ディオラマ展開

 

 こうしたゾイドのイベントにディオラマ展開が欠かせないのは、ゾイド復活前の展開からも見て取れるモノ。

 ゾイド復活に際し、アニメとのメディアミックス展開されたことから、おもちゃショーからは、アニメの名シーンを再現したディオラマが用意されるようになった。そして、このホビーフェアでも、同じディオラマが持ち込まれ、展示されていた。

 

 政府視察団がすっかり気に入っているのは、このシールドライガーとゴジュラスの戦隊行動のディオラマ。おもちゃショーと同じものであるが、量産機であるゾイドらしさがすぐにわかるこうした演出は、何度見ても飽きない。将来的な目標に、量産機としての演出を考えた同一機体を同一塗装で並べたいとは思っているのであるが、時間と手間の問題でなかなかできないため、こうしてメーカーの強みを生かして代わりにやってもらえると、少しは気持ちが満たされるというモノである。

 

 今回少し大きくとりあげてみたいのは、ジェノザウラーを抱え込むアイアンコング。本来のゾイドの特徴である可動ギミックを廃して、ディオラマとしての固定ポーズを優先した改造である。動くことが特徴とされるゾイドは、今にも動き出しそう、なイメージをつきまとっている。だが、それは歩き出す走り出すという前進についてのイメージである。しかし、このディオラマでは、固定ポーズにこだわったことで、あるワンシーンの動きを切り取ったカタチを演出することに成功しており、今後ゾイドを改造する上で、ポージング優先を考えているファンには、何かを呼びかける改造例になっているのではないかと思われる。

 

 いずれのディオラマも、かなり畳み半畳弱ほどの大きなベースに作られているディオラマであり、なかなかユーザーでは簡単にできない大きさである。トミーには、今後もこんなメーカーの強みを生かした、ユーザーではそうはできない、ディオラマ展開を期待したい。さらに、アニメの名シーン以外に、コロコロコミック誌上のバトルストーリーやマンガのワンシーン、さらにはオリジナルストーリーのディオラマも作ることで、ゾイド改造と並んで、ディオラマ遊びもゾイドの遊び方として、定着させられるような展開も期待したいところである。なぜなら、メディアとリンクしているキャラクターおもちゃは、メディアが終わった後に生き残らせるのは簡単ではないからである。ゾイドがメディア終了後も、ホビーおもちゃとして定着していくためには、遊びの広がりのきっかけを作っておく必要があるからである。

 

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