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半茶日記

071231

 最後の縛りは「ゴルコンダ」です。これをもちまして雑文祭参加作品は最後です。追加縛りを寄せていただいた皆様どうもありがとうございました。

 では、みなさま、よいお年を。

071230

 大掃除でパソコン起動できず。

071229

雑文祭参加作品は推敲中のため(というかまだ書きかけのため)、没作品をここに載せてお茶を濁させていただきます。

∞(無限大)は、机の引出しの奥に忘れていたものだった。
開けた引き出しの中に、無限大は広がり、その無限の距離の向こうに水平線が広がっていた。
僕は引き出しに飛び込み、その海に浮かぶヨットに飛び乗り異国に向かう。
ポルトガルに渡って南蛮菓子の製法を学ぶのだ。
8年の歳月をかけていえろうぷにたどり着き
菓子職人として学ぶ。
かすていら、たると、そして、究極の金平糖の作成に挑戦
大釜に芥子粒を放り込み、選びに選んだ蜜と白糖をお湯に溶かし少しずつかける。
じっくりと長い長い時間をかけて砂糖の結晶を成長させていく。
単調だが微妙な手さばきが要求される作業。
金平糖の核になる粒を繰り返し繰り返し混ぜ続ける。
頭の中から子供の頃に聞いた わらべ歌が、ふと聞こえてくる。
金平糖は甘い 甘いは砂糖 砂糖は白い 雪・ウサギ・カエル・葉っぱ・青い・空・雲・雨……
一見無関係な単語の羅列。
頭の中で ごとり と音が鳴り、そして魔法が発動する。

魔法『帰還』

気がつくと机の前に座っている。
あの金平糖は幻だったのか。
この目の前の引き出しを開けようかどうしようか迷う。
とっぴんぱらりのぷう。

あ、25万ヒットだ。閲覧してくださっている少数の読者の方々に感謝いたします。

071228

 没とされた雑文は机の引き出しの奥に忘れていたものだった。そこにはこんな雑文が書いてあった。

 昔々、インドのゴルコンダ鉱山の近くに、雑文が書けないので困っている木こりがおりました。泉のほとりで雑文を書こうとしていると、その手からするりと雑文が抜け落ち、泉に雑文が沈んでしまいました。ああ、困ったなあ。この雑文は第八回雑文祭に参加するための大事な雑文だったのに。木こりが金平糖を食べながら嘆いていると、急に泉が沸き立ち両手に雑文を持った女神が現れました。

「お前が落としたのは、縛りを無視した雑文か? それとも出来が今ひとつの雑文か?」

「いいえ、モグモグどちらでもモグモグありません。私が落としたのはモグモグまだ書いていない雑文ですモグモグ。」

「お前は正直者だ。でも、物を食べながら相手に返事するのは感心しませんね。正直者のお前に、縛りを無視した雑文と、出来が今ひとつの雑文と、まだ書いていない雑文を全部与えよう。」

というわけで、今のところ雑文祭に参加できる雑文はまだ出来ていません。とっぴんぱらりのぷう。

071227

 本日は忘年会で酔ってしまったので雑文祭参加作品は書けませんでした。ゴルコンダで雑文は書きづらい。なんてこったゴルコンダ。というわけで、以前書いたものの出来がちょっとなあ、というものを第八回雑文祭不参加作品ということで一つ。ゴルコンダ、ゴルコンダ……(明日も忘年会なんだよなあ……)

「記号論」
○○は、机の引出しの奥に忘れていたものだった。
■■は、食卓の上の焼き海苔だった。
☆☆は、金平糖だった。
◎◎は、アフロダイAの胸ミサイルだった。
◆◆は、チェッカーフラッグだった。
◇◇は、降参の白旗二本だった。
○●は、オセロの駒だった。
□■は、特に思いつかなかった。
△▲は、三角木馬(使用前、使用後)だった。
▽▼は、万国旗だった。
※※は、tictacゲームのやり方を忘れたのだった。
〓〓は、雪の積もる中、下駄で待ちぼうけは寒いのだった。
ΩΩは、なんだってー 。
ξζは、おや?モニターに毛が。
§§は、縦ロールだった。
**は、面食らったのだった。
θθでは、オーバードーズとなってラリっているのだった。
凸・8θθε=で、とっぴんぱらりのぷう。

