Leaskdale −アヴォンリーをさがしに− 


 モンゴメリがプリンスエドワード島で結婚式を挙げた後、夫の牧師の仕事で最初に赴いたのがオンタリオ州のLeaskdaleでした。トロント北東の村Uxbridgeの1集落です。1911年から1926年までの間この集落の長老派教会の牧師館が二人の最初の家となったそうです。
 Leaskdaleでの作品は、「黄金の道」、「アンの愛情」、「アンの夢の家」、「虹の谷」、「アンの娘リラ」、「可愛いエミリー」、「エミリーはのぼる」、「青い城」などです。
 また、日本でも放映された「Road to Avonlea」は舞台こそプリンスエドワード島ですが、その屋外セットはUxbridgeにあり、Leaskdaleの農家の何軒かが実際に使われたそうです。

 UxbridgeYuka's LMM in Ontarioのホームページを見た週末です。

 2月8日の土曜日は「ゴージャスシャイニィデー」とラジオで言っていたぐらいのドライブにはもってこいのお天気。

 11時に家を出てFreeway404を北へ30キロ、Davis Dr.で降りて東へ。途中看板に従って右、次に左でbrock St. W.を通り25キロ程でUxbridgeへ。所要時間約40分。カナダの道は一般道でも安全な所は80キロ制限。Freewayを降り少し走るとそこはもうまるで「北海道のよう!」な田園地帯。横で夫が「カナダのようだろ」。トロントがあまりに都会で少々滅入っていたのですが、東京と違うのはちょっと走るとそこが茨城ではなく北海道!なのです。道はまっすぐで、右にも左にもなだらかな丘がずーと続いています。夏と冬に1度ずつ訪れた北海道の美瑛の丘を思わせるものがあります。雪の下は多分牧草でしょう、ところどころに農家の建物や牧舎のまわりに茶色い牛や馬。落葉樹や、松の林が点在しています。でも、山がどこにも見えない!

 Uxbridgeは意外と大きい村でした。村の中心へ近づくにつれ大きな新興住宅地が最初に目に入ってきました。中心地はお店も多く、車も人通りも多い。ここからさらに北へ15キロ程、7th concession Rd.をLeaskdaleへ。気がつかなければ通りすぎてしまいそうな、表通りに20軒程の集落、そこにモンゴメリの夫が牧師をしていた長老派教会がありました。

Freeway からの地図

 車を止めて教会を見に行きました。表通りに面して建っている小さな教会です。入り口へはだれも歩いていないらしく深い雪。中を見るのはあきらめて、外から写真を撮って、牧師館はどこ?表通りの反対側にモンゴメリが住んでいた牧師館がありました。案内板がなければ見過ごしそうな小さな建物です。今も人が住んでいるのか家の前に配達された新聞がビニール袋に入ったまま落ちていました。そういえば Yuka's LMM in Ontario のページには村の持ち物とありましたね。両隣にも似たような形の小さな古い家が並んで建っています。ここの裏手は住宅地で、「Avonlea Rd.新期分譲中」というような看板が建っていました。


 教会の並びには、Leaskdale Rd.をはさんで、古い素敵なお家がありました。「アヴォンリーへの道」に出てきてもおかしくないくらい古くて、でもとても奇麗。白い壁に赤い縁どりが印象的です。Leaskdale Rd.は何と未舗装。この道を行くとKing農場に使われたRobert Nesbitt farmのある6th Concession Rd.へ出るはず。未舗装なんてロケーションに使われてもおかしくない!とこの道をドライブ。今日は気温が氷点下で道が凍って固いけど、春先には融けてどろどろになるのではないかしら。そんなことを考えながら少し走ると、林がきれて丘が広がります。右手の谷間に、これまたグリーンゲーブルスを彷彿させる緑の屋根の奇麗な農家。横には大きな納屋と牛小屋、柵のなかには茶色い牛、子牛までいる。思わずここでも道から写真を撮りました。


 少し走ると6th Concession Rd.。ここも未舗装。これを左折して南へ。ここがまた素敵な風景。これならどこでもドラマのロケーションができる!プリンスエドワード島へ行かずともカナダの奇麗な農村の風景は有りました。なだらかな丘がずーと連なっています。雪をかぶっているけれど、全部農場か牧場でしょう。ところどころに古くて大きな農家の建物。道の近くに有ったり、丘の上の見晴らしの良いところに建っていたり。小さな道は皆個人の家へのアプローチらしく、さすがに入ることが出来ず通り過ぎるのみ。この家の何軒かが実際ロケーションに使われたのでしょうね。途中で舗装路に変わり、冬季休館の Scott Museum の前を通るとUxbridgeの村外れに。Uxbridgeの中心に車を停めてSub&Pizzaの店で昼食。

 今度は7th concession Rd.を南へ。Elgin Park横の地図ではUxbridge Pondとなっている池を見に。車で通りながら見ただけなのですが、凍った池の一部にアイスホッケーが出来るように長方形のスペースがありました。横のベンチにはこれからスケートをするのかスケート靴を履いている最中の女の子が2人。Uxbridgeのフォトアルバムで見たその場所ですが、ここはもしかすると「氷上の熱戦」が繰り広げられたあの場所では?池の西側には住宅がぽつぽつと見え、南側は公園の林。撮り方によっては十分ロケできそうなところでした。今度ここで有るらしいOld Fashion Skating Partyに来てみようかしら。

 もう一度Uxbridgeを抜けて6th Concession Rd.を南へ。Robert Nesbitt farm をさがしながら走っていたものの見つからず、21号線にも気がつかずに通りすぎてロケに使われたPine Grove United Church の方へも曲がり損ねてしまいました。森の中を未舗装の道は真直ぐ通っているのですが、丘を登ったり降ったり。山は無くとも起伏の激しいところです。一度丘の頂上から、遠くオンタリオ湖の湖面が青く見えました。1本西側の1号線を通ってそのままfreeway401へ。農村地帯が切れたかと思うと、突然住宅密集地が広がりました。それも新興住宅地。大都市と、住宅地と、自然(広大な農地)が隣り合せている、それがトロントなのでしょう。

 3時には家に帰りつき、約160キロのドライブでした。

Last Update: 15 Mar 1997
冬☆ Leaskdale ☆ Norval ☆ Uxbridge   春☆ Uxbridge ☆ Leaskdale ☆ Uxbridge
夏☆ Leaskdale ☆ Bala   秋☆ Uxbridge ☆ Norval ☆ Jane


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