吉牛ネタ(その4)


「吉牛」とは、もちろん牛丼を食わせる店「吉野家」のことである。
吉野屋と間違えている人もいるが、吉野である。注意されたし。

吉野家は24時間営業ということは皆さんも御存知のことと思う。
そして、ビールや日本酒といった酒類の販売は夜中の12時までということも、よく知られている事実である。

以前にこんな光景を見た。
夜中の12時近い時間帯だと言うのに、その吉野家はえらく賑わっていた。接客対応が早いということもこの店のセールスポイントだが、同時に多数の客の出入りがある時はその対応もどうしても遅れがちだ。
俺はひたすら自分の牛丼を黙々と食べることに専念していたのだが、2人連れの若い男性客が入店して来て席につき、店員が注文を取りに来るのを待っているのには気が付いていた。店員は他の客の会計に追われている。
そしてほんの少しの時間の後に、その店員は2人連れの客の所へと注文を取りに行った。
「ビール・・・」と注文をする声が俺の耳にも聞こえた。
店員がちらりと店の壁に備え付けてある掛け時計に目をやる。時刻は12時01分を指していた。
「申し訳ございません・・・当店では深夜12時以降の酒類の販売につきましては・・・」マニュアル通りと思われる断りのセリフを店員は告げた。

おい、ちょっと待て。
一部始終を見聞きしていた俺は、よっぽど意見してやろうかと思った。
しかし、2人連れの男性客の方を見ると、残念がりながらも納得している様子。

注文を取りに来るまでの時間を逆算すれば、どう考えてもその2人連れは時間前にそこにいたのだ。どうにも俺は腑に落ちなかったが、こういう店においてのルールはここまで徹底されているのかと妙に感心させられてしまった。

客商売って言うのは、客の無理な要望にも出来る限りの範囲で譲歩することではないのか!?
あの店員が特別なだけなのか??

1999.7.31.

【過去の吉牛ネタ】

吉牛ネタ(その3)
吉牛ネタ(その2)
吉牛ネタ(その1)




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