071226

 M-1グランプリ三回戦敗退のエヴァ漫才が、観客おいてけぼりで痛快でした。私も見習って、もっと読者おいてけぼりの雑文を書こうっと。それはそうとして、次の縛りは四つの禿です。雑文じゃないような気もしますので、とりあえずあやまっておきます。どうもすいません。寄せられた追加縛りは後一つです。

071225

 雑文が生きているか死んでいるか、難しい問題です。雑文が死んでいるとすると、物の道理としてかんかんのうを踊らせなくてはいけません。ええ、いけませんとも。踊れや踊れ。おや、この死んだ雑文書きは確かに半茶だが、そうするっていと、この俺はいったい誰なんだ。

 さて、それはそうとして、次の縛りは「素適」です。自己満足的な雑文で申し訳ない気持ちで一杯です。他の参加者にこの場を借りてお詫びいたします。

071224

 昨日のM−1グランプリは今ひとつピリッとしなかったなあ。鳥居みゆき−カンニング竹山ペアが出場しなかったせいかも。それはそうとして、次の縛りは「死なない男」です。

071223

 日付も変わったので、ということで次の縛りは「真っ黒」と「皆殺し」です。

 つづきましてー(物真似芸人の平坦なイントネーションで)、ここで箸休めということで、メールフォームの例文として記載しておりましたものをちょっと修正した「かびぱん」をアップします。

071222

 第八回雑文祭協賛企画、追加縛りの募集にご応募いただき、どうもありがとうございました。左側に設置していたメールフォームからお送りいただいた追加縛りにつきましては予想を下回る数が寄せられましたが、原因はきっと募集と言うことを明記していなかったせいに違いありません。ということで最初の縛りは「名字」です。

071221

 ノートンをかけても、あいかわらずパソコンの調子が悪い。忘年会帰りで 酔っているので、今日はこれ以上いじるのは止めておこう。雑文は明日までに仕上がるか非常に不安。

071220

 パソコンの調子が悪い。特定のサイトに行くとIEがハングアップ。

071219

 そういえばパイレーツ オブ カリヴィアン ワールズエンドのDVDを見た話は書いたっけな? ジャックスパロウのエキセントリック加減も、その裏で汚い取引を行うずるさ加減も影を潜めて、悪役もあっけなく負けるし、重要な役割の雰囲気だった女神もいつの間にか退場。大渦巻きの中で操舵輪を握るキャプテン バルボッサのイカレっぷりくらいしか見所が思い出せない。

071218

>▼マグリットのゴルコンダいいですねえ。マグリットは好きな画家なんですが、この絵は知らなかったなあ。いいなあ。視線が水平なのが惜しいなあ。視線が仰ぎ見る角度だともっとしびれたのに。でもそうすると見えるのが靴底ばかりで味気なくなるかも。▼雑八は、ほんとどうしましょうかねえ。こっそり公開して、こっそり消去した奴を再利用しようかと画策しています。▼万年筆はずっと無印のやつとダイソーの百円インクペンがお気に入り。大量に書く必要がある時は百円シャープペンにBの芯でやってます。普段のメモは飽きっぽいのでいろいろ変えますが、現在はBの鉛筆。基本的に貧乏性なので筆記用具に贅沢できない体質がうらめしい。▼イヤホンはずっとKoss Spark Plugを使っていました。バカみたいに低音が出るところがバカみたいで気に入ってました。でも録音した喋りを聞くのには向いてないのでいろいろ(格安イヤホンを)試して、結局Koss Plug(無印)に戻りました。ほんと貧乏性。断線したので百均のイヤホンのコードに付け替え。ますます貧乏くさくなりました。最近は初音ミク歌うYMOばかり聴いています。テクノポップとボーカロイドは相性いいです。

