KhasyaReport さとやま食らいふ 008

ゴトゥコラはつぼ草じゃないんだけど

 日本には3種のつぼ草があります。別名ゴトゥコラといいます。という園芸植物販売サイトの謳い文句にひかれてつぼ草を取り寄せた。
 そう、スリランカ料理のサンボールに欠かせない、あのさわやかな味わいのゴトゥコラ。舌先をスゥッとさせる食味、精神を安定させて、血をきれいにするアーユル・ウェーダの薬草。スリランカでは川辺や湿気のある山に生えている。ほふく植物だから茎が何処までも伸びる。かしゃぐらの山にもゴトゥコラまがいのつぼ草が群生しているけど、これは食用にならない。

かしゃぐら山のつぼ草(上の写真も)
 売りもののツボ草にはわざわざゴトゥコラと添え書きもあるし、試しに買うことにした。そのゴトゥコラと称するつぼ草。宅急便で届いたやつを早速口にしてみた。
 ぎゃあ~、苦い。石灰っぽい。
日本に育つ「つぼ草」
 これは、かしゃぐらの山やうちの庭に生えているつぼ草とおなじではないか。
 その昔、四谷新道のビルの上のテラスでゴトゥコラを育てた。スリランカから直送のゴトゥコラだ。石灰の苦味なんかない。何年育ててもさわやかな味。それをかしゃぐらに運び込んだら、寒さであっという間に枯れた。それでも懲りずにスリランカへ行ったらゴトゥコラを持ってきた。何度も運んで来て、何度も枯らした。東京の四谷しんみちのビルの上では旺盛に育ったものが、東北の山里では育たない。

 ああ、ゴトゥコラはどこに。ネットでひょいひょいとゴトゥコラをキーワドにしてサーチしたら、ちらほら日本国内でゴトゥコラ・プロジェクトをした痕跡が伺えたけど途切れたみたい。ゴトゥコラのフレッシュ生葉を扱うサイトの店も見つからなかった。上野のセンター街でも、タイの野菜を扱っているけど、ゴトゥコラはないみたい。タイの人が良く持ち込んでくるよ、と成田の検疫で訊いたことがあるけど、タイ風のゴトゥコラ・ジュースもまだ検索ヒットしない。健康ジュースには目がない飲料メーカーもゴトゥコラ・ジュースにはまだ手を出してくれない。

 毎朝、山の畑へ行く。雪が降る前に杉と小楢と栗の枯れ木をのこぎりで切って集めてストーブの燃料に貯蔵する。山に足を踏み入れるとつぼ草の群生。つい葉をつまんで口に入れてしまう。石灰の苦味が広がる。茎も噛む。ああ、にがー。姿かたちはスリランカのゴトゥコラなんだけどォ。  

スリランカのゴトゥコラ 見た目、日本産と違わない。でも、食用にはならない。


さとやま食らいふ目次山里ライフ かしゃぐら通信から

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