ニュージーランド
旅行記
■ 長い移動のはじまり
9/29(金)
■ まずは香港まで
前日から胃の具合が悪く、不安を抱えたまま出発の朝を迎えた。最近は二人してカフェの開店作業に追われ、いつになく慌ただしい日々を送っていた。妻も出発2日前にようやく旅行モードになり、準備を始めたようだ。

中部国際空港発のキャセイ航空は16時15分発。午前中は余裕があるので、胃の痛みをなるべく気にしないようにしつつ、最後の準備をしたり軽く散歩に行ったりして過ごす。朝の便と違って余裕があるのはいいが、逆に時間を持て余してしまう。ようやく10時半になり、ゆっくりと準備をして出発する。JRの駅まで車で向かい、二人分のスーツケースと共に妻のあでりーに駅で待っていてもらう。僕は車で自宅に戻り、手ぶらでふたたび駅まで引き返す。

JRと名鉄を乗り継ぎ、セントレアに着く。本当に久しぶりで、待ちに待った海外だ。気分は高鳴るが、胃の痛みが断続的に続いていて不安は拭いきれない。高揚感で紛らわそうとも思うが、なかなか痛みは手ごわい。

昼食はセントレアにある店でラーメンを食べることにしていた。野菜タンメンを頼むが、やはり胃の痛みから全部は食べ切れない。出発時刻までたっぷり時間があるので、食後も店内の席でゆっくりとくつろぐ。

チェックインまでまだ2時間半ほどあったが、念のためカウンターに行ってみると、受け付けは始まっていた。2日前にオンラインチェックインは済ませてあったが、確認したいことが2つあった。一つは搭乗券が事前発券できなかったこと、もう一つは合計3回飛行機に乗るうち、2回分の座席指定ができなかったこと。いずれも予約画面には、「システムの都合上」と表示されていた。スタッフに確認すると、どちらも即座に解決され、座席指定のされた搭乗券を受け取る。スーツケースを預ける際、香港で乗り継いでオークランドに入り、最後にクライストチャーチに飛ぶのだが、オークランドでいったん入国審査を受け、荷物をピックアップし、再度チェックインする必要があるとの説明を受けた。ネットでの予約の際もそういう表示になっていたので、予想通りではあった。

諸手続きが終わって身軽になると、心身ともにニュージーランドへ向かう準備が整った。一息つくためお茶でも飲もうかと思うが、あまり気乗りしない店ばかりなので、座れるところを見つけて思い思いに過ごした。僕はLINEで母と姉に連絡し、あでりーはハガキをたくさん書いていた。

スマホアプリで、出発時刻が20分ほど遅れることを確認。同様のおしらせが、メールとSMSでも届く。便利なシステムになったものである。タイミングを見計らい出国ゲートに向かうと、パスポートをスキャンする仕組みになっていて驚いた。セキュリティチェックを抜け、搭乗ゲートに向かう。ここでようやく水が買えるので、高いのは承知の上で購入する。搭乗ゲート近くに飛騨の家具の椅子が並んで置いてあり、これが想像以上に心地よく、出発までを快適に過ごせた。

搭乗時刻が訪れる。乗客の数は少なく、乗ってみるとやはり席はかなり空いている。こんなにすいている飛行機は久しぶりだ。まだコロナから完全に明けてないのだろうか。

まずは香港まで、4時間15分。キャセイに乗るのは僕は2回目だが、シートの間隔が広めで座りやすい。快適に過ごせそうだ。文庫本、スリッパなど必要なものをリュックから出し、寒いのでトレーナーを着込む。リュックは足元に置いても余裕がある。やがて機体が動き出し、飛び立つ瞬間、あでりーと共に、遂にこの時が訪れたと感慨を分かち合う。

座席モニターをチェックすると、映画がたくさん入っている。ただ、全部が日本語対応されているわけではなく、それをチェックするのに時間を取られる。そうこうするうちに飲み物が運ばれ、食事も出てきた。シーフードパスタ、チキンとライスを1つずつ頼むが、どちらもイマイチだった。チキンにかかっていたソースは、イギリス旅行の際のエアチャイナで出てきたものを、ちょっぴり高品質にしたような感じだった。付け合わせのフルーツだけは美味しかった。おやつに月餅餅とハーゲンダッツのアイスがついている。あでりーにはなぜか月餅餅が2個入っていた。飲物は、あでりーはビール、僕は水を取る。胃の調子を考えつつ控えめに食べ、いつもは楽しみにしている食後のコーヒーはやめておいた。あでりーは、飛行機の中だというだけですべてが美味しく感じられるらしく、よく飲み、よく食べていた。

映画は結局、『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』を選択。しかし、絵の動きはぎこちなく、声優もアムロ以外は変わっていて、あまり面白くもなかった。あでりーは『線は僕を描く』を見ていた。

機内食(シーフードパスタ)

機内食(チキンとライス)
■ 香港からオークランドへ
その後、本を読んだり寝たりしていると、あっという間に香港に到着。離陸は遅れたが、到着がほぼ定刻だった。

次のトランジットへ向かうため、番号を頼りに進む。目当ての番号に到着したと思ったらそこは到着ゲートで、すこし引き返しトランジット入り口を発見。そこでもパスポートと搭乗券のスキャンで通過。ただ、飛行機の中で何度かお水を頼み、それをペットボトルにためてきたのだが、ここを通過する際に捨てねばならず、がんばって飲み干す。

ゲート通過後、やはり水は必要だと思ったが、なかなか売っておらず、搭乗ゲート近くの店は閉まっていた。もしかして、と思い、スターバックスに入ってみると、エビアンが売っていた。日本円で300円以上するが、しかたない。

搭乗時刻を過ぎてもなかなか搭乗が始まらず、人の列がどんどん伸びるばかり。オークランドに着いてから入国、荷物のピックアップ、ターミナルを移動して再チェックインをおこなう、という必要があるので、あまり遅れてほしくないのだが。

なんとか20分遅れくらいでゲートが開く。それでも、なかなか列はすいすいと進んでいかない。離れた場所に座っていたので、列の最後尾が近づいた時点まで待つ。ようやく機内に入る。

先ほどの機体よりも座席間隔はやや狭い印象だが、座ってみれば足元は広めなので、圧迫感が少ない。また、かなり機内は混んでいるのに、僕の隣の席が空いていた。いちばん長く乗る飛行機なので、これで安心だ。

飛びたつとき、次に着いたらもうニュージーランドだね、と確認しあう。直後に水の500mlボトルが配られる。普段から水筒に水を常備している我々には非常にありがたい。

それからまたモニターのチェック。先ほどと同じシステムだが、映画の数はこちらのほうがかなり多い。あまりに多すぎて迷うのと、日本語対応が少ないのとでなかなか決められない。眠たくなっていたのもあり、僕は「スターウォーズ エピソード4」にする。

機内がかなり寒く、ついにダウンジャケットを取り出して着る。これに下半身は毛布をかけてぎりぎりくらいだ。

その後、食事。事前にメニュー表が配られたので、僕はベジタリアンメニューのビリヤニ、あでりーはポークを選ぶ。今度はどちらも美味しくて、満足した。ただ、月餅餅とアイスが同様に出て、こちらはパスした。

機内食1回目(ビリヤニ)

機内食1回目(ポークとライス)
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