KhasyaReport さとやま食らいふ 011
畑が萌える

かぼちゃは一番早く目を出す。自然に出てくるんだからありがたい。

 畑は、キホン、余計な手を加えない。何にもしない。細かに耕したり、養豚業者から肥やしを軽トラック一台分買って畑一面にそいつをぶち撒けるなんてしない。畑が萌えるのを待ってこちらも動き出すだけだ。鍬を担いで畑を耕すのは5月の連休明け頃。その前に雑草対策でこんなことをする。
 畑の雪が消えると雑草が芽を出す。そうしたらhondaのコマメで畑の土を一通りなぜる。4月初めになぜておくと雑草はしばらくおとなしくなって芽を出さない。そのうち、かぼちゃが芽を出し始める。自然に、だ。なぜ自然にか、と言うと、私はかぼちゃが常食だから、調理残渣にカボチャの種が混じっている。調理残渣は畑に撒くから、冬を越えると芽吹いてしまうのだ。
 こんなふうにして夕顔も、トマトも芽吹く。自由気ままにだ。しばらく待っていると5月下旬には赤いもだって芽吹いてくれる。これは昨年の掘り残しの小さないもが娑婆の空気に触れたくて地上に上ってくるのだ。
 さあ、そろそろ準備がいいようだな。おもむろに昨年採取した夏野菜、熱帯野菜の種をまく。スリランカのピピンニャもカラウィラもだ。コリアンダーも一緒にだ。あっちにパラパラ。こっちにパラパラ。
ピピンニャは種をまいて発芽させる。きゅうりの原種だという。そばでウリ科の植物が花ををつけるとこれもつられてウリになってしまう。


 パリップやトルシー(ホーリー・バジル)の種も畑にたくさん転がっているはずだけど、こちらは全く目を出さない。冬の寒さに種が耐えられないのだろう。昨年のこぼれ種で再生産出来ない植物は保管しておいた種をまく。コストこのクッキー・ケースを温室にして芽吹かせた幼苗も植えてしまう。雨が降って気温種は地温20から25度でそのうち芽が出るはず。今年はやけに気温が高いから熱帯野菜も早く目を出すだろう。
コリアンダー、二葉を出した。
 畑を作るにはいろんな知識やら技術が要るのだそうだけど、そんなものにかかわるとお金と時間を無駄にする。多分、畑には畑の意味論や統語論がある。畑に鍬を入れるこちら側がそれに慣れてしまえば自然と作物は成る。畑にも言葉がある。

小梅は色づいてもう収穫時。のし梅やジャムにする。 


畑が萌える。シンハラ語が聞こえる。地球って星、どこにいても同じなんだね。  2014-6-2


さとやま食らいふ目次山里ライフ かしゃぐら通信から

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