071217

現代日本では ほとんど使われなくなった

忖度(そんたく)という言葉がある。

この古い言葉は

他人の気持ちを おしはかることを意味する。

相手の心中を 忖度(そんたく)することは

日本人の美徳であり

軽々に失くしてはいけない

他者の気持ちを思いやること

それが大事なのではないでしょうか

その気持ちを忘れてしまっては

そんたく関係ねぇ そんたく関係ねぇ

はい おっぱっぴー

071216

 人っ子一人いない都会を孤独に彷徨うシーケンスと、車の周りをゾンビが取り囲んでバンバン窓ガラスを叩くシーンがグッと来る、と言う意見を見た。なるほどなあ、いろんなことにグッと来る人がいるのだなあと思う。私は、孤独なシーンは特に日常的に体験しているので特にグッとこないし、ゾンビと車のシーンは心底ゾッとするが、グッとは来ないなあ。

 私が映像的にグッと来るシーンというと無数の同じものが空から降ってくるシーン。
では、私的グッと来るシーンベスト3

 第三位 無数の隕石が降り注ぐ。これはいろんな映画にあるからこれという特定のイメージではないのが残念。できれば地上から雲ひとつ無い青空を見上げると、隕石の軌跡が白く無数に……というのが好ましい。

 第二位 カルヴィーノ 柔らかい月。温めたチーズのように柔らかくなった月が地上に降り注ぐ。地上は月で覆われる。ああ、もううっとり。

 第一位 舞城王太郎 九十九十九。ネタバレになるけどいいか。主人公の頭が空からいくつもいくつも降ってくる。もう、理由は分からないけどもううっとりを通り越して痺れる感じ。なんでこういうのが好きなんだろうなあ。わからないなあ。

071215

 何をしていたのか全く思い出せない。えーと、忘年会は一次会で逃げ出すのが基本だが、逃げ遅れて二次会のカラオケで歌を強制された場合に備えて、クレイジー・ケン・バンドのダイガーアンドドラゴンの中古CDを買う。歌うまいね。ついでにコーネリアスのファースト・クエスチョン・アワードも購入。一通り聴いてみるが、特に感想は無し。

071214

 ビート・ジェネレーションの元祖、ジャック・ケルアック 「路上」も新訳で出版されたことだし、ビートニクスもそろそろアルバム出さないかな。

071213

>五つ、いつでもいい男

071212

 パソコンが認識しなくなったハードディスクと、USB接続のCDRドライブとでニコイチにして、USB接続のハードディスクを作ってみる。駄目もとでパソコンに繋ぐと認識する。USBを外してハードディスクを直接パソコンに繋ぐと認識しない。なんだかよくわからない。とりあえずUSBでデータだけサルベージしておく。

071211

 ということで、早めに就寝。朝まで熟睡。昼間は体に力が入らない。顔が汚れたアンパンマンは、こういう気分なんだろうなあと思うが、私には新しい顔を作ってくれるジャムおじさんはいないのである。

071210

 ストレスによる不眠症で四時になっても寝れなくて、こうやって日記を更新しているわけです。さっきから後ろでハムスターがカラカラカラカラうるさい、と八つ当たりもしたくなるというものです。あ、そうだ、にちゃんねるで見かけたコピペ。
一つ人より力持ち。
二つ不埒な悪行三昧。
三つ、上記二条に反しない限り自分を守らなければならない。
忘れないように書いておく。
さて、そろそろ寝る努力をしてみようかな。

071209

 「ハサミ男」 監督:池田敏春 出演:麻生久美子、豊川悦司、阿部寛
 キャスト見ただけで誰が犯人か分かる配役ということから分かるように、推理物ではなく心理サスペンス物でした。原作に忠実な映画化は困難なため、冒頭から麻生久美子とトヨエツが二人揃って出演。原作知らないなら、なんだこのツーショットということで謎が謎を呼んで楽しめることでしょう。原作の魅力の一つである、ヒロインの静かな壊れっぷりが希薄だったのが残念。医師(トヨエツ)の位置づけも原作と変わっていて、結局つじつまが合わなくなっているような気がする。残念。麻生久美子の部屋の変貌は、ぞくっとしましたが、ハサミ男おたくの部屋は、狭くて小汚い部屋じゃないとリアリティがないぞ。でも映画のクライマックスということで広くておしゃれな部屋。ということで、原作を既読の観客にとっては、麻生久美子がひたすら嘔吐するさまを鑑賞する映画でした。

