スリランカ料理トモカのレシピ―  


ハールマッソー හාල්මස්සෝ
ハールマッソー
හාල්මස්සෝ
どんな料理? 

 スリランカの町や村では必ず朝市があります。日曜にはにぎやかな朝市に出かけましょう。
 早朝の市を覗くと、写真のような小魚を売る店があります。
これがハールマッソー。
 ようく見ると、これ、煮干です。日本では食べる煮干なんて書かれて袋に入っているやつです。
 かわいい猫ちゃんにカルシウムを、なんてペット・フードの棚に並んでいることもあります。可愛い子猫ちゃんの健康にはもちろん良いのですが、私たちジンルイにも滋養と美味を約束してくれる大層優れた食材がこれ。
 この食べる煮干をスリランカ式に調理するとどうなるでしょう。
 辛味と旨味と芳香で、忘れられない味ハールマッソーになる!のです。


材料
ハールマッソー(じゃこ) 片手に載るぐらいの分量
タマネギ 1/4個
ニンニク 2片
塩 少々
薄いココナツ・ミルク ハールマッソーがひたひたになる分量。写真のようなパック入りを求めれば十分。

スパイス群
シナモン2_3センチを1片
クローブ2,3個
コリアンダー10粒ほど
クミン 1/2tスプーン
 赤い唐辛子 *コリアンダーの量を外のスパイスに較べてやや多くするとこの料理の香りが「らしく」なります。

 


調理の手順



ハールマッソーの材料。干魚は「食べる煮干し」がいい。辛味は有合せの一味唐辛子、シナモンは紅茶用のスティックでいい。コリアンダーはギャバン。一頃より質が落ちるがこれでもスリランカ産より質がいい。

コリアンダーを煎って(左上)電動ミルで挽いて粉にする(上右)。下は浅煎り(左)と深煎りのコリアンダー(右)。ここがツボだ。

材料をすべて素焼きの鉢に放り込む。そして、柔らかに過熱。

薪ストーブに石板を置いて鉢を加熱する。土鉢を蓋にして被せればオーブンになる。


①ハールマッソー(じゃこ)を水で洗います。スリランカで買ったものは砂や小石が混じったりしますから,何度か水を取り替えて汚れを取り去り注意深く洗ってください。日本で買い求めたじゃこなら、もちろんそんな必要はありません。

②タマネギは細かく微塵に切ります。ニンニクもみじん切りにするか、小口切りします。

③ハールマッソー,切ったタマネギ、ニンニクを土鍋に入れます。ゴラカは湯に浸して戻し、柔らかくなってから加えます。戻し汁も酸味を含んでいますから加えます。
 ここにココナツ・ミルクを材料がかぶるぐらいの量、入れます。塩もこの時点で少し入れてください。調味のために塩は後で味を確認しながら加えますから、ここではセーブして入れてください。
 ココナツ・ミルクは粉末状のものもありますが、ここで使ったのは紙パック入り、インドネシア製のkara classic。スリランカ料理に使うにはかなり濃いので、薄めます。米のとぎ汁のように薄めてもこの商品はココナツの甘い香りが薄まりませんから、極限まで薄めてください。決して濃厚なまま、お使いになりませんよう。
 この頃バージン・ココナツオイルなどと持てはやされてダイエットや健康食品の仲間入りを果たしたココナツですが、ココナツ・オイルもミルクも、ましてクリームはもちろん、それらの使い過ぎはお勧めしません。ココナツ・ミルクは食品に風味をそえる隠し味と位置づけましょう。使いすぎると素材の味と香りが隠れてしまい、それと同時に脂肪酸の体へのストレスも大きくなります。

④スパイスを入れます。コリアンダーは粒のままのものをその都度煎って、挽いて使います。
 コリアンダーは深煎りにしてください。写真ではアルミの片手鍋を使っていますが、焙烙で炒るほうが無難です。コリアンダーの甘味と渋みを充分に際立たせて、じゃこの魚臭とバランスを保つようにして料理の匂いを作ります。カーダモン、クローブ、シナモンはホールのまま加えます。

⑤火にかけます。火加減は中火。薪で炉に火をおこした時の暖かさを想像してみてください。写真では薪ストーブの上の石版に置いて150℃から200℃で加熱しています。こうすると柔らかな火加減なので香りを壊しません。

⑥煮あがるまで火を通します。出来あがりの頃合いはコリアンダーとじゃこの匂いが溶け合って、それを嗅いだ瞬間、思わずよだれがこぼれそうになった時。これにスリランカ仕立てのココナツ・ミルクが加わるのですから、もうたまりません。軽く煮あげても,充分に火を通しても、それは好き好き。料理は調理人の個性ですから。



食べ方
 皿に盛ったご飯にハールマッソーを掛けて食べます。汁もご飯に掛けます。それを指で上手につまんで食べる。
 指食を、お忘れになりませんように。
 コリアンダーを効かせた料理ですから、気管の働きを良くします。体が何となく重いな、というときにはハールマッソーをご飯にかけて食べて元気になってしまいましょう。



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