今週のお題「大金を積まれれば重い腰も軽くなるかも」
昭和48年、東京生まれ。酒と煙草と音楽と女をこよなく愛す。大東文化大学政治学科卒業後、社会人となるが挫折。以後、自由気ままにラヴ&ピースな日々を送る。
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第三回 Believe
先日更新された田中いずみさんの「エモーショナルX」"祈りと死 PART2"において、公開質問状があげられていた。 その内容は「何を、何故信じるのか」というものであった。 その公開質問状に答えるつもりで自分なりの回答を探してみたのだが、どうも釈然としない。 とりあえず「信じる」をexcite辞書「大辞林」 第二版 (三省堂)で調べてみる。
しんじる
【信じる】(動ザ上一)
サ変動詞?昔、文法でやったような……?わからんがまあいいか。 「信ずる」を調べてみよう。
しんずる
【信ずる】(動サ変)[文]サ変 しん・ず
(2)は普通に生まれ育っていれば普通にある感覚である。たとえば家族に対して「信じる」ことの出来ない人は家庭においてすら安心できる場所がないということであり、常に周囲を警戒し疑っているということである。
昔読んだ手塚治虫の「ブッダ」に登場する、ある教祖は「私の教義は『疑うこと』である」と言う。曰く「信じるから裏切られたときに大きく落胆する。疑っていれば裏切られたときのショックは少なくてすむ。」ということである。(記憶によるものなので原文とは異なる) 結局、その教祖は弟子に「それでは私たちもあなたを信じません。」と言われ、弟子たちを失ってしまう。
「信じる」に対する言葉は「疑う」であるが、果たして「何も信じない」という人が「全てを疑っている」のかどうかと考えると、それは違うのではないか。
「信じる」⇔「疑う」
この二つの言葉の間には多種多様な感情があることだろう。 「うちの子に限ってそんな事はないと信じてます」などと良く聞くが、「信じたい」という願望や「信じなければ」という使命感、そして「疑い」、様々な感情が相まった上で、「信じる」という一言に集約されているだけなのだ。それを数値化できるとしたならば100%ということはありえないはずだ。
「信じる」という事を考えたとき、真っ先に浮かぶ曲がある。 前回取り上げたビートルズの「Let It Be」が発売された年、1970年に発表されたジョン・レノンのソロアルバム「ジョンの魂(原題:John Lennon)」収録の「God」という曲である。 詞の全文はこうである。
(訳詞はテキトーなので、気になる方はこっそりお教え下さい)
20代のほとんど全てをビートルズに費やしたジョンは、30になる年にこの曲をリリースした。この詞での「信じない」は単純に、信じていたものを信じなくなったのではなく、新たな決意であると感じる。 今まで信じてきたものを捨て去ってでも、自分とヨーコを信じるという決意。 言い換えれば、ヨーコと自分を何よりも深く愛し慈しむという決意だろう。 奇抜な行動から批判の的となっていたジョンが「それでも自分の、ヨーコと自分の思いを大事にする」という決意から「信じる」「信じない」という表現を用いたのではないだろうか。 そう捉えると、やはりここでの「信じる」も文字通りの「信じる」ではなく、様々な想いが詰まっている。
だらだらと「信じる」という言葉について考えてきたが、公開質問状へのうまい回答が見つからない。
強いて言えば、家族を信じる。恋人を信じる。仲間を信じる。友を信じる。師を信じる。
天皇制は信じない。天皇は信じる(そのお人柄が人よりも卓越しているという事において。実際にお会いしたことはないので、メディアを通じた印象として)。マルクス・レーニン主義は信じない。オカルトは信じない(かなり好きではあるのだが)。
こうして見ると、私が信じるものは「人」である。 「物」はいつか壊れる。 「制度」や「思想」「主義」などは時代とともに変質する。そしていつしか時代の流れから取り残され捨てられてしまうものも少なくない。
では何故「人」を信じるのか。それはあくまでも限定された範囲の「信じる」だからである。 ある人に、金は貸せるが仕事は任せられない。金銭面では信じることができるが、仕事能力は信じられない。その人について信じられるか信じられないかを、全面的にではなく部分的に選別しているのである。 その選別は特に理論的なだけではなく、感情に拠るところも大いにある。部分部分を切り取り、時・場所・(相手に対する)感情・気分その他諸々で判断する。全体を総合して「信じる」ことの出来る割合の大きい人が、私が今後も付き合っていきたい人だったりもする。
しかし結局のところ、私が「人」を「信じる」のは「信じたい」という願望を少なからず持っているからであろう。 |
平成15年12月26日 |
第二回 Naked
先月、ビートルズの最新アルバムが発売された。 |
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平成15年12月3日 |
第一回 Risorgimento!連載陣に物申す!