071208

 第三研究棟の二階の会議室で会議というメールを受け、研究所に出張。研究統合のため閉鎖されたんじゃなかったか。窓の無い厚い扉を開け、埃っぽい階段を上る。フロアへの扉を開けると工事の人がパーティションの解体をしている。暗い廊下を突き当りまで進むが、工事の人しかいない。研究室を覗いてみると、部屋の向こうにぼんやりと明かりがともっている。扉をあけ旧式の機械が放置されている部屋を抜ける。やあ、そこに座って待っててくれたまえ。会議を招集した部長が、今まで見かけたことのない人たちと打ち合わせをしている。会議室の壁は窓になっているはずが、なぜか開けられないようになっていて、ガラスではなく鏡になっていた。さて、会議をはじめようか。机のこちら側には私一人。反対側には、先ほどまで打ち合わせをしていた人たちが横一列に座っている。ええと、議題はなんでしたっけ? 書類に目を通していた部長が私のほうに目もくれず答える。それは君次第だよ。後ろでドアが閉まる音が聞こえた。

071207

 今日は異常に電車がすいていた。隣の人に触れないで立っていられる。かえって何か恐ろしいことが起こるのではないか。いやもう起ってしまっていて自分だけ気がついていないのかもしれないと、意味も無くあたりを見回してみる。

071206

 今日も電車が遅れる。

>そういう感想がありうるとは、思いもよりませんでした。どうもありがとうございます。

071205

 体に力が入らない。だるい。一日中めまいがする。ストレスかなと思ったが、そのうち鼻が詰まってきた。風邪だな。今日は早めに失礼します。といいつつ仕事が片付かないので三時間ほど残業。もちろん手当てはつかない。じゃあ、今日は失礼しますと、同僚を見殺しにしてさっさと帰る。帰宅したとたん全快。やっぱりストレスのせいだった。わかりやすい身体だ。

071204

 とりあえず作業時間を度外視しても手続きだけで三ヶ月かかる作業で、作業に必要な資料が未だに手元に届いてない状態。締め切りが年末というのはどういうことよ。それどころか、何をやるかきちんと決まっていないというのはどういうことよ。で、抗議したら逆切れというのもどうよ。それが社運をかけたプロジェクトというのもどうよ。カフカでも読もうかって気になるですよ。

071203

自転車修理

 私のマウンテンバイクは義理の父が懸賞で当てて、自分が乗らないものだから無理やり娘夫婦に送りつけてきたものである。そういうわけでDONBURIというシールが貼ってある。何のDONBURIか、とんと見当がつかぬ。店で購入していないので防犯登録もしていない。当初はスタンドもなくて往生した。

 近所の自転車屋は無愛想な親父が経営している。なんだ自転車販売業組合は無愛想が入会条件かと思わせるほど無愛想。無愛想なのは職人だからで、腕は確か、であればいいのだが、ちゃんと修理ができない。

 自転車の空気を入れても入れても次の日には抜けているので店に持っていくと、チューブを水に浸けて空気が漏れないことを確認して「パンクしてませんよ。」としか言わない。

 これに懲りて、別の自転車屋に持っていくとやっぱり同じ対応。なんだ自転車販売業組合は無愛想が入会条件か。空気をいくら入れても次の日はしぼんでいる。しょうがないのでネットで調べる。空気を入れるところのゴム(虫ゴム)というものが劣化すると空気が抜けやすくなるそうだ。長崎出身者は自転車に関する基礎知識が無いから、こういうときに困る。スーパーの自転車売り場にて虫ゴムを購入。自分で修理(と言うほどでもない)。

 私の自転車は、そろそろ十数年乗っているのであちこちガタがきている。特にタイヤは側面が布でできているせいか、空気圧で自然に破れてきた。前に述べた自転車屋は行きたくないので、自転車屋を探し回る。ようやくめぐりあったのが、三軒目の自転車屋。ご主人は結構高齢で、肺ガンで入院してから奇跡の生還。老後の暇つぶしでやっているせいか、がつがつしていない。仕事が丁寧。愛想もよい。一つ欠点があるとすると、あまり自転車は触りたがらないことである。

