ニュージーランド
旅行記
10/4(水)
10/10(火)
 
■ オタゴ半島を巡る
10/10(火)
■ 再びのレンタカー
空港へのシャトルサービスは9時45分集合なので、ゆっくりと支度をする。僕はたまっていた洗濯をようやく片付けることができた。宿のすぐそばにあるビジターセンターまで歩く。パンフレットなどをゆっくり見て待つつもりだったが、いきなりスタッフから声をかけられた。まだ9時半だが、もう空港に向かうらしい。くわえて、他の乗客もピックアップするから30分ほど待つ、と言われていたのに、僕ら二人だけを乗せて車は出発した。もしかしたら地元のタクシーと提携しているのかもしれない。昨日、インターシティのバスで通った同じ道を走る。道中、僕はケニアで遭ったのと同じ詐欺ではないかと心配したが、杞憂だった。無事に空港に到着し、笑顔でスタッフと別れる。

まだ10時すぎで、レンタカーの予約は12時だ。時間があるので、朝あでりーが準備してくれた弁当を食べることにする。空港内に入り、二階のベンチに陣取る。前日に買ったチキンサンドを半分ずつと、サラダ。今日もしっかり美味しいランチだ。ゆっくりといただく。

11時過ぎ、ベンチから腰を上げ、レンタカーのオフィスに向かう。途中のカフェでコーヒーのロングを買うと、カップが二重にしてあった。あでりーは、キガシラペンギンのポスターのあたりで写真を撮っている。バゲージクレームにキガシラの模型(または、はく製)があったので、それも撮影する。

レンタカーのオフィスに着いたが、スタッフがいない。まだ12時前だからかと思っていたら、奥から男性が出てきて応対してくれた。とても聞き取りやすい英語で、保険についても説明してくれた。免責が5000ドルで、それをゼロにしようと思うと1日30何ドルかかるらしい。迷った末にやめておいた。

手続きを終え、車に向かう。今回は三菱のIGNISだ。オレンジ色でかっこいい。コンパクトだが広さは十分だ。荷物を乗せて空港をあとにし、今日のメインとなるペンギン・プレイスのあるオタゴ半島に向かう。高台から見下ろす美しい景色にみとれながら車を走らせる。

今回の車もカーナビがついているので、安心だ。混み合うダニーデン市内は通らないルートで半島に入る。今日は風が強く、波が荒い。きれいな海岸線沿いを走っているととても気持ちがいいが、ときおり高波が車にかかりそうになり、ひやりとする。

途中で、内陸へ向かう道へと入る。ラーナック城という観光地で、外観だけでも見ようと目指すが、門のあたりから料金がかかるらしく、断念する。そこからサンドフライ・ビーチという海岸を目指す。ときおり雨がぱらつき、風も強い。

空港からオタゴ半島へ向かう

サンドフライ・ビーチへ続く道
■ サンドフライ・ビーチ
目の前に素晴らしい海岸が見え、手前で車を停める。歩いて海岸近くまで行けるらしい。風がものすごく強く、歩くのに苦労するが、とても楽しくてテンションが上がる。展望台まで来ると、海岸がさらにきれいに見える。浜辺に人がいるのが見え、そこまで歩けるらしいとわかる。なかなかの距離だが、行ってみることにする。

サンドフライ・ビーチ遠景
急な斜面を降りると、途中からは砂地になり、さらに体力を消耗する。それでもなんとか浜辺に降りることができた。残念ながらアシカやペンギンはいない。少し歩くと、セイタカシギが見えた。写真やビデオを撮りながら、あでりーが来るのを待つ。セイタカシギの場所まで一緒に行きたいが、雨が降り始めていたのであきらめ、引き返すことにする。同じルートを通って車まで戻る頃には、かなり体力を消耗していた。

浜辺は、かなり波が荒い



印象的な2つの岩

セイタカシギ
ふたたび車を走らせ、今日のメインとなるペンギン・プレイスを目指す。途中、いろんな鳥がいて、何度も止まりながら進む。プケコもいて、なかなか楽しい。池のほとりで車を停め、水場でニュージーランドウやカモなどを見ていると、そばに一羽だけいたシラサギがこちらを向いた。普通のシラサギだとたかをくくっていたその鳥は、なんと、ヘラサギだった! 初めて見る野生のヘラサギに、あでりーと二人、興奮しながら喜び合う。あとで調べると、正式名はオーストラリアヘラサギだった。今回の旅で見たのは、この一羽だけだった。