初めまして。Danny!と申します。 さて本題に入ります。 というわけで、上から順に見て参ります。 |
三澤さんの文章は素晴らしく、私のように運動に関わっていない人間にもわかりやすく面白い内容だと思います。
難しい漢字にはルビを振っていただければと思います。
先ほども申しましたが内容が面白いので、更新を楽しみにしております。 是非この機会にパソコンを導入して、さらにマメな更新をお願いします!(笑) |
これは単純に面白いです。人気があるのもうなずけます。ついニヤリとさせられてしまいます。
背景によって見えづらい文字色(緑・水色等の明るい色)があります。私のおんぼろパソコンだけなのでしょうか?(笑) |
まず「探訪 銀河蒼茫の世界」ですが、こちらは編集長ご自身の獄中体験を元に、野村秋介氏が獄中で詠んだ句集「銀河蒼茫」について、氏が句を詠んだ時の心情を推察するという形式をとっており、一般的な句の解説よりもさらに掘り下げているという印象を受けます。
旧仮名遣いはちょっと……。 |
こちらは本多さんの心象風景を詩で表現されています。
気になるところは(本多さんの詩作とは関係のないところなのかもしれませんが)、文字のサイズをもう少し小さくした方がいいのではないかと思います。 私の使用しているパソコン(解像度1024*768ピクセル)では、勝手に改行されてしまうところがあります。詩とは改行・行間も含めての表現だと思いますので。 |
タイトル通りに高橋さんの「心の鍵穴」にぴったり合った事、逆に全く合わなかった事をエッセイや詩として書いています。
一番新しい稿で小泉批判を行っていますが、こうした政治・社会に対する率直な意見をもっとズバズバ言って欲しいと思います。 |
短い文章ながら様々なエピソードを盛り込み、一見散漫でありながら根底に流れるテーマを貫いている、実に奥深い文章です。 ふわふわっとやわらかく広がっていくミルククラウンのような文は、科学的雰囲気と神秘的な雰囲気を溶かし込んで鮮やかに魂のグルーブを紡ぎ出していらっしゃいます。
田中さんには是非ともロックへの熱い思いを大いに語っていただきたいと思います。 私も音楽大好き!なもので……。 |
まず、山崎一弘さんの「アンチ負け犬の思想」ですが、運動家としてのご自身の考え方を率直に述べておられます。また、一人の運動家の回想録といった趣の文も載せてらっしゃいます。 私は連載第一回の「超大国の欺瞞」が好きです。 普段、テレビ等ではあまり耳にしない痛烈なる米国批判を行いつつ、日本の若者に「目覚めよ!」と檄を飛ばしてらっしゃいます。痛快な文章です。
次に大熊雄次さんの「スカジャン親爺のお小言」。 こちらはご自身が参加なさったイラク反戦運動のレポートや、ご自身と親しい人々との人間味あふれるエピソードを細やかに描いておられます。 私の好きな話は「徹ちゃんの憂鬱」や「吉野家で朝食を」です。 大熊さんの事を全く知らない私にも短編小説として読めるテンポの良い文、情景が目に浮かぶ細やかな表現に惹き付けられます。
お二人に共通して言える事なのですが……、更新して下さい! 内容・文章は、お二人ともに素晴らしく、次回の更新を心待ちにしております。 せっかく内容の良い文章を掲載されているのですから、月2回でも3回でも更新して下さい!1ファンからのお願いです!是非、連載陣へと返り咲いて下さい!(笑) |
以上、言いたい放題書き綴ってしまいましたが、いかがでしょうか。 Risorgimento!全体を読んで感じるのは、つまらない内容が見当たらないという事です。どれも文章がうまく、内容も面白いと感じました。 全体としての今後の課題は、更に読みやすくてインパクトのあるページレイアウトを模索していくといったところでしょうか。 編集長!これからも頑張って下さいね!あまり酒に呑まれる事なきよう(笑)
それでは、今後ともよろしくお願いします。 |
平成15年11月7日 |