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身体感覚が自己を成長させる

野口整体 気・自然健康保持会

主宰 金井省蒼

1、言葉と感受性

『月刊MOKU』2007年6月号
身体感覚と自己の成長(身体感覚が自己を成長させる)
その一 言葉と感受性(V5の5)

1-6 意識と無意識

 言葉は「意識のもの」ですが、感覚は体にあります。
 これを「無意識のもの」と呼んでいます。

 言葉が獲得されることで、子どもは自分が何を感じているかが分かるようになり、それを他者に伝えることができるようになっていきます。言葉は「感じていること」を、意識化するためにある、ということができるでしょう。

 しかし、意識の発達とともに、知識と語彙が増え、考える力が増していくと、言葉と自分の感じていることが離れてしまう傾向があります。すると言葉は「根っこ」を失い、浅薄なものになってしまいます。たくさんの言葉を得たはずなのに、「自分の言葉」が育たないのです。

 

 「『自分の言葉』が身についている」ならば、言葉によって感情を伝えるのは勿論のこと、言葉によって自分の心を動かしていくことが出来るのです。そして言葉を連ねて思考を進め、心を深くすることができます。

 今の若者は言葉と感覚、感情と言葉がひとつになっていないので、言葉によって自分を進めることができず、深い思考力が働かないのです。

 このことが、「頭は(成績は)良いが、心が馬鹿な、エリート(?)な若者」を産み出しているのです。

 頭でだけ知っている言葉は心を動かす力を持ち得ません。それこそ、体と頭が一つになり、「深く考える」ことができると、体を自ら成長させることもできるのです。

 ここに私が「感性」、「身体」、「無意識」の重要性を主張する所以があるのです。

   

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