最後の牛丼


吉野家 ファンにとっては非常に辛い事態となってしまった。
2003年12月に米国でBSEの事例が確認されて以来、日本は米国産牛肉の輸入を禁止している。特定の部位別に容易に購入出来ること、安心安全で安価であるとされていた米国産牛肉に依存していた、外食産業を始めとする企業は路線変更を余儀なくされている。
日本政府の今回の輸入禁止措置という対応は、本当に安心安全を考えてのことではなく、政治的手腕のカードの1枚としての取り扱いに思えてならないのは俺だけだろうか。米国が本気に揺さぶりをかけてきたら日本はすぐ白旗を揚げそうに思えてならない。

ここ最近のニュース報道では 吉野家 の対応について採り上げられることが多かった。食の安全についての関心が高まっていることと、創業以来約100年に渡って牛丼だけを販売してきた身近な存在だからだろうか。
俺は吉野家の牛丼が大好きなのだが、現在の地で生活するようになってからは少しばかりご無沙汰になってしまっていた。店舗自体がこの地域にないのである。最寄りの店舗までは車を飛ばして約1時間はかかるという感じ。
もう食べられなくなると言われると、今食べて置かなくてはっ!という強迫観念が働くのか、俺も例に漏れず、報道以来せっせと牛丼を食べに行った。それでも4回である。2003年12月26日に輸入禁止措置が決定されて以来、吉野家での牛丼提供が終了した2004年2月11日までの47日間という期間に置いて4回と言うことは、約12日に1食という計算であるが、週に3回くらい食っていた俺の最盛期のことを考えるととても少なく感じる。
俺の考えすぎかもしれないが、牛丼を注文をする時に店員の表情が曇るのが少しばかり辛かった。マニュアルなのか「新発売のカレー丼はいかがですか?」と薦められるのだが、それに逆らって牛丼を注文すると、店員の表情が心なしか曇ったように見えたのだ。しかも複数の店舗においてそれを経験したのだが、気持ちよく食べさせてくれって。

愛してやまない、あの高品質で低価格な牛丼が食べられなくなってしまったのは本当に悲しいことなのである。ま、今後は新メニューのカレー丼、いくら鮭丼、豚キムチ丼、マーボー丼、親子丼、焼鶏丼を順に試していってみたいと思う。

2004.2.11.

【過去の吉牛ネタ】

8.魅惑の牛丼
7.つゆだく
6.がんばれ吉野家
5.吉牛ネタ(その5)
4.吉牛ネタ(その4)
3.単位
2.吉牛ネタ(その2)
1.はじめての吉野家




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