次世代ワールドホビーフェア

 

 1999年のゾイド復活が初めて大々的に告知されたのは、ちょうど1年前の6月に開催された、同じ次世代ワールドホビーフェアであった。それ以前には、コロコロコミック誌上において、「激ハードホビー」として紹介がされていた。

 1999年8月末にゾイドが復活して、10ヶ月。テレビアニメという、旧シリーズでは展開が見送られたメディアミックスの方法は、ゾイドの知名度を高め、1999年末のクリスマス商戦には、早々と最も人気あるクリスマスプレゼントの仲間に加えられるほどとなっていた。そして2000年最初の月には全国4大都市をまわる次世代ワールドホビーフェアに始まって、平均すると毎月1回はいずれかの地でイベントが開かれ、バージョン替えも含め、毎月新製品がリリースされるなど、ゾイドにとって息を尽かせぬ展開がなされている。

 

 そして、去る6月24日(土)・25日(日)の二日間、幕張メッセの第9・10・11ホールにて、次世代ワールドホビーフェアの開催である。惑星政府が視察団を送り込んだのは25日。用いた機体は、シールドライガーMk-1量産型である。

 梅雨時期であるものの雨が降らないのは幸い、青空の見える隙間もないほどの空一面は雲、雲、雲。会場前に列を作るには支障をきたすこともなく、また、先行販売品をはじめ、大事なホビーグッズをぬらす心配もする必要のない、まずまずの天候の日であった。

 ホール建物の入り口は、会場の2階部分になる位置である。中に入ったからといってすぐに会場と言うわけではなく、ジグザグに折れ曲がった順路を抜け、やっと会場へ降りる階段にたどり着くことになる。

 毎回トミーのブースはその階段からそれほど離れていないところに構えられている。そして探すのはいつもの丸いバルーン。いや、トミーは昨年の東証二部上場を経て、今年は東証一部上場と同時に角の丸いロゴから、「Dream Energy」をキャッチフレーズとした、少々角のあるロゴに変更しているため、目に入ってきたのは、ロゴに合わせた四角いバルーンであった。そして、その四角いバルーンのわきには、ゾイドの黒いドーナツ型のバルーン。そのドーナツの下が、ゾイドコーナーである。

 

 前回1月のホビーフェアのゾイドの目玉イベントは、ユーザーの持ってきたゾイドをディオラマベースに載せてインスタント写真をとってもらうというモノ。しかし、今回は、すでに数種のカスタマイズパーツの発売を経て、「改造」をゾイドの遊び方として広く広めようと言うメーカーの方針を受けて、カスタマイズコンテストが目玉イベントとなっていた。実際、ユーザーの持ち込むゾイドの展示スペースは、前回1月のホビーフェアの時の10倍以上、そしてエントリーされたゾイドの数は200体を超えていたという。

 もちろん今後発売される新製品の展示も行われ、その中で目を引くのは、コロコロコミック誌上で行われたゾイドアイディアコンテストの最優秀作品となった、海サソリをモチーフにしたゾイドがテストヘッドとなって、新製品の中に並んでいたことであった。テストヘッドという事で、色が白いせいもあり、モチーフもほぼ同じ事から、旧シリーズ24シリーズで最も人気のあるデスピオンを思い起こさせるのは自然の成り行きである。これを見たとき、今回のアイディアコンテストは、ゾイドのアイディアそのものよりも、まだ再販されていない旧シリーズのゾイドで、金型や設計をある程度流用できる機体と同じモチーフであったモノを、最優秀賞に選ぶ予定があったのでは? と疑いをもたされてしまったのは否定できない。

 このホビーフェアで最も注目すべきは、「ゾイド改造講座」の開講であった。取り上げたのは、簡単なウエザリング方法の紹介と、売り出された改造パーツの取り付け方の紹介であった。 

 

 再販スタートから上昇期を経て、いよいよ安定期に入ろうという頃に成りつつあるのか、数回のイベントを経て、イベント展開方法としてより多くのユーザーが参加しやすく、ユーザーに呼びかける、幅広いユーザーが受け入れられやすい展開がなされていたと言える。今後のますますのゾイドの拡大と定着化を目指してもらいたい中で、ホビーとしてのユーザー参加型のイベントを期待したい。

 

トミーの改造ゾイド

ディオラマ展開 

 

 

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