」というペットボトルが売っていて、「昆布茶か!」と驚くも、その先で同じペットボトルは何度も見かけた。

休憩所近辺の景色
■ インバーカーギル到着
18時20分、ついにインバーカーギルに到着。ニュージーランド南島の、南の果ての町だ。バスを降り、スマホを取り出す。道中、今日の宿のホストから、到着時刻を知らせてほしいとメッセージが入っていたため、およその時刻を計算し、返事をした。

途中で夕食の食材があれば買おうと思い、店を覗きながら歩くが、日曜日なのでほとんど店が閉まっている。アジア食材店で水の値段を訊くが、高いので買わずに店を出る。

クライストチャーチでも行った「PAK’N SAVE」があったので入る。水やサラダ野菜、フルーツなどを購入し、宿に向かう。少し迷いながら、なんとか到着。人当たりのよい男性ホストが優しく迎えてくれた。

部屋は二段ベッド一つとシングルベッド一つで、悪くない。ただ、トイレとシャワーが屋外にある。荷物を置いてからホストのところに行き、バーナー用のガスを売っている店を訊き、「warehouse」というホームセンターを教えてもらう。さらに、鳥の図鑑があればほしいと思っていたので書店の場所を訊くと、それも同じ店にあるという。さらに彼は、今から行くなら車に乗せてってあげるよと言ってくれたので、ありがたくお受けする。やや離れた場所にあるので、片道だけでも乗せてもらえればすごく助かる。

道中、彼は自分がマレーシア人で、日本には仕事で行ったことがある、と話してくれた。東京、大阪、京都あたりを訪れたらしい。ネイティブの英語は聞き取りづらいが、ニュージーランド外の人の話す英語はたどたどしい分、聞きやすい。日本の印象を尋ねると、「忙しかったよ」と笑っていた。

店に着き、笑顔でホストと別れる。若い店員にガスの場所を訊き、めでたく購入する。書店はこの近くにあるのかと思い、同じ店員に訊くと、この店の中にあるという。行ってみると、確かに本が置いてあり、動物関連の本も意外にたくさんあったが、鳥の図鑑はなかった。

店を出て、宿に戻る方向へ向かう。レストランに入るか、何かをテイクアウトするつもりだったが、なかなか良さそうなところがない。開いているレストランはあるのだが、かなり料金が高く、それだったらさっきの「PAK’N SAVE」で何か買って宿で食べよう、という運びになった。

トマトとバジルのラップサンド、チキンサラダなどを購入し、宿のキッチンに赴く。クライストチャーチよりも先客は少なく、ドイツ人の若者3人くらいしかいない。サラダチキンにスプラウト、ニンジンを混ぜ、買ってきたものと一緒にいただく。チキンサラダが意外においしく、量もあったので満足した。食後、日本から持ってきたノンカフェインコーヒーのドリップパックを淹れ、僕が欲しくて買ったキャロットケーキを頂く。久しぶりにしっかり飲むコーヒーが美味しい。キャロットケーキは、上に乗った甘い部分はよけ、スポンジ部分だけを食べた。しっかり食べることができて満足。

21時過ぎになっていたので、食後、交代でシャワーを浴びる。宿泊客しか知らないコードを入れるとお湯が出る仕組みで、湯温、水圧ともに問題なく快適に使えた。日記を書く元気はないのであきらめ、早めに就寝。夜中、一度トイレのため外に出たが、思ったほど寒くはなかった。

本日の夕食

食後のデザート
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