 タイヤを取替えに行ったら、

「まだ大丈夫ですよ。」

と替えてくれない。更に半年乗って、ビリビリに破れてタイヤが歪んで、走るとゆいんゆいんと異音がするようになってからようやく前輪だけ取り替えてくれた。後輪も危ないんですけど。

「いや、まだ大丈夫。」

そうですか。ブレーキとギアのワイヤーが錆びて、なんか伸びちゃってるみたいだから新しいのに替えたいんですけど。

「いや、まだ大丈夫。」

そうですか。これ、マウンテンバイク用の荷台をつけたいんですけど、カタログとかないですか。

「いやあ、今はないんだよ。」

カタログ取り寄せられますか?

「うーーん」

気が進まないようだ。ママチャリ用の荷台だと見栄えが悪いので諦める。

 先日、久しぶりに買い物に自転車を引っ張り出したら、そろそろ後輪のタイヤが危ない。ビリビリに毛羽立っている。試しに乗ってみるとゆいんゆいんと異音がする。ハンドルも取られて危ない。自転車屋に行こうかとすると家内がついてくるという。家内が使っているママチャリが、後輪から異音がするので一緒に見てもらいたいらしい。

「うーん、これはベアリングがやられている音だね。旦那さんのタイヤも替えとくから置いといて。」

なんか妙に張り切っている。

 夕方になって自転車を取りに行く。

「あ、やっと終わりました。一回、軸を交換してみたんだけどテストで乗って走ってみたら、なんか納得がいかないので、もう一度バラしてブレーキ機構を見てみたら相当減っていたので、新品の部品はなかったから倉庫から中古を探して、いや値段は勉強しますよ、それに新品同様ですから、組みなおしてまたテストで乗ってみましたが、異音は出なくなったし、スムーズに回転するでしょ、ほら、それにブレーキの利きもシャープになりましたよ。この自転車結構長く乗っているでしょ。ほう、十年。それにしちゃ綺麗に乗ってるね。でも今回交換した後輪の軸まわりだけど、こんど調子が悪くなったら、修理代より新品を買ったほうが安くつくようになるから、次のときは考えてくださいね。でも、今回はちゃんと修理しましたから大丈夫ですよ。」

ああ、親切な主人だなあ。ところで俺の自転車は。

「タイヤとチューブは交換しときました。」

なんだ、えらくあっさりだなあ。ひょっとして女好きというだけなのだろうか。まあ、言った所はちゃんとみてくれるだけいいや。

071202

「私は作中の人物である」 清水義範 講談社文庫
フィネガンズ・ウェイクのパスティーシュが載っていると聞き、購入。フィネガンズ・ウェイクの恐ろしいところはパスティーシュとかパロディにしても本家との区別がつかないことだ。ああ、恐ろしい。あと、熱いお茶が一杯恐ろしい。

071201

鼻 曽根圭介 角川ホラー文庫
「暴落」一人一人に株価がついていたら、というIF物。
「受難」気がついたらビルの隙間に手錠で繋がれていた男の受難。
「鼻」人はテングとブタに分類され、テングは差別され迫害されている社会で。
の三編でお送りいたします。いたします。それぞれところどころに光るものがあるものの、何故か波長が合わないまま読了。
 前半の二編は、どんどん状況が悪くなっていく話。一定の速度(または加速度)で坂を転がり落ちる類の話なので、もっと後半のスピードを上げるか、読者をあっと言わせるアイディアで重力に一矢報いるか、報いたと思ったらもっとすごい崖を転がり落ちるかを期待してしまうのだが、そのまま最後まで転がり落ちてしまうのが残念。途中のエピソードとか光っているんだけどなあ。
 「鼻」は何がなんだかわからないけど、すごいことになっている話。妄執の部分をもっと書き込むと更に良くなるのではないかと思いました。これって、「何を面白いと思うか。」について、単純に作者と私の感性が違っているというだけなのかも。


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