初めて見たオーストラリアヘラサギ
途中のトイレで休憩をとり、車の中で30分ほど眠る。これでお互いにすこし体力を回復した。ペンギン・プレイスの予約まで時間があったため、先にロイヤルアルバトロスセンターまで向かう。ここは野生のロイヤルアルバトロス(シロアホウドリ)が見られるところだ。到着すると、すごい数のカモメが舞っている。車内から見ていると、無数に飛び交うカモメの中に、ときおりアルバトロスが姿を見せる。あでりーが言うとおり、カモメとは体のつくりが違い、翼の部分がかなり長いのでよくわかる。僕はいったん車を降り、崖のあたりの遊歩道まで歩いてみた。アルバトロスは見られなかったが、景色を撮影し、ふたたび車に戻る。とにかく風が強い。あでりーは車の中で休んでいた。またしばらく車からアルバトロスを観察したあと、車を出す。ほどなくペンギン・プレイスに到着した。
■ 憧れの地
ペンギン・プレイスは、野生のキガシラペンギンとブルーペンギンが見られる貴重な保護区だ。あでりーは二回目で、僕はもちろん初めての訪問となる。ずっと来たかった場所に、ようやくあでりーと一緒に来ることができた。


先にトイレに行くと、近くでトゥイの鳴き声がした。建物に入り、受付を済ませる。ついに、初めてキガシラを見ることができるので、興奮を抑えきれない。

アンガスという、爽やかな若者が案内をしてくれた。客は僕ら二人だけだ。まずは建物の中で、これからのツアーの内容や注意事項を聞く。聞き取りやすい英語なので助かる。それからまず、保護してあるキガシラのところへ行く。初めて見るキガシラはとてもきれいだった。ビューティフル、とアンガスに伝える。


建物を出てバギーに乗り、海岸近くまで移動する。そこから歩いていくと、テレビやあでりーの写真で見た、観察用の通路の入り口が見えた。これだけでも感動する。通路を進んでいくと、観察小屋に出た。ここで、海岸に上がってくるキガシラを見るようだ。しばらく待ってみるが、なかなか現れない。いったんそこを離れ、卵を抱えている巣のあたりまで行くが、これも遠くて茂みの陰になっているため、確認することはできなかった。ふたたび観察小屋に戻る。またしばらく待ったあと、もう少し待つか次へ行くかとアンガスに訊かれ、もう少し待つことにする。

けっきょく、キガシラは来てくれなかった。そこから歩き、海岸にさらに近づく。ここからでもまだ先ほどの海岸は見えるので、あきらめるのは早い。途中、巣の中にいるブルーペンギンを見ることができた。初・野生のブルーだ。巣の中にこもっているが、姿はしっかり確認することができた。

観察用通路の入口

ブルーペンギンの巣
それから、行く手にニュージーランドオットセイがいるのが見えた。かなりの数が寝そべっている。時間をかけて撮影する。ときおり海岸を見てみるが、キガシラは姿を見せなかった。アンガスは気を使ってくれて、観察小屋で双眼鏡で探してくれたり、キガシラが見つからなかったことを謝ってくれたりする。とてもいいガイドで、気持ちがよかった。あでりーが21年前にもここに来たことを伝えると、アンガスは驚いていた。握手をし、彼と別れた。

残念ではあったが満足の気持ちで、受付に戻る。おみやげで、ペンギンのピンバッジ、積み木、ポロシャツを購入する。すると、会計してくれたのはまたアンガス君だった。

ニュージーランドオットセイ


帰り道、海岸沿いで何度か車を停め、観察を繰り返した。体がグレーで顔の白いサギを初めて見た。あとで調べると、「カオジロサギ」という名だった。歩いている姿がとても美しい。そのほか、コクチョウもかなりの数が群れていた。

カオジロサギ

疲れてはいたが、帰りにスーパーに寄り、夜の食材を買う。メイン用に調理済みのマッスル貝(ムール貝)、あでりーはトゥイのマークのビールを1ダース買う。その後、宿の近くに車を停めようとするが、工事中が多くて進みたい方向に行けず、遠回りをして宿のほうへ行く。近くに駐車スペースを見つけ、停める。

宿に戻ると、先にシャワーを浴び、すぐに夕食にする。昨日のスパイツ醸造所の残りのラム肉、野菜パテと共にいただく。ビールも食材もどれも美味しい。マッスル貝はビネガーがたっぷりきいていた。食後は、僕はカフェインレスコーヒー、あでりーはインスタントコーヒーを飲む。もう時間は遅く、疲れてもいたので、日記を書く元気もなく就寝。

本日の夕食

トゥイのビール
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