発表された新製品

 

 次世代ホビーフェアというからには、次に来るホビーを先行して紹介するのがイベントの趣旨である。よって、発売前の新製品が紹介されるのは当たり前である。

 やはり、新製品の展示コーナーで最も目を引いた新製品は、テストヘッドの展示となった機体である。もともとは、コロコロコミックで募集のあったゾイドアイディアコンテストの最優秀作品、ブルーマリンスティンガーからヒントを得ている、海サソリ型ゾイド。

 旧シリーズを知る者にとって、目を引く理由は単に色が白いためというのは偽らざる感想である。その形からは、旧シリーズのデスピオンと同じ動きが想像できることから、あらゆる面で目を引いていたわけではないのは仕方のない。しかし、飛び交う噂では、今までのゾイドにないギミックが搭載されるとも聞かされており、ギミック面においてデスピオンとの差別化を期待したい。同時に、デスピオンの最大の問題点であるシャーシー部のスイッチを、機体上面背部に移設することができれば、他のゾイド同様、おいたままでのON・OFFができるようになり、更に理想的なパワーユニットとなるであろう。

 このホビーフェア直後に発売されるのが、シンカーとアイアンコングPK。もちろん、期待の新製品としてラインナップされている。シンカーは、前回1月のホビーフェアでは何の告知もなく真っ白な機体での展示があり、憶測をよんだのであるが、今回のホビーフェアでしっかり製品化されているのは、うれしい結果となったといえる。

 アイアンコングPKとゴジュラス・ジ・オーガは、ゴールデンウィーク中に行われた鈴鹿でのイベントで既に展示がされており、鈴鹿にもこの幕張にも足を運んだ熱心なファンには見慣れた機体となっているであろう。2体は旧シリーズMk-2限定型が意識されているのは見てのとおりである。展示は塗装された機体であるため、必ずしも製品と同じ色になるわけではないが、実際の製品も、必ずしもあらゆる面で旧Mk-2限定型と一致させているわけではないのは予想に難くない。

 現在のトミーの動向を見る限り、ゾイドの改造をユーザーに推奨していくのは明らかである。実際、ゴジュラスの長距離キャノン砲もアイアンコングのバックパックも発売が決定されており、本体を買ってパーツを買い足しての改造という、別売りにすることで遊びを広げていくという印象を与える展開から考えて、本体とパーツのセット販売はあり得ないと読むのがよいのではないかと思われる。その点からすると、このアイアンコングPKとゴジュラス・ジ・オーガはもともと限定販売となってはいるが、ゴジュラスとアイアンコングにおいて本体の武器パーツをセット販売する最初で最後の機会ととらえるのが最もよい結論であると思われる部分もある。すると、限定版というアイテムという認識ではなく、改造用パーツという意味で、発売が予定されている改造パーツと限定版のみにしか入っていないパーツとの構成を考え、必要なパーツを確保するための手段として、2体の限定型の購入検討をするのも、ゾイドの改造を考える者には必要な購入動機となるであろう。

 そしてもちろん、この会場で先行販売されたハンマーヘッドとジェノブレイカーもコーナーのほぼ中央の位置に展示されている。

 ハンマーヘッドは、止まったままの展示でありながら、一度に全ての特徴を見せようとしての展示方法であったため、かえってまとまり無く見えてしまったのは否めない。

 また、ジェノブレイカーについては、パッケージ撮影用の塗装した機体と、実際の商品を組み立てた機体の2体が展示されており、その与える色の印象の違いを明らかにしていた。塗装された機体は、製品版では無く、テストヘッドに塗装した機体と思われる。暗い赤で表現され、更に墨入れ汚し塗装などもされており、全体としても暗い色のイメージを与える機体となってる。対する成形色のままの機体は、明るい赤のままという今までのゾイドにない印象を与えている。この2体では、カマ盾の内側の部品構成が異なっており、片や製品片やテストという事が如実に現れている。

 さて気になるのが、このアタッチメントパーツ群。ホビーフェアの会場のみの販売となっているパーツであるが、その部品構成は、かなり興味深い。ビームガトリングユニットが発売されてから、多くのユーザーを悩ませたアイアンコングへのガトリング砲の装備。このアタッチメントがあれば、意図も簡単にできてしまうのには、注目せねばなるまい。このほかにもコマンドウルフ、カノントータスにビームキャノン砲を装備するアタッチメントや、ジェノザウラーに8連ミサイルポッドや高機動ウイングを装備するアタッチメントなどがまとめて入っているランナーパーツである。これだけ内容のあるパーツの発売がアナウンスされていないのは残念なことである。

 

 

 

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