KhasyaReport さとやま食らいふ 015

山椒味噌の季節


黄色い入れ物をコンテナと呼ぶ。これはケンちゃん家のもの
だけどお借りして使っている。枝から山椒の葉をこそぎ落と
して水でさっと汚れを落とす。

 畑の上の山に入ると山椒の木がある。何本もある。一番大きな木には実がならない。この木に新芽が出はじめたら葉を摘んで山椒味噌を作る。
臼に入れて杵で搗く。スリランカで
草粥を作るときの要領で葉っぱをつ
ぶす。なれたもんだ。


 葉を摘んだら臼に入れて杵で葉をひねりつぶす。葉っぱを杵で搗くなんて、いまどきの日本ではなかなかやらない。でも、スリランカで草粥を作るとき、いつも臼と杵でゴトゥコラやハーターワーリヤを杵で叩き潰して草汁を取った。スリランカでは草粥ばかり飲んでいたから草汁を取る作業も覚えてしまった。杵出葉を搗けばいい。山椒の葉をつぶす。杵は月のうさぎが持っているようなスリランカ式のやつじゃないけど、日本の杵で搗いても葉っぱは見る見るうちにペースト状になる。

味噌を加える。白く仕上げたかったので
西京味噌にした。
いい感じに山椒味噌ができてくる。
頃合いを見てこれを火にかける。発
酵が止まって山椒味噌の色も味も変
 これに味噌を加える。イオンで西京味噌を買ってきた。今年の初山椒は甘い山椒味噌をピリリとつくってみる。練り加減を調節してみりんを少々。山椒の酸化を食い止めるためにちょっと火にかける。で、OK。
 4月、5月、いそがしくて体調を狂わせた。3年前の大手術後、体のシステムがすっかり変わった。食事は恐ろしいほどにシンプルにして食生活の舵切りを変えた。カボチャと人参ばかり食べている。動物性脂質もナトリウムも極端に減らしてしまった。だから忙しさに紛れると体調が崩れる。体力が追い付かない。疲労が重なって白血球が減って歯周病菌が暴れだし顔がはれた。食欲も減退。あわてて歯医者さんへ通って治療に専念。3日休んだら日中だいぶ起きられるようになった。食欲も、なんだか、あるような。そんな気配。小腸も大腸もだいぶ切り取ってしまって神経もいくつか切ったから腸で考えることができなくなった。食欲という大切な情報が脳に伝わらない。
 そこへ山椒味噌の出番だ。三角おむすびのへりに山椒味噌を厚塗りしてがぶり。あ、あ、食える。食欲が天から降りてきた? 山椒味噌握り三個をペロリ。山椒味噌の季節だなあ。  2014-6-6

ペースト状王の団子に丸めて出来上がり。ご飯にもパンにも合う。何につけて食べてもうまい。日本列島が 産んだポル・サンボールだ。



さとやま食らいふ目次山里ライフ かしゃぐら通信から

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