魅惑の牛丼


俺は猛烈に 吉野家 の牛丼が好きだ。
間違えてもらって困るのは、俺は牛丼が好きなのではない。
吉野家の牛丼が好きなのだ。
牛丼を提供する店は幾つかあるが、吉野家でなくてはならないのだ。

ところが俺の愛すべき吉野家が危機に直面している模様なのだ。
2003年12月24日にアメリカで初の狂牛病報道があり、アメリカ産の牛肉が日本に輸入されなくなってしまったからなのである。食肉販売に係わる仕事に就く俺にとってもこの事実はかなり痛いものであったが、それにしてもこんな時ばかり日本政府はとても対応が迅速なのには驚かされた。
美味しくて、品質が確かで、そして安価なアメリカ産の牛肉が日本に入ってこないのである。外食チェーンはこの事態の重さを危機として受け止めているが、一般消費者はどの程度の危機感をもってこのニュース報道および、この事態を受け止めているのだろうか。日本の食糧事情の現実がどれほどアメリカ産牛肉に頼っているのか、知っているのだろうか。
家畜伝染病防止の意味合いから牛の生体の輸出・輸入を禁止するならまだ話が判るが、食肉を輸入禁止にしてしまう日本政府の措置には甚だ疑問を感じずにはいられない。
吉野家においては、牛肉以外のメニュー提案に躍起なようで、5時から10時という時間限定発売が魅力であった「朝定食」が24時間いつでも食べられるように仕組みを変えたし、さらには、カレー丼・いくら鮭丼・焼鶏丼などの牛肉に依存しないメニューを提供開始する予定だと言うではないか。
そして更に驚かされるのは「特盛」メニューの凍結と、一部店舗において24時間営業の取りやめが実施される事である。

基本メニューは「牛丼」のみ。
24時間いつでも美味しい牛丼だけを提供します!!

このとてつもなく気合いの入った姿勢が崩れ去ろうとしているのである。
その理由が、消費者が牛肉から離れたからではない事に俺は憤りを感じる。
原材料が調達出来なくなってしまったからなのである。


俺はすべての人に問いたい。
牛肉を食ってどうにかなった人がいるかと。
狂牛病の報道で実害を受けた人間がいるのかと。
狂牛病とは何ぞやと。

報道ばかりが先行して、何だかよく判らない物に対しての必要以上の規制と敬遠。
よく判らないなら判るまで勉強しろ。
消費者が選択するかしないかの自由は残せ。
止めることで解決しようとする選択は間違っている。
やり続ける事によっての結果を示して見ろ。

2004.1.4.


【過去の吉牛ネタ】

7.つゆだく
6.がんばれ吉野家
5.吉牛ネタ(その5)
4.吉牛ネタ(その4)
3.単位
2.吉牛ネタ(その2)
1.はじめての吉野家






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