KhasyaReport さとやま食らいふ 004

秋の空だ。さあ畑だ。

 今年はいつまでも温かくて、畑を仕舞うのを忘れてしまうほど。だって、カラウィラは10月初めでも実をつけるし、ピピンニャだって九月終わりまで取れた。温かいので蜂が花に群れていたってことだ。カラウィラもピピンニャも毎朝、ナマで食べる。カラウィラの生食はケンゾーさんに教えられた。コロンボに住んで日本語ガイドをしていたけど、本人は日本の地を知らない。いや、スリランカ国籍の女性と結婚してスリランカのパスポートが取れたから、スリランカの島の外へ出られるようになったけど、

カラウィラ

 でも、無国籍の時が長くて大変だった。ちゃきちゃきの江戸っ子のケンゾーさんのお母さんがそう話してくれたことがある。
さてさて、カラウィラを「にがうり」と同じだと思っていると大違い。日本に出回る「にがうり」は生食に向かない。ちいさくてずんぐりもっこり。でも、今年、やけに長く成長した。形が「にがうり」ッぽくなったけど、色づきもやわらかな味もカラウィラのまま。
 ピピンニャも生で食べる。スリランカの洋食屋さんへ入った人なら、きっと食べたことがあると思う。これ、日本で作るときゅうりやウリの様になってしまう。交配しやすくて、交配すると個性を無くす。スリランカのピピンニャはきゅうりの原種、オリジナル。きゅうりの青臭みもなくてきゅうりよりずっと食べやすい。

ピピンニャ

 この味を知っているはず。観駆料理の添え野菜として分厚い輪切りのピピンニャが更に載っていたはずだ。
 スリランカの野菜は下旬になって成長をやめた。今はトマトが実をつけている。サントリーが開発した料理用イタリアン・トマト。その苗を昨年、ホームセンターで買って植えてほうっておいたら、今年、ずいぶんと苗が増えた。ロケット型の実だけど、中に先祖帰りしたのが出てきて丸い実もつけている。これがめっぽううまい。朝に畑からとってきて、四つ割りにしてストーブでことこと煮詰める。赤く熟した実はトマト・ソースに成る。

赤いトマト、青いトマト。 ぐつぐつ煮込む

 青い実もことこと煮詰める。重量比30パーセントのグラニュー糖を入れてジャムにする。それほど美味じゃないけど肝臓と大腸に効く。
 ここにトゥルシーが加わって朝の野菜食が完成。ええ、まだトゥルシーが取れるのか、ですって? はい、これは部屋の中で水栽培しています。さすがに畑のトルシーは、葉が硬くなってきたので噛み切れない。
 なんだか、すっごく野菜尽くしみたい。  2013-10-28


さとやま食らいふ目次山里ライフ かしゃぐら通信から

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