KhasyaReport さとやま食らいふ 018

コッタマッリは咳に効く…ばかりじゃない

コッタマッリの枝と実
 コッタマッリはスリランカのシンハラ語でコリアンダーのこと。カレーの大切なスパイスだけど咳を止める薬として重宝がられている。実を煎じて煮だした汁を飲む。ゴホンと言ったらコリアンダ、と覚えておこう。のどいがらっぽい、咳が止まらない、なんてときは速攻で効いてくれる。

 かしゃぐら山里の今年の夏は長かった。おかげで、いつもは取れないコリアンダーが元気に育ってくれて、たくさんの実を結んだ。まあ、小さい実だこと。ギャバンの一流品に比べたら、「えっ、これでもコリアンダーなの?」なんて笑われてしまいそうだけど、スリランカの市場で売られているご当地コリアンダーと同じぐらい。そうか、その辺の阿竹にそのままパラパラ種をまけば、小さなコリアンダーの実ができるんだ。
 梅雨明けに種を蒔いて、ただ、花が咲き実の結ぶのを待つ。ただ、待つ。ひたすら芽が出るのを待って、放っておいてそれでおしまい。植物は自分で育ってくれるから秋にはこうしてスリランカ並みのコッタマッリだ。
自家用コリアンダーは実にありがたい。実を片手鍋に入れて香りが甘く漂いだすまで煎る。それをブレンダ―で一気に粉にして肉や魚にまぶす。時間があったら、ミリス・ガラでゴリゴリと潰す。肉と魚のカレーに使うことが多い。カレーは新鮮でシンプルに作らなくちゃ。
 冬にはコッタマッリを煎じて飲むことが多い。このときは種を潰したりしないでそのまま種に水を加えて煎じる。気管を刺激して咳が出るときはコッタマッリを口に含んで喉に通すとすぐに咳が止まる。バイラの大御所ジプシーズがコッタマッリを歌っているけど、コミカルな調子で「なんにでも聞くよ」と言っているのは、私にすれば間違いない。
 来年はこの種でコリアンダーが増やせる。かしゃぐら畑でコリアンダーが作れるほど来年も暖かくなるはず。縄文のヒプシサーマル温暖期が再びやって来たのか、地球が汚染されてオゾンホールが生じて温暖が起こっているのか。はたまた、太平洋赤道東部のエルニーニョと言うのは本当かい?
 来年、雪が明けたら、南洋植物をかしゃぐら畑に植えてみよう。2014-10


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