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新宿区の歴史
(新宿の歴史を語る会・文/東京にふる里をつくる会編 名著出版 昭和52年刊)
別ページ
一部 新宿のあゆみ
上
下
二部 新宿の環境
一 自然
二 生活
三 交通
三部 新宿区史跡散歩
一 四谷地区
二 牛込地区
三 淀橋地区 |
1 グラビア
2 序にかえて
3 「東京ふる里文庫」について
江戸時代の都心は外堀に囲まれた範囲でした。
四谷大木戸がその出入口で、今も四ッ谷に行くと、大きな橋がかかっていて、その下がJR四谷駅になっています。
JR中央線は御茶ノ水から四谷まで外堀の内側を走っています。さらに地下鉄丸の内線の上り方面のホームの先にいくと、中央線では右手に見えた外堀が、左下にテニスコートとなった外堀が見えます。
いづれにしろ新宿区は昔は辺鄙なところだったのですが、明治以降に発達し、戦後、副都心となった地域です。 |

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1 グラビア top

空から見た新宿 手前に絵画館、国立競技場、中央が新宿御苑、左に副都心を望む
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2 序にかえて top
新宿区は、大正一二年の関東震災以後、急速に変化した。
とりわけ一五年戦争後の発展は、目を驚ろかすものがある。
国友温太さんの「新宿区の歴史」を読むと、とくにこの近代における新宿区の発展の様相が、きわめて詳細にえがかれている。
参震災後、小田原を離れて、大久保百人町に疎開した私は、ここで小学校時代と中学校時代をすごした。
大正末から昭和初年という、まさに新宿区の大変貌の時期である。
私の小学校は戸山小学校、中学校は府立第六中学(現在の新宿高校)であった。
小学校時代には、北一輝(きたいっき)の家の前を通って戸山ヶ原脇の戸山小学校にかよった。
大内力教授が同期であった。
毒ガス製造でのちに有名となった陸軍科学研究所の土手には、ハッカの花が淋しげに咲いていた。
もちろん北一輝の存在も、毒ガス作りのことも、のちに知ったことであったが、なぜあんな淋しいところに、駐在所が突然に設けられたのか、当時の私は、知るよしもなかった。
いずれにしろ、新宿区の歴史にとって、この軍施設の存在の意義を考えることは、今日において、きわめて興味深いことであろう。
それと共に、田山花袋の「時は過ぎゆく」でも明らかなように、副都心としての新宿の変貌の姿を、具体的に知ることは、今日の我々にとって、きわめて重要なことであると、思われるのである。
幸い国友さんの本書を、テキストとして、一人でも多くの方々が、この近代における新宿区の歴史を、一字でも一頁でも、さらにより良いものへと発展されることを祈ってやまない。
新宿こそは、常に新しい町であるからである。御協力をお願いする次第である。
駒沢大学教授 杉山博
3 「東京ふる里文庫」について
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東京郡は、昭和五十二年には、新区制の三十周年を迎えることとなった。
昭和二十二年に新区制が施行されて以来、区政は、急激な人口増加とそれに対応する環境間題と都市計画の模索に苦しんでいる。
戦後生れの人口は、わが国の人口の大半を占め、その十分の二の若者は東京二十三区での生活にあえいでいる。
このような状況のなかで、東京に「ふる里」を求める声が、ここ数年来、とくに著しくなってきた。
熱心な各区単位の史談会や郷土研究会などの活動、とりわけ若い区民らは、新しい郷土「東京」を求めて、さかんに活躍している。
いまや我々は、地域社会として区の将来の計汲立案する必要に迫られている。
そのためには最も正しい情報――知識――が必要であることを確信する。
そこで、我々は今回『東京にふる里をつくる』運動を提唱し、そのための会を組織し、東京二十三区の区史シリーズ『東京ふる里文庫』の発刊を企画することにした。
現在、区政単位による「区史」の編纂事業は、各区で刊行されているけれども、それらはあまりに厖大な頁数と巻数からなり、一般市民にとっては入手し難い状況にある。 我々が企画する区史シリーズ『東京ふる里文庫』は、児童から老人に至るまで、すべての階層に理解できるように平易な文章で書きおろし、各時代、とりわけ近現代の歴史を具体的にのべて、あわせて史跡めぐりや歴史探索に役立つように編集したいと思っている。
この企画進行にあたっては、東京都当局および区役所・各種団体のご協力なくしては、とうてい続刊することができない。
二十三区史シリーズ『東京ふる里文庫』は自分らの文庫であると考えられて、積極的に、その執筆と配布にご協力とご援助をお願いしたい。
「東京にふる里をつくる」運動に、よき理解と絶大なるご協力を念願する次第である。
新宿の歴史を語る会
新宿区の郷土の変遷を記録するため、また新宿を愛する人々の語いを目的とする会。
不定期に研究会、聴講会、見学会を催す。世話人に国友温太・柴辻俊六・東祐司氏があたる。
事務局・160 新宿区歌舞伎町六 杉浦方
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